【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

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リリの丸め込み

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【 リリアナの視点 】



その後、交流会の予定はキャンセルになった。

メラニーの家は、父親が城務めから最北端の刑務所の管理者に抜擢された。

いわゆる大左遷だ。

管理者とは人を管理するのではなく、建物や設備などを管理する人だ。

メラニーの兄は文官だったが南の国境の事務官となった。

事務官とは、通過しようとする人の出入国審査をするだけだ。大事な仕事だが、城の文官をしていた人が異動させられる場所ではない。左遷だ。

バンドウナ伯爵家には招待状がほとんど届かなくなり、逆に送っても理由を付けて欠席の返事が届く。

王都の店も態度を変えて、ちょっとしたものでも品切れとか理由を付けて納めなくなった。

使用人も少しずつ辞めていく。


3ヶ月後には王都の屋敷を処分して領地に引っ込んだ。



他の茶会の参加者の家門もバンドウナ家ほどではないが、降格があったり領地でトラブルが起きたりと不運が続いているらしい。

パパが教えてくれた。


陛下に動いてもらったけどアイン王子を受け入れるつもりはないの。

アインが会いたいと言えば必ず会ったが、愛想良くもしないし、会話を弾ませたりもしない。

終いには“顔が好みじゃない”と伝えた。
自分の何処が駄目なのかと聞かれて正直に答えた。



陛下に呼び出されて、少し不満そうだったけど。

『アイン王子殿下は聡明な方です。嘘の返事をしてしまえば勘付かれます。それこそが不敬だと私は思いました。

他の令嬢達のように王子という地位しか見ずに“素敵”と機嫌をとるのは、淑女とは呼びません。

私はアイン王子殿下の整った美しいお顔にときめかない性癖なのです。どちらかというと陛下のような威厳のある男らしい勇ましさ溢れる顔立ちに胸が高鳴るのです。

陛下が私と同じ歳頃であれば、私が跪いて求婚したでしょう。それもかなり執念深く。

それは罪ですか?』

陛・父『……』

『陛下?』

『それでは仕方ないな。
私もリリアナと歳が近ければ、妃に望んだであろう』

『本当ですか?』

『本当だ』

『陛下、お時間ありますか』

『少しなら』

『では、叶わぬ乙女心に免じて、私を庭園デートに連れて行ってください』

『城内の?』

『はい。一生の思い出にしますわ』

『なんと可愛いことを言うのだ。よし、行こう』

父『……』

手を握ってとヒラヒラと催促すると握ってくれた。

お花の匂いを嗅いだりしながら手を繋いだまま散歩デートをして最後はハグで終了。
私は陛下の頬にお礼のキスをした。



後日、

陛下はアインから、“何で父上が、リリアナとデートしてるんですか!頬にキスまでさせて!!”と責められたらしい。





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