【完結】私が見つめていたのは貴方ではありません

ユユ

文字の大きさ
5 / 30

孤児院

しおりを挟む
「リリアーヌ、教会の孤児院で慈善活動をするというのは本当か」

「はい、パパ。筆記用具や絵本、初等教育の本など少しずつ寄付しながら教えようと思います」

「まぁ、素敵ね」

「リリ、ひとりでなんて危ないだろう」

「王都内の教会付属の孤児院だし、護衛も連れて行くわ。
もう動きやすい服も買ったの」

「一度でも危険な目にあったら禁止だぞ」






そして事前に教会に許可をとり、孤児院へ初登院となった。

「みなさん、私はリリアーヌと申します。

今日から一緒にお勉強をしましょう。
文字が読める子は手を挙げて。


凄いわ。ほとんどの子が文字を読めるのね」

「リリアーヌ先生、文字はシスターが教えてくれました。小さい子は習っている途中です」

「ありがとう。
素晴らしいわ!
では手を挙げた子は、ここから好きな本をとって読んでね。遊んでいてもいいけど、これから文字の勉強をするお友達の邪魔をしないで欲しいの。お願い」




別の日は
「今日は我が国の歴史を簡単にお話ししましょう」


別の日は
「今日は足し算をしましょう」


別の日は
「今日は植物の見分け方とお薬作りよ。
擦り傷程度の塗り薬を作りましょう。
この草を手にとってよく覚えてくださいね」


別の日は
「今日は汚れの落とし方を勉強しましょう。安くて手に入りやすい物を使っておとします。
何種類かシミを用意しました。簡単なものからおとしていきましょう」


別の日は
「今日はお菓子の作り方を覚えましょう。
クッキーから始めましょうね」


別の日は
「応急処置を覚えましょう。自分やお友達、神父様達が怪我をしたり具合が悪くなった時にみんなで助け合いましょう」


別の日は
「掛け算、割り算は先日やりましたから、面積の求め方をやりましょう」


別の日は
「隣国の簡単な会話を覚えましょう。
移住した場合、職がありそうなので」


別の日は
「貴族について学びましょう」


別の日は
「みなさん、刺繍も上手になりましたね。
ふたり一組になって、相手のエプロンを作ってあげましょう。
今日は裁縫の先生をお呼びしました。ローズ先生です。
私も一緒に教わりますからね。

小さい子は紐編みを完成させたら、エプロンを作りますよ。針と糸は使えませんが、接着剤で付けてみましょう。
使えるエプロンにはなりませんが、経験にはなりますので挑戦しましょうね。

針と糸が使えるようになったら、今日のことを思い出しながら再挑戦しましょう」


別の日は
「みなさん、今日は昼食を作ります。
料理人のアベル先生をお呼びしました。
私も一緒に教わりますからね」


別の日は
「みなさん、隣国出身の方が来てくださいました。
サリー先生、バーズ先生、ドロシー先生、ジョン先生です。
隣国の言葉を使ってお喋りしましょうね。
先ずは自己紹介から」


別の日は
「今日は待望のケーキを作りますよ~
フルーツと生クリームたっぷりのケーキですよ~」


別の日は
「さぁ、みなさん。前回は正六面体の展開図を作りましたね。

今日は円錐と台形立方体の展開図を作りましょう。例えできなくても挑戦することに意義がありますよ!
その挑戦は必ずみんなの力になりますから頑張りましょう」


別の日は
「さぁ、今日から自分のブラウスを作りますよ!デザイン画は描いてありますね。
これから採寸とデザイン画の確認を行います。

ローズ先生と助手のメイベル先生、タチアナ先生が質問に答えてくださいます」


別の日は
「先生~、もう読む本がありません」

「今日は専門的な図鑑を数種類と法律入門書を持ってきたわ。
知っていて損はないと思うの」


別の日は
「今日は偉い人や貴族相手のマナーを学びましょう。知っていれば役立つ時もあるわ」


そして今日は
「みなさん、身近な危険について学びましょう。
先ずは粉が充満した部屋で何が起こるか…

バン!!

「やっと会えた!」


そう言って息を切らしてドアを開けたのはデクスター公爵だった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】六歳下の幼馴染に溺れた夫。白い結婚を理由に離縁を申し立てたら、義弟(溺愛)に全力で求婚されました

恋せよ恋
恋愛
夫が愛でるのは、守ってあげたくなるような「可憐な少女」。 夫が疎むのは、正論で自分を追い詰める「完璧な妻」。 「シンシア、君はしっかりしているから、大丈夫だろう?」 六歳年下の幼馴染ジェニファー子爵令嬢を気遣う貴方。 私たちは、新婚初夜さえ済ませていないのよ? 完璧な家政、完璧な社交。私が支えてきたこの家から、 ニコラス、貴方って私がいなくなったらどうなるか……。 考えたこともないのかしら? 義弟シモンは、学生時代の先輩でもあるシンシアを慕い 兄ニコラスの態度と、幼馴染ジェニファーを嫌悪する。 泣いて縋るあざとい少女と、救世主気取りの愚かな夫。 そして、義姉であるシンシアを慕うシモン。 これは、誇り高き伯爵夫人、シンシアの物語である。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです

藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。 ――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。 妹は父の愛人の子。 身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、 彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。 婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、 当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。 一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。 だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。 これは、誰かが罰した物語ではない。 ただ、選んだ道の先にあった現実の話。 覚悟のなかった婚約者が、 自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

婚約破棄された公爵令嬢ですが、戻らなかっただけです

鷹 綾
恋愛
王太子カイル殿下から、社交界の場で婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リュシエンヌ。 理由は―― 「王太子妃には華が必要だから」。 新たに選ばれたのは、愛らしく無邪気な義妹セシリア。 誰もが思った。 傷ついた令嬢は泣き、縋り、やがて戻るのだと。 けれどリュシエンヌは、ただ一言だけ告げる。 「戻りません」 彼女は怒らない。 争わない。 復讐もしない。 ただ――王家を支えるのをやめただけ。 流通は滞り、商会は様子を見始め、焦った王太子は失点を重ねる。 さらに義妹の軽率な一言が決定打となり、王太子妃候補の座は静かに消えた。 強いざまあとは、叫ぶことではない。 自らの選択で、自らの立場を削らせること。 そして彼女は最後まで戻らない。 支えない。 奪わない。 ――選ばれなかったのではない。 彼女が、選ばなかったのだ。 これは、沈黙で勝つ公爵令嬢の物語。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました

鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」 そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。 王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。 私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。 けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。 華やかな王宮。 厳しい王妃許育。 揺らぐ王家の威信。 そして――王子の重大な過ち。 王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。 離縁を望んでも叶わない義妹。 肩書きを失ってなお歩き直す王子。 そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。 ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。 婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。

妹の方が好きらしい旦那様の前からは、家出してあげることにしました

睡蓮
恋愛
クレアとの婚約関係を結んでいたリビドー男爵は、あるきっかけからクレアの妹であるレイアの方に気持ちを切り替えてしまう。その過程で、男爵は「クレアがいなくなってくれればいいのに」とつぶやいてしまう。その言葉はクレア本人の耳に入っており、彼女はその言葉のままに家出をしてしまう。これで自分の思い通りになると喜んでいた男爵だったのだが…。

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

処理中です...