【完結】私が見つめていたのは貴方ではありません

ユユ

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母の助言通りに

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私は1年生の時に一緒に過ごしたクラスメイトが気に入っているので2年生へも3年生へも手を抜いて、下から2番目のクラスのまま進級した。


第二王子殿下は卒業と同時にただのニコラとなった。

私財は没収。
妊娠した令嬢と親を集めて話し合いをした。


子はニコラに似ていれば認知させる。

理由は妊娠した令嬢全て、ニコラとの情事の時には既に生娘ではなかったことが要因だ。

誰の子種かわからない以上、似てるかどうかで判別するしかない。

例え似ていて認知を受けられたところで、ニコラは平民になり、仕事をして生活をさせるから貧しくなるだろう。
それでもニコラと添い遂げたい令嬢はいるか聞きたいと話したところ、令嬢は誰一人手を挙げなかった。

となれば、認知された子は令嬢の家で育てることとなる。継承権を持った子ならかなりの費用がかかる。24時間毎日複数の専属護衛に高度な教育。身に付けるものも粗末であってはならない。
虐待があれば、虐げた者は子供でも処刑される。

赤子の内に継承権を放棄すれば、普通の子として扱ってもよいし、養子に出しても構わないと言うと全員が放棄した。

孕んで堕胎薬を飲まなかった令嬢のほとんどは裕福な家の令嬢ではなかったからだ。

借金をして育てても、王太子夫妻がいる以上、彼らの子が優先される。

しかも、子の父は王子。追放されただ。子には強力な後ろ盾があったとしても困難だというのに、肝心の子の母の実家は貧乏なのだ。

王になる可能性の極めて低いの子に大金をかけて育てるのは損だと考えたのだ。



唯一裕福だったのはアンジェリーナの家くらいだが、体の関係のある男達が同時進行だったことが知られたのでニコラが彼女を完全拒否してしまった。

公になると商売にも影響が出てしまい、静かに身を潜めるしかなかった。
ニコラと同じ金髪碧眼の子が産まれたら、アバズレとは呼ばれなくなるかもしれないと思っているのはピット家だけだった。

後に産まれた子は錆色の髪と瞳を持つ男児だった。
ニコラの侍従の補佐の内のひとりで平民だった。一目見れば察するほど、全てが父親にそっくりだった。
把握していない男の存在に、流石に激怒した父はアンジェリーナを娼館に売り飛ばし、子も養子に出した。



王と王太子は、話の前に法を改正していた。
親にあたる者が継承権を放棄した後に産まれた子には継承権は発生しないと。


放棄の書類に署名をもらった後、10名に慰謝料を支払った。

当然、ニコラの私財だけでは足りないので、陛下と王妃の私財も使った。

そしてベロア伯爵家は裁判で判決が確定した後、慰謝料を協会と孤児院への運営費として寄付をした。
令嬢達からの慰謝料も、ピット男爵家以外は取り下げた。

王家は一度に払えないので、長年に渡り、分割で支払うことを誓い、王族全てが署名した。
ピット男爵家は慰謝料を捻出するために多くの財を手放した。


慰謝料のおかげで、様々な分野の先生を呼べるようになった。
学習クラスも3つほどに分けることもできた。




そして私は母からの忠告に従った。

「リリアーヌ嬢、食事に来ないか」

「はい、喜んで」


「リリアーヌ嬢、子供達の贈り物を選びに付き合ってくれないか」

「はい、是非」


「リリアーヌ嬢、話題の菓子屋のケーキがあるからお茶をしに来ないか」

「はい、喜んで」


「リリアーヌ嬢、週末、子供達を連れて近くの別荘に遊びに行かないか」

「アルゴスも一緒だと嬉しいですわ」


「リリアーヌ嬢、美しい花を見かけた。受け取ってもらえるか」

「まぁ!ありがとうございます!」


「リリアーヌ嬢、観劇のチケットがあるのだが…週末、一緒に行ってくれるか?」

「楽しみですわ!」


「リリアーヌ嬢、君の誕生日を祝いたい。
私にその日をくれないか」

「はい。楽しみにしております」


「リリアーヌ嬢、卒業と、卒業試験1位の祝いをしたい」

「祝ってくださるのですね!嬉しいです」


「リリアーヌ嬢、まだ縁談が舞い込んでいると聞く」

「その様です」

「私はかなり歳上だ。
だが私はリリアーヌを愛している。
私と結婚して欲しい。
後妻になるし、子もいて、君の様に美しい資産家の初婚の令嬢に私などが申し出ていい相手ではないと分かっているのだが、君が他の男に触れられるなど耐えられない」

「私を妻にしてください。貴方だけの妻に」

この日、初めて抱きしめられた。





すぐに婚約となり、一緒に社交に出る様になった。
婚約してから数ヶ月経って、公爵が悪く言われていると私の耳にも届いた。噂好きの夫人の茶会に参加して話題を提供しておいた。

「まぁ!リリアーヌ様の一目惚れでしたの!」

「そうなのです…8年程片思いでしたの。
無理矢理、あの方と婚約させられましたので、秘めた思いを抱えておりましたわ」

「そうでしたの」

「あの方との地獄の結婚生活の前に、思い出が欲しくて、レオナード様の管轄になった教会に出向いて孤児の教育を手助けしましたの。レオナード様にとっては人生の砂粒程度だと分かっていましたが、少しでもお力になりたくて」

「まぁ!なんて健気なのかしら!」

「まだ、夢の様です。あの不本意な婚約を無くして、憧れの男性の婚約者になれるなんて」

「結婚式には呼んでくださいね!」

「いらしてくださるのですか!
あぁ、怖いくらい幸せですわ!夫人に祝っていただけるなんて!興奮して心臓が爆発しそうですわ!」

「まぁ、それは大変!
このケーキ、美味しいわよ。食べて落ち着きなさい。お茶も新しくいれましょうね」

「嬉しいです」

「本当に可愛いわ。息子が結婚していなければお嫁さんに来てもらいたかったわ」

「夫人のような方がお義母様になってくださるなら、喜んでお受けしましたわ。
ですが、可愛いお孫さんに囲まれて夫人はお幸せですから、この話は私と夫人の秘密にしませんか」

「そうね。また来てちょうだいね。夜会は公爵を連れてくるのよ。
浮気は駄目だと私が言い聞かせますから」

「頼ってもよろしいのですか」

「勿論よ!リリアーヌを悲しませたら許さないと釘を刺しておきますからね」

「ありがとうございます!」





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