【完結】私が見つめていたのは貴方ではありません

ユユ

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噂を噂で塗り替える

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「リリアーヌ、実は変な噂が流れているんだ。今度の夜会で訂正して回るつもりだ」

「どんな噂ですか?」

「その…リリアーヌが私に一目惚れをして…8年秘めた片思いをしていたと」

「訂正の必要はありません。事実です」

「は!?」

「事実です。態とお茶会で言いふらしました。私がレオナード様にずっと片想いをしていたと。噂好きのご夫人を味方につけましたので安心してください。

結婚式にも呼ぶことになりました。
気に入っていただけたようですし、味方として噂も広めてくださいましたから懇意にさせていただこうと思っております」

「…では、リリアーヌはずっと私が好きだったということか?」

「9歳の時に、第二王子の茶会でお見かけした時に一目惚れしましたの」

「9歳…」

「はい。王子殿下の後ろに座るレオナード様のお姿に心惹かれました。あの日の衝撃と胸の高まりは今でも忘れられません。
孤児院で初めて側で話をした時は口から心臓を出しそうになりましたわ」

「では、この婚約は、私の片思いとか、妥協とか、同情とか、断れなくてとかではないのだな」

「私はずっとレオナード様だけをお慕いしておりました。
当初は奥様がおられましたし、2時間後には第二王子殿下との婚約の打診がありましたから、心にしまっておりました。

奥様が羨ましくて羨ましくて、どうして私は王子殿下と婚約しなくてはならないのかと夜な夜な枕を涙で濡らしておりましたわ」

「…元妻とは、産まれる前から決められた結婚だった。父同士が友人で、もし異性が産まれたら婚約させようと約束をしていた。

貴族教育を受けて、貴族の結婚はそんなものだと受け入れた。
尊重はしていたが、愛していたわけではなかった。

閨も跡継ぎのための義務でしかなかったから孕みやすい日だけだった。

でも元妻はそれでは満足できなかったようで手近な男に手を付けた。

彼が初めてではなかったらしい。婚姻当初からだったようだ。
使用人に聞き取り調査をしたところ、そんな証言がでた。

だから、子も私との子か分からないが、ハミエルは私に似ているから大丈夫だろう」

「レオナード様、私はレオナード様のもの。貴方だけに身を捧げます。
ですから、他の女性を抱かないでくださいませ」

「リリアーヌ、私はリリアーヌを愛しているから求婚をした。他の女になど手を出すものか。

だからリリアーヌ、私の愛を全て受け止めて欲しい」

「はい。私だけがレオナード様の愛を全て受け止めます」

「リリアーヌ、愛してる」

「レオナード様、私も愛しております」

「今夜泊まってくれるか」

「はい」

「伯爵家に連絡を入れておこう」

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