【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

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リリの制裁

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【 リリアナの視点 】


『あ、いや…それは…』

『私はこれで失礼しますわね。パパに報告して訴訟の準備をしなくては』

『ま、待ってください、リリアナ様!
謝りますから』

『謝って済む言葉ではなかったわ。大事な家族が死んだのよ?父も母もどれほど悲しんだと思ってるの?
母は悲しみのあまり、後を追うように衰弱して死んでしまったわ。
直接的ではなくても、それも私が殺したと言いたいのだものね?』

『申し訳ありませんでした!』

『だから、謝ったって許されないっていってるの。
脳みそ入ってるの?』

『どうしたら許してもらえますか』

『…そうね。今日からデビュータントを終えるまで髪の毛を全部剃って。カツラや帽子で隠しては駄目よ?』

『そんなの無理です!』

『そうよ。私も無理だもの』

『リリアナ様!』

『ごきげんよう』




私は翌日、父に城へ連れて行ってもらい、陛下と合わせてもらった。
約束を続けられないことが起きたと伝言してもらったらすぐだった。

『リリアナ、何があったか陛下にお話しするのだろう?』

コクン

『リリアナ嬢。言ってごらん』

『ううっ……』

ポロポロと涙を流して俯いた。

『どうしたんだリリ!』

『リリアナ嬢、大丈夫だ。国王に話しなさい』

『陛下とのお約束を果たしたくて、指定のあった令嬢達とお茶会をして…そこで…』

『そこで?』

『弟が死んだのは私のせいだって…ヒクッ
私が殺したも同じだって…ヒクッ

だとしたらお母様が衰弱して死んだのも…グズっ
私のせいっ…ううっ』

『誰がそんなことを!!』

『誰なのか教えてくれ』

『メラニー・バンドウナ伯爵令嬢です…ヒクッ

他の令嬢にも嫌味を言われて……。
初めてお話しするのに、どうして?

パパ…リリのせいでごめんなさい。
弟もお母様もリリのせいらしいの。
ごめんなさい。
罪を償うために修道院へ、』

『リリアナ。其方のせいではない。
コンラッド副団長。参加した令嬢のリストを提出してくれ。
こちらで処理する』

『陛下、リリが悪い子だからいけないのです。
リリを罰してください』

『リリ…』

『心に傷を負ったリリアナに何て仕打ちを。

おいで』

陛下が手招きをするので側に行き見上げ、涙をさらに溢した。

『こんなに可愛い子に…。
リリアナのせいではないからな。

安心しなさい。私が懲らしめてあげよう』

陛下が抱きしめてくれたのでしがみ付き、小刻みに震えて涙を流した。


帰りの馬車ではパパがギュウギュウに抱きしめてくれた。




私は理解している。

私の瞳は大きくて綺麗。美少女の模範と言っていいほど可愛い。涙を溜めたその瞳で見上げられたら、庇護欲は最高潮。

家族を相次いで失い、しかも弟が自分の側に転落して死んだのだから。
さらに私は殻に籠ったことにしたから周囲は強いショックのためと納得し、引きこもりを受け入れてくれた。




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