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ルイーザの思惑
【 ルイーザの視点 】
ファイゼルとカルヴィンを産んだ後、クリスは私に告げた。
「もう男児を二人も産んだらいいだろう。
陛下は君を妻にと言ったが気にしなくていい。
好きなように恋愛してくれて構わない。
結婚したい相手ができたらそれでいい。私から陛下に二人目の妻と別れたと報告しよう。
遠慮なく言ってくれ」
クリスは私が子作りの為に関係を結んだと思っているのだと知った。
確かに子が欲しくて避妊しなかったけど、誰でもいいわけじゃない。クリスだから関係を結んだのに。
それ以降は避妊薬を飲んでからでないと抱いてくれなくなってしまった。二度も勝手に孕んだのは自分なのだから仕方ないと思うけど……。
カルヴィンが一歳になろうとする頃、リリアナ様が男児を産んだことを知った。
もうクリスは私以外の女の体を知ってしまった。
リリアナ様のことは、王子妃に望まれるほどの美少女で、それを拒むほどクリスを好きだと聞いていた。
戦争中に何度か離縁を申し入れたけど応じなかった白い妻。
婚外子ができたと知れば引き下がると思っていたが、戦争が終わると私を二人目の妻とすることを陛下は許可をくださった。
二人目が産まれてもリリアナ様は離縁しなかった。それどころかリリアナ様との間に男児が産まれた。
いつの間にか二人は寄りを戻していたのだ。
エスペランドの復興が終わり、クリスは年に一度しか来れなくなってしまった。
7年後、ファイゼルが12歳の時に招待状が届いた。
10歳になる王子のお茶会だった。
長旅になるのでカルヴィンは置いて参加をした。
父と一緒に王城の貴賓室に通された。
「ルイーザ。コンラッド夫人やご子息達と会わせようと思うがどうする?ファイゼルにとって腹違いの弟妹だから、いい機会だと思う」
「はい。お父様」
コンラッド家にユベールが産まれた翌々年にセレストという女児が産まれていた。
お茶会の当日の午前中に会うことになった。
リリアナ様はとても可愛い美しい方だった。
元夫の言葉が蘇った。結局男はリリアナ様のような人がいいのね。
「リリアナ、ユベール、セレスト。
彼女がエスペランドに住む辺境伯のご令嬢のルイーザで二番目の妻だ。
そして長男のファイゼル。ここにはいないがもう一人カルヴィンという腹違いの兄がいるぞ。
ファイゼル。こちらがリリアナ・コンラッド。コンラッド侯爵家の跡継ぎだ。この子はユベール。カルヴィンのすぐ下だ。妹のセレストは7歳になるところだ」
「父上、似てないですね」
「そうだろう。娘が私に似ていたら悲惨だった」
「セレストは婚約者はいるのですか?」
「まだだな。政略結婚はさせる気がないし、家族にべったりで嫁に行かないと言っている。
いつまでそんなことを言ってくれるのかは分からないが、自由にさせるつもりだ」
リリアナ様の産んだユベールとセレストはリリアナ様にそっくりだった。
特にクリスはセレストが可愛くて仕方がないように見えた。
私も女の子を産んでいれば…などと思ってしまった。
セレストはクリスにべったりで、膝の上に乗って菓子を食べさせてもらっていた。
ユベールは無口でじっと観察するように私達を見ていた。
茶会の後、ファイゼルが呟いた。
「異母妹とは結婚できないんですよね」
「できないな。
政略結婚を命じられなければ、王子はセレストを指名するだろう。王子を見ればセレストに一目惚れをしたことがよく分かる」
ファイゼルが悔しそうな顔をした。
「二人の馴れ初めを聞いたよ。子供の頃にリリアナ夫人がクリスに一目惚れをして、侯爵が間に入ったようだ。クリスは全く相手にしていなかったらしい」
つまり二人の出会いがなければ、クリスは私だけの夫になって、ずっとエスペランドにいてくれた可能性が高いということだ。
悔しいけど運命だと思って諦めるしかない。年に一度でもありがたいと思うしかないのだろう。
ファイゼルとカルヴィンを産んだ後、クリスは私に告げた。
「もう男児を二人も産んだらいいだろう。
陛下は君を妻にと言ったが気にしなくていい。
好きなように恋愛してくれて構わない。
結婚したい相手ができたらそれでいい。私から陛下に二人目の妻と別れたと報告しよう。
遠慮なく言ってくれ」
クリスは私が子作りの為に関係を結んだと思っているのだと知った。
確かに子が欲しくて避妊しなかったけど、誰でもいいわけじゃない。クリスだから関係を結んだのに。
それ以降は避妊薬を飲んでからでないと抱いてくれなくなってしまった。二度も勝手に孕んだのは自分なのだから仕方ないと思うけど……。
カルヴィンが一歳になろうとする頃、リリアナ様が男児を産んだことを知った。
もうクリスは私以外の女の体を知ってしまった。
リリアナ様のことは、王子妃に望まれるほどの美少女で、それを拒むほどクリスを好きだと聞いていた。
戦争中に何度か離縁を申し入れたけど応じなかった白い妻。
婚外子ができたと知れば引き下がると思っていたが、戦争が終わると私を二人目の妻とすることを陛下は許可をくださった。
二人目が産まれてもリリアナ様は離縁しなかった。それどころかリリアナ様との間に男児が産まれた。
いつの間にか二人は寄りを戻していたのだ。
エスペランドの復興が終わり、クリスは年に一度しか来れなくなってしまった。
7年後、ファイゼルが12歳の時に招待状が届いた。
10歳になる王子のお茶会だった。
長旅になるのでカルヴィンは置いて参加をした。
父と一緒に王城の貴賓室に通された。
「ルイーザ。コンラッド夫人やご子息達と会わせようと思うがどうする?ファイゼルにとって腹違いの弟妹だから、いい機会だと思う」
「はい。お父様」
コンラッド家にユベールが産まれた翌々年にセレストという女児が産まれていた。
お茶会の当日の午前中に会うことになった。
リリアナ様はとても可愛い美しい方だった。
元夫の言葉が蘇った。結局男はリリアナ様のような人がいいのね。
「リリアナ、ユベール、セレスト。
彼女がエスペランドに住む辺境伯のご令嬢のルイーザで二番目の妻だ。
そして長男のファイゼル。ここにはいないがもう一人カルヴィンという腹違いの兄がいるぞ。
ファイゼル。こちらがリリアナ・コンラッド。コンラッド侯爵家の跡継ぎだ。この子はユベール。カルヴィンのすぐ下だ。妹のセレストは7歳になるところだ」
「父上、似てないですね」
「そうだろう。娘が私に似ていたら悲惨だった」
「セレストは婚約者はいるのですか?」
「まだだな。政略結婚はさせる気がないし、家族にべったりで嫁に行かないと言っている。
いつまでそんなことを言ってくれるのかは分からないが、自由にさせるつもりだ」
リリアナ様の産んだユベールとセレストはリリアナ様にそっくりだった。
特にクリスはセレストが可愛くて仕方がないように見えた。
私も女の子を産んでいれば…などと思ってしまった。
セレストはクリスにべったりで、膝の上に乗って菓子を食べさせてもらっていた。
ユベールは無口でじっと観察するように私達を見ていた。
茶会の後、ファイゼルが呟いた。
「異母妹とは結婚できないんですよね」
「できないな。
政略結婚を命じられなければ、王子はセレストを指名するだろう。王子を見ればセレストに一目惚れをしたことがよく分かる」
ファイゼルが悔しそうな顔をした。
「二人の馴れ初めを聞いたよ。子供の頃にリリアナ夫人がクリスに一目惚れをして、侯爵が間に入ったようだ。クリスは全く相手にしていなかったらしい」
つまり二人の出会いがなければ、クリスは私だけの夫になって、ずっとエスペランドにいてくれた可能性が高いということだ。
悔しいけど運命だと思って諦めるしかない。年に一度でもありがたいと思うしかないのだろう。
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