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2人の娘、ルルーナ編
学園生活
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ちょっと面倒な気がして来た学園生活。
令嬢達が面倒くさい。エリアス殿下とはどんな関係だとか、ウィルは何者だとか。
ギュゼールさんは何かと絡むし…。
はぁ。学園なんか通わなくてもいい気がするんだけどなぁ。
通わなくても勉強できるし。
「はぁ…」
「どうしたの?」
「お母様、学園は通わなくてはいけないのですか」
「貴族の義務みたいなものね。
卒業できないと、社交には出られないわ」
「法律ですか」
「爪弾きにされるのよ。
何処かの貴族令息に嫁ぐなら、その家の過去も未来も背負うのに、社交で爪弾きの妻などよっぽどじゃないと迎えてもらえないわ」
「例えば?」
「引退した方の後妻になる。
多額の持参金で没落間際の貴族へ嫁ぐ。
貴女を欲しがる当主の妾か愛人になる」
「はぁ」
「何があったの?」
「2位のギュゼールさんが何かと絡むし、
令嬢達は、殿下とはどういう関係だとか、殿下の好きな人は誰とか、好きな食べ物は何だとか、好きな色な何だとか…
単に殿下ってだけだし、個人的なことなんて知るわけない。
知らないって言うと、自分だけとか、泣き出す子もいるし、役にたたないなって顔されたり…本当に面倒くさい!!
お母様もそう思いませんか」
「その内、飽きられるわ」
「そうだといいのですが」
今日は授業が少し早く終わったからウィルを迎えに3年生の教室の前で待っていた。
授業が終わり、支度が終わった人から出てきた。
「うわっ、間近で見るととんでもなく可愛いな。デクスター公爵令嬢だったかな」
「…はい」
「えっ、本当だ!可愛いな。婚約者はいるの?」
「…いえ」
「初々しいな。いろいろ教えてあげるよ」
「…」
「これから街に行こうよ。個室のあるなかなかいいカフェがあるんだ」
「いきません」
「怖いの?優しくするよ?」
「止めておけ」
「殿下」
「ルルーナ。こっちに来い」
「はい」
「デクスター公爵令嬢に絡むな。手を出せば私が相手になろう」
このセリフで散っていった。
「殿下。ありがとうございます」
「…この階にも2年の階にも来ては駄目だ。さっきのようになる」
「はい」
「…泣くな。もう大丈夫だから」
「ごめんなさい」
「お前が悪い訳じゃない。だけど被害に遭わないように自衛が必要だ」
「学園来たくない」
「下で何かあるのか?」
「1位になっちゃったから何かと絡んでくる子がいるし、令嬢達は殿下のことをしつこく聞いてくるし。勉強なんて家で充分なのに」
「絡むのは誰だ」
「ギュゼールさん」
「侯爵家の次男か。あそこは成績にうるさい家のようだ。
兄が1位だから尚更だな。このままだと学年は変えられないから卒業まで絡まれるかもな」
「勉強なんて自分との戦いなのに、他人をいちいち気にしたって変わらないのに。
殿下のことだって何も知らないんだから、好きな色とか食べ物とか自分で聞けばいいのに」
「令嬢達の件は迷惑をかけてすまない」
「殿下が悪い訳じゃないのはわかってる」
「好きな食べ物はチーズだ。フルーツは全体的に好きだ。だが、熟し過ぎたフルーツは苦手だ。好きな色はアイスブルー。ペルル語もルフレール語も覚えた」
「ピーマンは克服したの?」
「煮ても焼いても生でも大丈夫だ」
「ふふっ、頑張ったのね」
「……ルルーナと踊りたかったんだ」
「?」
「デビュータント。
ルルーナと踊れると思って楽しみにしていた。
あの日は冷静になれなかった。ごめん」
「用事はなんだったの」
「デビュー祝いの贈り物を用意していた」
「…ごめんなさい。ちゃんと聞けば良かったわ。せっかくの心遣いを無駄にしてしまって」
「コレだよ」
「持って来ていたの?」
「毎日ね。渡せるチャンスがあるかもしれないと思って」
「綺麗ね」
「つけるから貸して」
「…」
「よし。見せて。
よく似合ってる」
「ありがとう。私は何もしていないのに」
「気にしなくていい。贈り物は男の役割だ」
「損な役割ね」
「ルルーナに喜んでもらえたら満足感があるし嬉しい。それだけで充分だ」
「…ちょっと嫌われているのかと思ってた」
「えっ」
「あの頃からそう思ってた」
「私がルルーナを?」
「だって、勉強でよく…」
「そりゃ、歳下の女の子に負けたら悔しいさ。
だけど嫌いだなんて思ったことはない。
思うわけがない。いつだってルルーナは大事だし、もっと仲良くしたい。
…上手に伝えられなくて誤解をさせた。
もっと優しく話せるように練習する」
「殿下」
「殿下は止めてくれ。私達は幼馴染だろう」
「エリアス様」
「リアスはきっと嬉しくて漏らしたんだ」
「リアムだけどね」
「愛しのルナは伏せもお手もおかわりも覚えたよ。賢い子だ」
「うちの子もご飯の催促の他に、散歩の催促と、朝、顔の上に乗って起こす技と、寝たふりと、嫌いな食べ物を上手く避けたりできるのよ」
「変な技ばかりだな。
一緒に寝ているのか」
「寝たがるからね」
「うらやましい」
「ルナと寝ればいいのに」
「本物のルナならな」
?
「ルーナ?」
「来たようだから、帰るよ」
「ありがとうございました」
「当番で職員室に行っていた。授業はもう終わったの?」
「うん」
「…泣いてた?」
「3年生に絡まれて…エリアス様が助けてくれたの」
「…ごめん。こういうこともあるな。
怖かったか」
「うん」
「家で対策を練ろう」
翌日のお昼休みの終わり頃、皆が揃った教室にエリアス様がやってきた。
教室中大騒ぎだ。
バン!
エリアス様が教壇を叩くと鎮まりかえった。
「是非、皆の者に忠告したい。
王族の個人情報を聞き出そうとする者が多いらしい。ペラペラと答える訳がないだろう。そう思わないか?
他人に迷惑をかけてまで聞き出さなくてはならないことか?
いくら学園が学生は平等だといっても、それは授業を受けることに関することだけだ。
私の個人情報は授業にも学園生活にも必要ない。
毎日のように聞いてくる者もいたようだ。
いいか、学園での出来事は学園から一歩出たら忘れるわけじゃない。
貴族学園は家名を背負って通っているんだ。
王族や公爵家に無礼をはたらく者は学園の外ではどうなるのだろうか。
卒業後は?考えもしないのか?
ここは特別クラスのはずなのに、そんな簡単な事もわからないとは驚いたよ。
側妃にもなれやしないから無駄なことはするな。
はっきり言って気持ち悪いし、不愉快だ」
令嬢達が泣き出している。
はっきりいうなぁ。
「もう一つ、成績は上位者に絡めば上がるのか?そんな簡単な方法があるなら私がやっているよ。
この学年の1位の者とは幼馴染だ。子供の頃、私は彼女に負けていた。外国語も数学も。
悔しくて必死に努力した。それでも3年では1位を取れなかった。
そんな私でも、彼女や上位者に絡んだりしなかったぞ。意味がないどころか失うものが大きいからな。
周りは見ているぞ。
そんな卑怯な者とは心から付き合いたいとは思わないだろうな。私なら遠避けるよ。
どうしても、自分の努力不足を認めずに1位を取りたいのなら留年するしかない。
1位は私が敵わなかった相手だ。他の者でも無理だろう。
私がご両親に特別な手紙を送ろう。
来年の入試で1位を取れることを願ってな」
ギュゼールさんが蒼白だ。
「しっかり覚えて欲しい。
入試1位の令嬢は、家族ぐるみの付き合いのある大事な幼馴染だ。
彼女が苦しむのなら、王家は全力で彼女の憂を取り払う。
以上だ」
怖いわぁ…。どう転ぶかわからないわね。
「さぁ、授業を始めるぞー!
…なんで泣いているんだ?」
令嬢達が面倒くさい。エリアス殿下とはどんな関係だとか、ウィルは何者だとか。
ギュゼールさんは何かと絡むし…。
はぁ。学園なんか通わなくてもいい気がするんだけどなぁ。
通わなくても勉強できるし。
「はぁ…」
「どうしたの?」
「お母様、学園は通わなくてはいけないのですか」
「貴族の義務みたいなものね。
卒業できないと、社交には出られないわ」
「法律ですか」
「爪弾きにされるのよ。
何処かの貴族令息に嫁ぐなら、その家の過去も未来も背負うのに、社交で爪弾きの妻などよっぽどじゃないと迎えてもらえないわ」
「例えば?」
「引退した方の後妻になる。
多額の持参金で没落間際の貴族へ嫁ぐ。
貴女を欲しがる当主の妾か愛人になる」
「はぁ」
「何があったの?」
「2位のギュゼールさんが何かと絡むし、
令嬢達は、殿下とはどういう関係だとか、殿下の好きな人は誰とか、好きな食べ物は何だとか、好きな色な何だとか…
単に殿下ってだけだし、個人的なことなんて知るわけない。
知らないって言うと、自分だけとか、泣き出す子もいるし、役にたたないなって顔されたり…本当に面倒くさい!!
お母様もそう思いませんか」
「その内、飽きられるわ」
「そうだといいのですが」
今日は授業が少し早く終わったからウィルを迎えに3年生の教室の前で待っていた。
授業が終わり、支度が終わった人から出てきた。
「うわっ、間近で見るととんでもなく可愛いな。デクスター公爵令嬢だったかな」
「…はい」
「えっ、本当だ!可愛いな。婚約者はいるの?」
「…いえ」
「初々しいな。いろいろ教えてあげるよ」
「…」
「これから街に行こうよ。個室のあるなかなかいいカフェがあるんだ」
「いきません」
「怖いの?優しくするよ?」
「止めておけ」
「殿下」
「ルルーナ。こっちに来い」
「はい」
「デクスター公爵令嬢に絡むな。手を出せば私が相手になろう」
このセリフで散っていった。
「殿下。ありがとうございます」
「…この階にも2年の階にも来ては駄目だ。さっきのようになる」
「はい」
「…泣くな。もう大丈夫だから」
「ごめんなさい」
「お前が悪い訳じゃない。だけど被害に遭わないように自衛が必要だ」
「学園来たくない」
「下で何かあるのか?」
「1位になっちゃったから何かと絡んでくる子がいるし、令嬢達は殿下のことをしつこく聞いてくるし。勉強なんて家で充分なのに」
「絡むのは誰だ」
「ギュゼールさん」
「侯爵家の次男か。あそこは成績にうるさい家のようだ。
兄が1位だから尚更だな。このままだと学年は変えられないから卒業まで絡まれるかもな」
「勉強なんて自分との戦いなのに、他人をいちいち気にしたって変わらないのに。
殿下のことだって何も知らないんだから、好きな色とか食べ物とか自分で聞けばいいのに」
「令嬢達の件は迷惑をかけてすまない」
「殿下が悪い訳じゃないのはわかってる」
「好きな食べ物はチーズだ。フルーツは全体的に好きだ。だが、熟し過ぎたフルーツは苦手だ。好きな色はアイスブルー。ペルル語もルフレール語も覚えた」
「ピーマンは克服したの?」
「煮ても焼いても生でも大丈夫だ」
「ふふっ、頑張ったのね」
「……ルルーナと踊りたかったんだ」
「?」
「デビュータント。
ルルーナと踊れると思って楽しみにしていた。
あの日は冷静になれなかった。ごめん」
「用事はなんだったの」
「デビュー祝いの贈り物を用意していた」
「…ごめんなさい。ちゃんと聞けば良かったわ。せっかくの心遣いを無駄にしてしまって」
「コレだよ」
「持って来ていたの?」
「毎日ね。渡せるチャンスがあるかもしれないと思って」
「綺麗ね」
「つけるから貸して」
「…」
「よし。見せて。
よく似合ってる」
「ありがとう。私は何もしていないのに」
「気にしなくていい。贈り物は男の役割だ」
「損な役割ね」
「ルルーナに喜んでもらえたら満足感があるし嬉しい。それだけで充分だ」
「…ちょっと嫌われているのかと思ってた」
「えっ」
「あの頃からそう思ってた」
「私がルルーナを?」
「だって、勉強でよく…」
「そりゃ、歳下の女の子に負けたら悔しいさ。
だけど嫌いだなんて思ったことはない。
思うわけがない。いつだってルルーナは大事だし、もっと仲良くしたい。
…上手に伝えられなくて誤解をさせた。
もっと優しく話せるように練習する」
「殿下」
「殿下は止めてくれ。私達は幼馴染だろう」
「エリアス様」
「リアスはきっと嬉しくて漏らしたんだ」
「リアムだけどね」
「愛しのルナは伏せもお手もおかわりも覚えたよ。賢い子だ」
「うちの子もご飯の催促の他に、散歩の催促と、朝、顔の上に乗って起こす技と、寝たふりと、嫌いな食べ物を上手く避けたりできるのよ」
「変な技ばかりだな。
一緒に寝ているのか」
「寝たがるからね」
「うらやましい」
「ルナと寝ればいいのに」
「本物のルナならな」
?
「ルーナ?」
「来たようだから、帰るよ」
「ありがとうございました」
「当番で職員室に行っていた。授業はもう終わったの?」
「うん」
「…泣いてた?」
「3年生に絡まれて…エリアス様が助けてくれたの」
「…ごめん。こういうこともあるな。
怖かったか」
「うん」
「家で対策を練ろう」
翌日のお昼休みの終わり頃、皆が揃った教室にエリアス様がやってきた。
教室中大騒ぎだ。
バン!
エリアス様が教壇を叩くと鎮まりかえった。
「是非、皆の者に忠告したい。
王族の個人情報を聞き出そうとする者が多いらしい。ペラペラと答える訳がないだろう。そう思わないか?
他人に迷惑をかけてまで聞き出さなくてはならないことか?
いくら学園が学生は平等だといっても、それは授業を受けることに関することだけだ。
私の個人情報は授業にも学園生活にも必要ない。
毎日のように聞いてくる者もいたようだ。
いいか、学園での出来事は学園から一歩出たら忘れるわけじゃない。
貴族学園は家名を背負って通っているんだ。
王族や公爵家に無礼をはたらく者は学園の外ではどうなるのだろうか。
卒業後は?考えもしないのか?
ここは特別クラスのはずなのに、そんな簡単な事もわからないとは驚いたよ。
側妃にもなれやしないから無駄なことはするな。
はっきり言って気持ち悪いし、不愉快だ」
令嬢達が泣き出している。
はっきりいうなぁ。
「もう一つ、成績は上位者に絡めば上がるのか?そんな簡単な方法があるなら私がやっているよ。
この学年の1位の者とは幼馴染だ。子供の頃、私は彼女に負けていた。外国語も数学も。
悔しくて必死に努力した。それでも3年では1位を取れなかった。
そんな私でも、彼女や上位者に絡んだりしなかったぞ。意味がないどころか失うものが大きいからな。
周りは見ているぞ。
そんな卑怯な者とは心から付き合いたいとは思わないだろうな。私なら遠避けるよ。
どうしても、自分の努力不足を認めずに1位を取りたいのなら留年するしかない。
1位は私が敵わなかった相手だ。他の者でも無理だろう。
私がご両親に特別な手紙を送ろう。
来年の入試で1位を取れることを願ってな」
ギュゼールさんが蒼白だ。
「しっかり覚えて欲しい。
入試1位の令嬢は、家族ぐるみの付き合いのある大事な幼馴染だ。
彼女が苦しむのなら、王家は全力で彼女の憂を取り払う。
以上だ」
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