【完結】強面巨体の僕は家族に邪険にされたけど、いつの間にか美少女と婚約していた

ユユ

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僕と我が子

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ルイーザと関係を持ち始めてから4か月。
辺境伯とルイーザと彼女の兄のいる部屋に呼ばれた。

「クリス。我々にとっては嬉しい話がある。

実はルイーザが懐妊した」

「懐妊?」

「クリスの子がルイーザの腹にいる」

「僕の子が…本当に?」

「ええそうよ。クリス。
私は嬉しくて仕方ないわ」

「避妊薬は」

「飲まなかったの。

分かってる。貴方は次期コンラッド侯爵だもの。

貴方に責任を取れとか離縁して私と夫婦になってくれなんて言わないわ。

ただ愛する男の子を産みたかったの。

この子は辺境伯家で育てていくから心配しないで」

「もちろんクリスが家族になってくれたら嬉しいが、断りもなく子を成しておいてそんなことは言えない。

出来れば年に一度でも、会いに来てくれると嬉しいがな」

「ルイーザと生まれてくる姪か甥は、私と父で責任を持って面倒をみると誓う」

「率直に言えば嬉しいです。
ただ、私の立場では…」

「クリスの状況は分かっている。
困惑させるようなことをしているのはこちらだ。
戦争中だし、今は戦いのことだけを考えてくれ」

辺境伯にそう言われたが、団長と入れ違いで任に就かれたのは副団長だった。リリアナ宛の手紙を読んで事実確認をなさるのだろう。



副団長と二人きりの客間で、僕から先に事実を話した。

「ルイーザと子を作るつもりはありませんでした。
ですが僕はルイーザと関係を持った以上、責任があります。

リリアナと僕は初夜を迎えませんでした。
リリアナなら婿入りしたいという令息は沢山いるでしょう。

どうかリリアナを説得してください」

「クリスはルイーザ嬢と夫婦になるつもりか?」

「私も妊娠を告げられたばかりですし、そんな話にはなっていません。
割り切った関係なのかと思っていたのは僕だけだったみたいです。

まず、戦争が終わらないことにはどうしようもありません。この地で闘いながらルイーザと腹の子を見守ります。
その後のことは終戦後に考えます。

ですが、リリアナのことだけは早くしなくてはなりません。もう三年以上経ちます。コンラッド侯爵家のためにも、ご決断ください」

「クリス。君を長いこと縛りつけてしまった。
身綺麗にしろなどといって我慢させた。

申し訳なかった。

リリアナは君が好きで、今も好きで、初夜の過ちを悔いている。

子供のことを伝えてみて反応をみようと思う。
今の時点ではリリアナは君と別れるつもりはない」



その後、副団長は辺境伯と話してくると言って部屋を出ていった。

その日の夕方に国境から交代の要請があり、翌早朝にエスペランド城から国境へ移動した。



終戦に7年かかった。
子は3歳になっていた。
そしてルイーザの腹は再び大きく膨らんでいた。




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