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仕置き
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翌朝は3人での食事になった。
こんなにも味のしない食事は初めてだった。
「ディオン様、今日のご予定が無ければ一緒に出かけませんか」
「行かない」
「では、一緒にお散歩でも」
「妻と散歩をする」
「お茶を」
「アンジェル。誘わないでくれ。君とどうこうなるつもりはない。疾うに終わった関係だ。俺の時間は愛するミアーナのために使いたい」
「婚姻前までは、」
「止めろ!それは食事の場で、しかも妻の前でする話か!?」
「っ!」
「そんなことも分からないで何故ロテュス邸に来るんだ!恥知らずめ!今後は朝食は部屋ですませろ!」
「ディオン様!」
「誰かコイツを部屋に連れて行け!」
アンジェルを食堂から出して、食事を続けた。
ミアーナには食後にリスフィユ伯爵からもらった茶葉で茶を出した。
「これは…」
「伯爵が持たせてくれたんだ。時々ミアーナが好んで飲んでいた外国の茶だと教えてもらった。美味しいな。初めて飲んだよ」
「淹れ方によって甘味を感じたり渋味を感じたりして面白いのです。どちらにしてもスッキリします」
「この国の菓子か何か食べ物を仕入れてみよう。きっとこの茶に合うよう作られているだろう」
「それは楽しみですわ」
また近いうちに伯爵に会いに行こう。もっとミアーナが喜びそうなことを教えてもられるはずだ。
そして夜。
ギシッ
ベッドに誰かが乗る音がした。残念だがミアーナではない。一瞬ドキッとしたが、暗闇でも鼻が拒絶した。
ドサッ
「ギャアっ」
突き飛ばしてベッドから落とした。
側のベルを鳴らすと灯りを手にメイドが現れた。
「兵士を2人呼んでくれ」
「かしこまりました」
直ぐに兵士が2人やってきた。
「マルク、ロドルフ。この女をこの姿のまま 調理場の前の廊下に立たせてくれ。昼食が終わるまで…今からなら12時間以上か。立てなくなったら吊るしても構わない。
気を失うフリでもしたら、水に浸けて起こせ。見張るときは椅子に座っていていい。交代も自由にしてくれ」
「ディオン様…あんまりですわ」
「居候が勝手に部屋に入ったのだから当然だろう」
「ううっ…」
アンジェルはナイトドレスしか身につけていなかった。
乳首や陰毛の色がうっすら透けていた。
「アンジェル。ミアーナの身体はお前とは比べ物にならないくらい素晴らしい。妻との交わりは心と身体を満たしてくれる。他の誰からも得られなかったものだ。だから夜這いを掛けられても無意味だ。全く魅力を感じない」
「あんなに愛し合ったのに」
「愛する気持ちを知った今では、あれは愛ではなかったと言える。俺はもう妻以外抱きたくない。単にセックスが目的なら他の男を誘え」
「奥様がしてくれないことをしてあげますから機嫌を直してください」
「お前は娼婦にでもなったつもりか?もしそうなら客から金をもらえるレベルに無いぞ。せいぜい路上売春婦の真似事しか出来ないだろうな」
「いくらなんでも酷いですわ」
「ミアーナがいる屋敷で、ミアーナの夫に初日から夜這いをかけるのは“酷い”とは言わないのか?
お前は妻を傷付ける手紙を送り付け、その妻に呼んでもらって居候をしている他人に過ぎない。自分の立場を忘れるな」
翌朝 ミアーナが、アンジェルが朝食の席に居ないことを聞いてきた。
「愚かにも夜這いをかけたので罰を与えている。厨房前の廊下で、ナイトドレス姿で立たせているよ」
「アンジェル様を?」
「居候の立場を弁えないからだ。ミアーナがいる屋敷でそのような事をするとどうなるか教えているだけだ。邸門の外に立たせないだけ感謝して欲しいくらいだ。
そもそも俺はミアーナしか抱く気はない。愛しているのはミアーナだけだ」
「……」
「近々一緒にリスフィユ邸に行かないか」
「うちに?」
「お義父上が心配なさっている。私のせいで申し訳ないのだが、ミアーナの顔を見せてやりたい」
「分かりましたわ」
「手土産は何が良いのだろうか。うちよりもリスフィユ家の方がいろいろと揃っている気がするが、何かあるだろう」
「父は新鮮なフルーツを好みます」
「分かった。手に入れさせよう」
3日後、フルーツを持ってミアーナとクロ達を連れてリスフィユ伯爵邸に遊びに行った。俺は伯爵夫妻と話をした後、クロ以外の犬に会わせてもらった。丁度産まれて3週間の仔犬に会わせてもらえた。座ると7匹の仔犬達が膝の上によじ登ってきた。
「くっ!可愛いな」
「ふふっ。そうなんです。このお腹を見てください」
ミアーナが隣に来て一匹を持ち上げた。
「可愛い腹だな」
「仔犬の間のパンパンなお腹です」
「ずっとこのまま可愛ければいいのに」
「仔犬の可愛さは消え去りますが、性格が表れて可愛いですよ」
「違うのか?」
「違いますよ。それに感情もあります」
「あったかいな」
「生きていますからね」
「そうだな」
こんなにも味のしない食事は初めてだった。
「ディオン様、今日のご予定が無ければ一緒に出かけませんか」
「行かない」
「では、一緒にお散歩でも」
「妻と散歩をする」
「お茶を」
「アンジェル。誘わないでくれ。君とどうこうなるつもりはない。疾うに終わった関係だ。俺の時間は愛するミアーナのために使いたい」
「婚姻前までは、」
「止めろ!それは食事の場で、しかも妻の前でする話か!?」
「っ!」
「そんなことも分からないで何故ロテュス邸に来るんだ!恥知らずめ!今後は朝食は部屋ですませろ!」
「ディオン様!」
「誰かコイツを部屋に連れて行け!」
アンジェルを食堂から出して、食事を続けた。
ミアーナには食後にリスフィユ伯爵からもらった茶葉で茶を出した。
「これは…」
「伯爵が持たせてくれたんだ。時々ミアーナが好んで飲んでいた外国の茶だと教えてもらった。美味しいな。初めて飲んだよ」
「淹れ方によって甘味を感じたり渋味を感じたりして面白いのです。どちらにしてもスッキリします」
「この国の菓子か何か食べ物を仕入れてみよう。きっとこの茶に合うよう作られているだろう」
「それは楽しみですわ」
また近いうちに伯爵に会いに行こう。もっとミアーナが喜びそうなことを教えてもられるはずだ。
そして夜。
ギシッ
ベッドに誰かが乗る音がした。残念だがミアーナではない。一瞬ドキッとしたが、暗闇でも鼻が拒絶した。
ドサッ
「ギャアっ」
突き飛ばしてベッドから落とした。
側のベルを鳴らすと灯りを手にメイドが現れた。
「兵士を2人呼んでくれ」
「かしこまりました」
直ぐに兵士が2人やってきた。
「マルク、ロドルフ。この女をこの姿のまま 調理場の前の廊下に立たせてくれ。昼食が終わるまで…今からなら12時間以上か。立てなくなったら吊るしても構わない。
気を失うフリでもしたら、水に浸けて起こせ。見張るときは椅子に座っていていい。交代も自由にしてくれ」
「ディオン様…あんまりですわ」
「居候が勝手に部屋に入ったのだから当然だろう」
「ううっ…」
アンジェルはナイトドレスしか身につけていなかった。
乳首や陰毛の色がうっすら透けていた。
「アンジェル。ミアーナの身体はお前とは比べ物にならないくらい素晴らしい。妻との交わりは心と身体を満たしてくれる。他の誰からも得られなかったものだ。だから夜這いを掛けられても無意味だ。全く魅力を感じない」
「あんなに愛し合ったのに」
「愛する気持ちを知った今では、あれは愛ではなかったと言える。俺はもう妻以外抱きたくない。単にセックスが目的なら他の男を誘え」
「奥様がしてくれないことをしてあげますから機嫌を直してください」
「お前は娼婦にでもなったつもりか?もしそうなら客から金をもらえるレベルに無いぞ。せいぜい路上売春婦の真似事しか出来ないだろうな」
「いくらなんでも酷いですわ」
「ミアーナがいる屋敷で、ミアーナの夫に初日から夜這いをかけるのは“酷い”とは言わないのか?
お前は妻を傷付ける手紙を送り付け、その妻に呼んでもらって居候をしている他人に過ぎない。自分の立場を忘れるな」
翌朝 ミアーナが、アンジェルが朝食の席に居ないことを聞いてきた。
「愚かにも夜這いをかけたので罰を与えている。厨房前の廊下で、ナイトドレス姿で立たせているよ」
「アンジェル様を?」
「居候の立場を弁えないからだ。ミアーナがいる屋敷でそのような事をするとどうなるか教えているだけだ。邸門の外に立たせないだけ感謝して欲しいくらいだ。
そもそも俺はミアーナしか抱く気はない。愛しているのはミアーナだけだ」
「……」
「近々一緒にリスフィユ邸に行かないか」
「うちに?」
「お義父上が心配なさっている。私のせいで申し訳ないのだが、ミアーナの顔を見せてやりたい」
「分かりましたわ」
「手土産は何が良いのだろうか。うちよりもリスフィユ家の方がいろいろと揃っている気がするが、何かあるだろう」
「父は新鮮なフルーツを好みます」
「分かった。手に入れさせよう」
3日後、フルーツを持ってミアーナとクロ達を連れてリスフィユ伯爵邸に遊びに行った。俺は伯爵夫妻と話をした後、クロ以外の犬に会わせてもらった。丁度産まれて3週間の仔犬に会わせてもらえた。座ると7匹の仔犬達が膝の上によじ登ってきた。
「くっ!可愛いな」
「ふふっ。そうなんです。このお腹を見てください」
ミアーナが隣に来て一匹を持ち上げた。
「可愛い腹だな」
「仔犬の間のパンパンなお腹です」
「ずっとこのまま可愛ければいいのに」
「仔犬の可愛さは消え去りますが、性格が表れて可愛いですよ」
「違うのか?」
「違いますよ。それに感情もあります」
「あったかいな」
「生きていますからね」
「そうだな」
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