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僕の悩み
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時が流れ、僕は正式に補佐官になっていた。
ヘンドリック兄上は結婚して、もう子が胎にいるらしい。
ロイ・ベルリック卿は王太子殿下の専属になり、護衛というよりは起きた問題に対処する助手みたいなことをやっている。時には内務調査もするようだ。
そしてリリアナは学園を卒業して式の準備に追われている。
仕事のない日は副隊長と一緒に侯爵家に帰る。
「お父様は再婚しないの?」
「リリがいればいい」
「でも、クリスと結婚するし」
「結婚しても娘は娘だろう」
「恋人もいないの?」
「ある意味公私共にクリスが付きっきりだ。そんな相手などいないとクリスが証明してくれる」
「そろそろ新しい幸せが加わってもいいと思うのよ」
「“加わる”か。そんな出会いがあったらな」
父娘がそんな話をする中、クリスは心配事で頭がいっぱいだった。
勤務後の夜。ベルリックの部屋を訪れた。
「相談って?」
「いつもすまない。ロイしか聞けなくて」
「分かったから」
「もうすぐ結婚式なんだだけど…」
「まさか、結婚したくないとか!?」
「そうじゃなくて、悩みが二つあって、一つは初夜だけど、リリアナは小柄だろう?僕は身体が大きい。困ったことにならないかな」
「まず、コンラッド嬢は小柄ではない。平均的だ。細身ではあるが普通だ。
それに女は赤ちゃんを産むんだ。
お前のモノは赤ちゃんより小さいよな?
ちゃんと丁寧に解せば大丈夫。処女はそれも大変だけどとにかく丁寧に反応を見ながら時間をかけろ。あとはリラックスしてもらえ」
「もう一つは妊娠した場合だけど、僕の子だと赤ちゃんでも大きいと思うんだよね。出産で死ぬ妊婦や後遺症が残る妊婦もいる。リリアナが心配なんだ」
「それは本人に聞かないと駄目だよ。
リスクがあっても産みたいのかどうか。
聞く時は、クリスが欲しくないと思ってると相手に勘違いさせないように慎重に言うんだぞ」
「でも跡継ぎ要るよね」
「要るな」
「ロイの初夜は上手くいった?」
「まあ、経験はあったから」
「ええ!?」
「クリスのような男の方が珍しいんだぞ」
「そうなんだ」
「初夜は開き直って“僕は童貞だから上手くいかなくても許して”って言えばいいんじゃないか?」
「そうする」
「言う相手は副団長じゃないからな」
「言わないよ」
「で、どのくらい休み取るんだ?」
「え?休み?」
「まさか、結婚式の翌日に出勤するつもりじゃ…」
「違うの?」
「はぁ~っ。コンラッド嬢に泣かれるか口きいてもらえなくなるぞ。最低でも1週間休みを取れ。ホテルでもとって籠ってもいいし。
何日休めるかは副団長と話し合えばいいよ」
「分かった」
「クリス、間違っても“ホテルに籠るので休みをください”とか言うなよ」
「う、分かった」
「言うつもりだったな? 怒られるのは私だからな?」
ヘンドリック兄上は結婚して、もう子が胎にいるらしい。
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「でも、クリスと結婚するし」
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「恋人もいないの?」
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「そろそろ新しい幸せが加わってもいいと思うのよ」
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「相談って?」
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「もうすぐ結婚式なんだだけど…」
「まさか、結婚したくないとか!?」
「そうじゃなくて、悩みが二つあって、一つは初夜だけど、リリアナは小柄だろう?僕は身体が大きい。困ったことにならないかな」
「まず、コンラッド嬢は小柄ではない。平均的だ。細身ではあるが普通だ。
それに女は赤ちゃんを産むんだ。
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「でも跡継ぎ要るよね」
「要るな」
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「まあ、経験はあったから」
「ええ!?」
「クリスのような男の方が珍しいんだぞ」
「そうなんだ」
「初夜は開き直って“僕は童貞だから上手くいかなくても許して”って言えばいいんじゃないか?」
「そうする」
「言う相手は副団長じゃないからな」
「言わないよ」
「で、どのくらい休み取るんだ?」
「え?休み?」
「まさか、結婚式の翌日に出勤するつもりじゃ…」
「違うの?」
「はぁ~っ。コンラッド嬢に泣かれるか口きいてもらえなくなるぞ。最低でも1週間休みを取れ。ホテルでもとって籠ってもいいし。
何日休めるかは副団長と話し合えばいいよ」
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「言うつもりだったな? 怒られるのは私だからな?」
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