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死ぬ前のクリスティーナ
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【 死ぬ前のクリスティーナの視点 】
11歳の時に高熱を出して危険な状態だったらしい私は、熱が下がり1ヶ月後、父が後妻とその連れ子を紹介した。
「ヘレナをクリスティーナの継母として迎えようと思う。彼女達はヘレナの娘でマリッサとカーラ。
マリッサは2つ上、カーラは同じ歳だ、いい遊び相手になるだろう」
「まあ、何て可愛らしいのかしら」
「本当に可愛いわ」
「仲良く遊びましょう」
3人はニコニコしていた。
「嫌なら言ってくれ」
「よろしくお願いします」
母は私が5歳の時に二人目を産もうとして亡くなった。父は母が大好きだった。
その後 後妻は迎える気配は無かったが、親戚や父の知人があれこれ紹介しているのは知っていた。
“女主人は必要だよ”
“お嬢様に義母が必要です”
“お寂しいでしょう?”
様々な声をかけてきた。
だから受け入れた。義母も義姉も欲しくはなかった。
全部父のためだった。
父の仕事は忙しかった。
週に二、三回帰ってはくるけどほとんど夜の遅い時間であまり会えなかった。
ある日突然、連れ子2人と領地に行けと言われた。
「子供は自然がある方がのびのびと遊べる。
デビューまで領地で暮らしなさい」
「はい、お父様」
別に何処でもよかったのに……
領地への馬車の中からソレは始まった。
マ「本当はね、お母様と二人きりになりたかったのよ。新婚の夫婦に子供達がいたら遠慮しちゃうでしょ」
カ「お父様はお母様が大好きだもの」
マ「そうよ。それなのに前妻にそっくりの娘が居たら興醒めだと言っていたわ。
今度こそ、息子を産んで欲しいのよ」
カ「今からでもできるの?」
マ「勿論よ。お母様はまだ産めるわ」
この時、2人の言葉を信じて 私は邪魔者だと思ってしまった。
領地に着き、数日もすると使用人達の態度が変わっていった。
ガシャン!
食器が壊れる音にメイドが振り向いた。
「クリスティーナ、大丈夫?
ダメじゃない。気をつけないと」
「え?」
私じゃないのに
「素直に謝れないとダメよ」
カチャ
「マリッサ様、片付けは私が、」
「妹の失態は義理でも姉がフォローしないと。
それより着替えさせてあげて欲しいわ」
「かしこまりましたか。他のメイドを呼びますので危ないですからそのまま手を触れないでいただけますか」
部屋に連れて行かれて着替えをしたのだけど
「私じゃないのに」
「お嬢様、嘘はいけません」
「……」
他にも、
「クリスティーナ、気に入らないからってドレスを全部破くだなんて」
「そんなことやってない」
「気に入らないならカーラに下げ渡すか、寄付をして新しいドレスを新調すればいいのよ」
「だから私は、」
「困ったわね。ワンピースを買ってきてあげて。
寝巻きで過ごさせるわけにはいかないわ」
「かしこまりました」
ワンピースを買ってきたメイドが私を着替えさせていた。
「私じゃないのに」
「お嬢様、ドレスがいくらするかご存知ですか?
こんなことを知ったら領民は不満を抱きますよ」
「……」
さらに、
「お嬢様のお口に合わなかったようで申し訳ございません」
「え?」
「私は料理長をしておりますが、これでも宮廷料理人でした。私の料理はゴミだとか」
「そんなこと言っていないわ」
「実際にお嬢様の部屋のゴミ箱に昨日の昼食が捨てられていたとメイドから聞きました」
「私は食堂に居たわ」
「マリッサ様もカーラ様も、クリスティーナお嬢様は部屋で食べると言ってナプキンに包んでお部屋へ戻られたと仰いました」
「私は食堂で食べたわ」
「ではお嬢様のゴミ箱に捨ててあった食事は?」
「誰かが、」
「あのメニューはマリッサ様とカーラ様とクリスティーナお嬢様にしかお出ししておりません」
「だったら二人が、」
「食べ物を粗末になさるのはお止めください。
お嬢様には口に合わない質素な料理かもしれませんが、神のお恵みです。
食べたくないならそう仰ってください。
嘘まで吐くとは…」
「……」
11歳の時に高熱を出して危険な状態だったらしい私は、熱が下がり1ヶ月後、父が後妻とその連れ子を紹介した。
「ヘレナをクリスティーナの継母として迎えようと思う。彼女達はヘレナの娘でマリッサとカーラ。
マリッサは2つ上、カーラは同じ歳だ、いい遊び相手になるだろう」
「まあ、何て可愛らしいのかしら」
「本当に可愛いわ」
「仲良く遊びましょう」
3人はニコニコしていた。
「嫌なら言ってくれ」
「よろしくお願いします」
母は私が5歳の時に二人目を産もうとして亡くなった。父は母が大好きだった。
その後 後妻は迎える気配は無かったが、親戚や父の知人があれこれ紹介しているのは知っていた。
“女主人は必要だよ”
“お嬢様に義母が必要です”
“お寂しいでしょう?”
様々な声をかけてきた。
だから受け入れた。義母も義姉も欲しくはなかった。
全部父のためだった。
父の仕事は忙しかった。
週に二、三回帰ってはくるけどほとんど夜の遅い時間であまり会えなかった。
ある日突然、連れ子2人と領地に行けと言われた。
「子供は自然がある方がのびのびと遊べる。
デビューまで領地で暮らしなさい」
「はい、お父様」
別に何処でもよかったのに……
領地への馬車の中からソレは始まった。
マ「本当はね、お母様と二人きりになりたかったのよ。新婚の夫婦に子供達がいたら遠慮しちゃうでしょ」
カ「お父様はお母様が大好きだもの」
マ「そうよ。それなのに前妻にそっくりの娘が居たら興醒めだと言っていたわ。
今度こそ、息子を産んで欲しいのよ」
カ「今からでもできるの?」
マ「勿論よ。お母様はまだ産めるわ」
この時、2人の言葉を信じて 私は邪魔者だと思ってしまった。
領地に着き、数日もすると使用人達の態度が変わっていった。
ガシャン!
食器が壊れる音にメイドが振り向いた。
「クリスティーナ、大丈夫?
ダメじゃない。気をつけないと」
「え?」
私じゃないのに
「素直に謝れないとダメよ」
カチャ
「マリッサ様、片付けは私が、」
「妹の失態は義理でも姉がフォローしないと。
それより着替えさせてあげて欲しいわ」
「かしこまりましたか。他のメイドを呼びますので危ないですからそのまま手を触れないでいただけますか」
部屋に連れて行かれて着替えをしたのだけど
「私じゃないのに」
「お嬢様、嘘はいけません」
「……」
他にも、
「クリスティーナ、気に入らないからってドレスを全部破くだなんて」
「そんなことやってない」
「気に入らないならカーラに下げ渡すか、寄付をして新しいドレスを新調すればいいのよ」
「だから私は、」
「困ったわね。ワンピースを買ってきてあげて。
寝巻きで過ごさせるわけにはいかないわ」
「かしこまりました」
ワンピースを買ってきたメイドが私を着替えさせていた。
「私じゃないのに」
「お嬢様、ドレスがいくらするかご存知ですか?
こんなことを知ったら領民は不満を抱きますよ」
「……」
さらに、
「お嬢様のお口に合わなかったようで申し訳ございません」
「え?」
「私は料理長をしておりますが、これでも宮廷料理人でした。私の料理はゴミだとか」
「そんなこと言っていないわ」
「実際にお嬢様の部屋のゴミ箱に昨日の昼食が捨てられていたとメイドから聞きました」
「私は食堂に居たわ」
「マリッサ様もカーラ様も、クリスティーナお嬢様は部屋で食べると言ってナプキンに包んでお部屋へ戻られたと仰いました」
「私は食堂で食べたわ」
「ではお嬢様のゴミ箱に捨ててあった食事は?」
「誰かが、」
「あのメニューはマリッサ様とカーラ様とクリスティーナお嬢様にしかお出ししておりません」
「だったら二人が、」
「食べ物を粗末になさるのはお止めください。
お嬢様には口に合わない質素な料理かもしれませんが、神のお恵みです。
食べたくないならそう仰ってください。
嘘まで吐くとは…」
「……」
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