【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

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長兄バンスとクリスの婚約者

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【 長兄バンスの視点 】


何なんだ…
全てがクリスに敵わない!?

「あなた」

側に立つ妻は一番可愛かったはずの女だ。支援が必要でも胸が無くても顔で選んだ妻だった。クリスに見せつけるために娶った。

なのにクリスの腕に絡み付き、甘える美少女はなんだ!? 白く柔らかそうな肌、小さな鼻、プリッとした小さな唇、大きな瞳。腰は細いが胸はそこそこある。脱がせたら美しい体なのだろう。婚姻をすればその華奢な体をクリスの様な大柄な男が自由に貪り貫き全てを注ぐ。

「クリス。お前に伯爵の座をやる。取り替えろ」

「は?」

「バンス殿、外聞が悪い。場所を変えるぞ」

王太子殿下が別室へと促し、控え室に移った。


バーバラは未だ孕まずにいる。顔も、圧倒的な美少女に負けてしまっては何の価値もない。支援しなくてはならない分 負債でしかない。

「女を取り替えろ」

しかも次期侯爵!? 格上になると!?

「あなた!」

「黙れ!金だけ吸い上げる石女が!!」

「っ!!」

「何てことを言うのです!」

「王太子妃殿下、口を挟まなでいただきたい。兄弟の問題なのです。

さあ、その女を寄越せ」

「兄上。リリアナに手を出そうとするなら殺しますよ」

「お前には不相応だろう。その容貌なら娼婦しか相手にできなかっただろう。そんな男に満足させられるわけがない」

「兄上。馬鹿も大概にされよ。
リリアナに誤解のないよう言うが、娼婦になど手を付けていない。
コンラッド侯爵である副隊長が身綺麗にしていろと命じられたし、僕自身、他の女に興味は無い。
私のこの身体はリリアナだけのモノ。全てはリリアナに注ぐ」

「ちょっとクリスっ 恥ずかしい」

「リリ。僕は未経験だけど」

「嬉しい。真っ新なクリス様が私のものになるのね」

「リリアナ嬢、クリスの何がいいのですか!」

「私は10歳の時にクリスに一目惚れをして、どんな縁談も拒否してきたの。この逞しい身体も大好きなの。早く一緒に暮らして甘えたいの!

あんたなんか お断りだわ。
交換?ふざけないで。
次期侯爵の器ではないわ。

自分の妻を皆の前で酷いことを言うのね。あんたが種無しの可能性だってあるじゃない」

「は!?
私は種無しではない!実際に孕ませたぞ!」

「あなた、誰をですか」

「お前の妹だよ!
追加で金が要るからと身体を捧げると言ってきた。
遊びに来て滞在しているのではない!孕まない姉の代わりに妾になるからと娼婦の真似事をしているんだ!」

「そんな…」

バーバラが目眩を起こしたがそのまま放っているとクリスが人を呼び運ばせた。

「兄上、正気ですか?」

「貴族に嫁いだ女は男児を産むのが義務だろう」

「それも父が調査を入れてるわ。
胎の子は弟ヘンドリック様の子だと思うわよ。
さっきから黙っているヘンドリック様。貴方のお兄様に説明したら?」
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