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婚約
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そして翌日、父が城から戻った。
「あなた!」
「マルレール、婚約者候補ということになった。
候補とするのが譲歩だと言われた。
王命となれば逃げられない。ここは長期戦でいこうと思う」
「具体的には」
「第二王子殿下が12歳になるまで月に一度王城で交流の時間をとる。
12歳になっても殿下の気持ちが変わらなければ婚約内定だ。
その代わり、王子妃教育はデビューしてからゆっくり進めて、婚姻は20歳にしてもらった。
あと11年程ある。その間に殿下の興味を失わせるんだ」
「大丈夫かしら」
「急に変わるとバレるから、ゆっくり平凡な容姿に変装していくぞ。先ずは前髪を少し伸ばせ。瞳を隠さなくては。その間に特殊な眼鏡を買い付けに行かせる」
「特殊な眼鏡ですか?」
「認識阻害のような効果がある。とある国で作られた魔導具だ。大変高価な品だが仕方ない。あの瞳を隠さなくては」
「急には変えられないのでは?」
「調節機能が付いているはずだから少しずつ印象を変えていく」
「リリアーヌが泣いて可哀想だったわ。成功させないと」
そして月に一度の交流の日
「リリアーヌ嬢、花を見に行かないか」
「はい」
また翌月
「リリアーヌ嬢、好きな宝石は何だ」
「ありません」
また次の月
「リリアーヌ嬢、今度街へお忍びで行かないか」
「家の方針でそれは許されません」
そうしていくうちに殿下が12歳になり婚約が内定した。
やっと眼鏡が手に入った。
「目が悪いのか」
「はい」
徐々に阻害効果を出して行く。
王子はデビューの頃になると私の元の姿を忘れてしまっていたようだ。
少しずつ髪色を変えた。もちろんカツラだ。
突然色が変わるとバレるから、少しずつ色の違うカツラを複数用意した。
艶のあるブロンドベージュの髪をだんだんと色褪せた艶のないブラウンに近いブロンドへと変えていった。
瞳も普通の薄茶色に見えているはずだ。
ひと足先に学園に通い出した殿下は私の悪口をいいながら女生徒と仲良くしているようだ。
何故知っているかというと、男女2名ずつ、本来なら学費が払えず学園に通えなかった貧しい貴族令息令嬢に支援をして学園に通わせてあげる代わりにニコラ殿下の見張をさせているのだ。
日時、相手、内容を事細かに記録させている。
用務員や掃除夫にも父の手先がいるらしい。
デビューと同時に王子妃教育が始まったが当たり障りのないものから始め、王家の秘密など漏らしてはならない内容は卒業後ということになっている。
登城も週に2度。その間殿下に会うことはほとんど無かった。
一応、お茶の時間を設けているのだがほぼ来ない。来ても茶を無言で飲んで去っていく。
当然これも記録している。
誕生日の贈り物も当初は豪華なものだったが、段々と粗末なものになり、去年はメモ帳一年分?だった。
今年は石鹸一年分?だった。
納品された箱そのまま送られてきた。
備品だよね?
学園の入試はすごく手を抜いた。
合格ラインが各50点。
だから60点を目指した。
5クラス中下から2番目になった。
入学後、王子妃教育の後の茶の時間にやってきたニコラ殿下は久しぶりに言葉を発した。
「バカだったんだな。頭も悪いんじゃ何の取り柄もないじゃないか。
何故こんな女が婚約者なんだ」
そう言って去っていった。
彼は何故私が婚約者なのか忘れてしまったらしい。
入試を加減した甲斐があったわ。
帰って前祝いをした。
「あなた!」
「マルレール、婚約者候補ということになった。
候補とするのが譲歩だと言われた。
王命となれば逃げられない。ここは長期戦でいこうと思う」
「具体的には」
「第二王子殿下が12歳になるまで月に一度王城で交流の時間をとる。
12歳になっても殿下の気持ちが変わらなければ婚約内定だ。
その代わり、王子妃教育はデビューしてからゆっくり進めて、婚姻は20歳にしてもらった。
あと11年程ある。その間に殿下の興味を失わせるんだ」
「大丈夫かしら」
「急に変わるとバレるから、ゆっくり平凡な容姿に変装していくぞ。先ずは前髪を少し伸ばせ。瞳を隠さなくては。その間に特殊な眼鏡を買い付けに行かせる」
「特殊な眼鏡ですか?」
「認識阻害のような効果がある。とある国で作られた魔導具だ。大変高価な品だが仕方ない。あの瞳を隠さなくては」
「急には変えられないのでは?」
「調節機能が付いているはずだから少しずつ印象を変えていく」
「リリアーヌが泣いて可哀想だったわ。成功させないと」
そして月に一度の交流の日
「リリアーヌ嬢、花を見に行かないか」
「はい」
また翌月
「リリアーヌ嬢、好きな宝石は何だ」
「ありません」
また次の月
「リリアーヌ嬢、今度街へお忍びで行かないか」
「家の方針でそれは許されません」
そうしていくうちに殿下が12歳になり婚約が内定した。
やっと眼鏡が手に入った。
「目が悪いのか」
「はい」
徐々に阻害効果を出して行く。
王子はデビューの頃になると私の元の姿を忘れてしまっていたようだ。
少しずつ髪色を変えた。もちろんカツラだ。
突然色が変わるとバレるから、少しずつ色の違うカツラを複数用意した。
艶のあるブロンドベージュの髪をだんだんと色褪せた艶のないブラウンに近いブロンドへと変えていった。
瞳も普通の薄茶色に見えているはずだ。
ひと足先に学園に通い出した殿下は私の悪口をいいながら女生徒と仲良くしているようだ。
何故知っているかというと、男女2名ずつ、本来なら学費が払えず学園に通えなかった貧しい貴族令息令嬢に支援をして学園に通わせてあげる代わりにニコラ殿下の見張をさせているのだ。
日時、相手、内容を事細かに記録させている。
用務員や掃除夫にも父の手先がいるらしい。
デビューと同時に王子妃教育が始まったが当たり障りのないものから始め、王家の秘密など漏らしてはならない内容は卒業後ということになっている。
登城も週に2度。その間殿下に会うことはほとんど無かった。
一応、お茶の時間を設けているのだがほぼ来ない。来ても茶を無言で飲んで去っていく。
当然これも記録している。
誕生日の贈り物も当初は豪華なものだったが、段々と粗末なものになり、去年はメモ帳一年分?だった。
今年は石鹸一年分?だった。
納品された箱そのまま送られてきた。
備品だよね?
学園の入試はすごく手を抜いた。
合格ラインが各50点。
だから60点を目指した。
5クラス中下から2番目になった。
入学後、王子妃教育の後の茶の時間にやってきたニコラ殿下は久しぶりに言葉を発した。
「バカだったんだな。頭も悪いんじゃ何の取り柄もないじゃないか。
何故こんな女が婚約者なんだ」
そう言って去っていった。
彼は何故私が婚約者なのか忘れてしまったらしい。
入試を加減した甲斐があったわ。
帰って前祝いをした。
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