【完結】私が見つめていたのは貴方ではありません

ユユ

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リリアーヌ

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「リリアーヌ、来月、第二王子殿下の茶会がある。マルレールが付き添うから礼儀作法のおさらいをしておきなさい」

「はい。パパ」

「外では?」

「はい、お父様」

「よろしい」

「心配だわ。ニコラ殿下は10歳ですわよね。婚約者選定ではないかしら」

「マルレールもそう思うか」

「父上、母上、リリは王子妃教育など耐えられません!ストレスで毛が無くなります!」

「ルイ、もしかして陛下の事を言っているの?
口に出してはダメよ。あれはどちらかというと家系から受け継がれた特徴だと思うわ」

「ルイ、もし話が来てもリリアーヌが望まない限り断るつもりだ」

「ならいいのです。リリは一生私が面倒をみますから無理して嫁がせないでください」

「ルイ兄様、大好き!」

「ああ…リリ。なんて可愛いんだ!私もリリが大好きだよ」






リリアーヌ。9歳。

ベロア伯爵家に生まれた。

父はサミュエル。母は元公爵令嬢のマルレール。
2人は恋愛結婚。

11歳上の長女ロクサーヌは隣国の第一王子に惚れ込まれ昨年卒業と同時に嫁いだ。

9歳上の長男ルイは貴族学園の最終学年で、次期伯爵。
婚約者は兄様と同い年のシルビア様。
入学からずっと同じクラスで、仲良くなったことから縁談が組まれた。

ベロア家の裕福度は中級。大富豪とまではいかない。その上5人揃って容姿に恵まれ、姉様も兄様も優秀で特別クラスだった。 
姉様は首席卒業だった。

父、兄はダークブルーの髪に碧眼
母、姉は眩いブロンドの髪にライトブラウン寄りのヘーゼルの瞳

リリアーヌはブロンドベージュの髪にグリーンイエローに近いヘーゼルの瞳
瞳は神秘の泉のように透き通っている。模様も珍しい神の悪戯のような美しさだった。

他国の王族にしか生まれないという瞳で、ベロア家は今は薄いが、その血が混じっている。


リリアーヌは姉兄と歳が離れているためか4人に溺愛されて育った。現在進行形だ。ものすごく甘いが、教育に関しては手を抜かない。
家庭教師にはこのままなら特別クラスへ入るだろうと太鼓判をおされている。

私は姉と兄の影響からか、生まれた時から釣書が届いていた。
先方も姿絵が赤ちゃんだなんて、何の参考になるのか不明だが、まぁ、髪と瞳の色だけはわかる。

今まで来た縁談は全てお断りしている。
理由は伯爵家の方針。
“リリアーヌが成人後、自ら選び、婚前調査に合格できる人物を望むため”
と記して返事を出すが、今度は茶会の誘いが山のように届いた。

もちろん全て断っていた。
しかし、王家の茶会は断るわけにはいかなかった。





「リリ、目立たずかくれんぼを思い出すんだ。気配を消すんだぞ」

「はい、兄様」

「シルビアも嫁がなくていいと言っていただろう」

「でも…」

「いてくれた方が私もシルビアも嬉しいんだ」

「ありがとう兄様」





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