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僕の試験
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西の門で特別クラスの受付が始まった。
騎士服を着た人に書類を提出する。
中身は基本書類、身元保証書、健康診断書、志望動機を500文字以内で書いて提出した。
先ずは筆記試験と簡単な基礎体力テスト。
これをクリアしないと城外に案内される。
クリアすれば部屋に案内してもらえる。
筆記試験を終えて、演習場で説明を聞きながら待つこと半刻。2人の騎士がやってきた。
「私は王宮騎士団の第三部隊の隊長フェンドリッヂだ。呼ばれた受験番号の者は立て」
70人近く呼ばれた。
「今呼ばれて立ち上がった者は書類選考に不合格となった。荷物を持って去ってくれ」
演習場は騒ついた。
「158番です!理由を教えてください!」
隊長は紙を見て顔を上げた。
158番、テリー。志望動機を書いた筆跡と答案用紙の筆跡が明らかに違う。
最初から騎士団を騙そうとする性根の腐った奴を仲間に入れるわけにはいかない。さっさと帰れ!」
「っ!」
「他にも診断書の偽造、身上書の虚偽、身元保証人の不備など様々だ。
はっきり言ってこれは犯罪だ。国と王族に仕えようとする身で、初日から偽るなど言語道断。
罪に問わず帰すのは温情だ。感謝しながら帰るといい。
そして、今日も今後も、不正によって不合格になった者は王城に関わる全ての職に応募できない。
これから1週間かけて調査を行う。
今呼ばれなかった者の中から不正をした者が見つかるだろう。今 自白し、受験票を返して去れば罪には問わない。
ただし、明日以降に発覚すれば処罰する。
懲役刑になるだろう。さあ、3分やろう。辞退者はいないか?」
そこから20人近くが立ち上がり受験票を返して去っていった。
昼食を取った後、また番号が呼ばれる。筆記試験で落ちた者が呼ばれて、この時点で残りは80人近くになっていた。
多分定員を下回るだろう。
午後は体力測定が始まった。
途中で怖そうな人と小さな女の子が来ていた。
栗色の髪に薄桃色の瞳で人形のように可愛かった。
体力測定の順番が終わり、脇で控えようと試験官達の前を通った。
「ちょっと待て」
自分のことだとは思わなかったが念のために視線を向けると、来いと手招きしている。
早速不合格かと思ったら、
「リリ。彼か?」
「……」
少女はじっと僕を見た。
「君、名前は」
「クリス・サモールと申します」
「頑張るように」
「ありがとうございます」
よく分からないが返事をした。
後で知った。声をかけてくださったのは副団長のセナ・コンラッド侯爵だった。そして側にいた少女は娘だった。
騎士服を着た人に書類を提出する。
中身は基本書類、身元保証書、健康診断書、志望動機を500文字以内で書いて提出した。
先ずは筆記試験と簡単な基礎体力テスト。
これをクリアしないと城外に案内される。
クリアすれば部屋に案内してもらえる。
筆記試験を終えて、演習場で説明を聞きながら待つこと半刻。2人の騎士がやってきた。
「私は王宮騎士団の第三部隊の隊長フェンドリッヂだ。呼ばれた受験番号の者は立て」
70人近く呼ばれた。
「今呼ばれて立ち上がった者は書類選考に不合格となった。荷物を持って去ってくれ」
演習場は騒ついた。
「158番です!理由を教えてください!」
隊長は紙を見て顔を上げた。
158番、テリー。志望動機を書いた筆跡と答案用紙の筆跡が明らかに違う。
最初から騎士団を騙そうとする性根の腐った奴を仲間に入れるわけにはいかない。さっさと帰れ!」
「っ!」
「他にも診断書の偽造、身上書の虚偽、身元保証人の不備など様々だ。
はっきり言ってこれは犯罪だ。国と王族に仕えようとする身で、初日から偽るなど言語道断。
罪に問わず帰すのは温情だ。感謝しながら帰るといい。
そして、今日も今後も、不正によって不合格になった者は王城に関わる全ての職に応募できない。
これから1週間かけて調査を行う。
今呼ばれなかった者の中から不正をした者が見つかるだろう。今 自白し、受験票を返して去れば罪には問わない。
ただし、明日以降に発覚すれば処罰する。
懲役刑になるだろう。さあ、3分やろう。辞退者はいないか?」
そこから20人近くが立ち上がり受験票を返して去っていった。
昼食を取った後、また番号が呼ばれる。筆記試験で落ちた者が呼ばれて、この時点で残りは80人近くになっていた。
多分定員を下回るだろう。
午後は体力測定が始まった。
途中で怖そうな人と小さな女の子が来ていた。
栗色の髪に薄桃色の瞳で人形のように可愛かった。
体力測定の順番が終わり、脇で控えようと試験官達の前を通った。
「ちょっと待て」
自分のことだとは思わなかったが念のために視線を向けると、来いと手招きしている。
早速不合格かと思ったら、
「リリ。彼か?」
「……」
少女はじっと僕を見た。
「君、名前は」
「クリス・サモールと申します」
「頑張るように」
「ありがとうございます」
よく分からないが返事をした。
後で知った。声をかけてくださったのは副団長のセナ・コンラッド侯爵だった。そして側にいた少女は娘だった。
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