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【終】コンラッド家のその後

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数年後。

ファイゼルは無事に寄宿騎士学校を卒業して義兄の養子になった。カルヴィンも続くだろう。

ユベールは騎士向きではなかった。だからゆっくり後継者教育をしていくことになった。
だが、案の定、王子がセレストに執着していた。
ユベールと王子が口論となり、王子が決闘を申し込んでしまった。

王子はユベールが剣術を本格的に習わないことを知っていた。歳も上だし勝てると思い、宣言した。

“私が負けたら二度とセレストに求婚しないし関わらない。その代わり、私が勝ったら全力で味方しろ”

早々に行われた結果、王子が負けた。

後で聞いたら、

“騎士を目指したらセレストの側で守れません”

つまり手を抜いていた。何故私達が見抜けなかったのか。

“部屋で疲れ果ててから剣を握りましたから”

素振りなどの鍛錬をしてヘトヘトになってから指導を受けたので、すぐに剣を落としたり膝をついてしまっていた。
正確には手を抜いたのではなく、一生懸命やっても、気力も体力も限界のときだっただけ。

私も義父もそんな状態だとは夢にも思わないので向かないと判断してしまった。

ここまでして騎士は嫌というなら仕方ない。
勿体ないから今後屋敷で指導だけは受けなさいと約束させた。


王子は

“狡い!汚い!真剣にやったら私が勝っていた!”

と騒いでいたが、セレストの言葉で黙った。

“負け犬の遠吠えってこのことを言うのですか?
そもそも勝てると思って歳下に挑む方が卑怯だと思うのですが。…どこをどうやってコレを好きになれと?”

セレスト…不敬だからね。

約束通り王子はセレストを諦めざるを得なかった。
決闘を申し込んだ時も、決闘自体も大勢のギャラリーの前だったから無かったことにできなかった。

未練がましい熱い視線だけが飛んでくる。

この子の性格は誰譲りなのか。
王子の取り巻きにだけ優しく微笑みダンスを受ける。

悔しがる王子を見て喜んでいるのだ。


リリアナは子供達に手が掛からなくなると社交を再開している。

リリアナが何と言っているのか分からないが、よく、マンネリにならない秘訣は何かと聞かれる。
答えようがない。

“妻が可愛いだけです”

と言うしかない。



その後、ルイーザとは正式に離縁をした。
ファイゼルが養子になったことをきっかけとした。

ルイーザならまた別の男が見つかるだろう。

カルヴィンとは学校を卒業するまで手紙でやり取りをしたり、会いにも行った。

卒業後は王宮の騎士になった。経験を積んでから辺境に戻ると言っていた。



エスペランドが困ればまた飛び出すだろうが、リリアナの側にいられるうちは側にいて大事にするつもりだ。

全てを許してくれた天使のようなリリアナ。





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