【完結】道をそれた少女は別世界でも竹刀を握る

ユユ

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死ぬ前のクリスティーナ

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【 死ぬ前のクリスティーナの視点 】


それ以降、私は使用人達からぞんざいに扱われた。

私だけ部屋食になり、小さなパン一つとスープ。
それでも最初の頃は魚だったり肉だったり入っていたが、明らかに屑野菜のスープに変わった。

ドレスは新調されたけど庭で押されて泥だらけになったり、押されて葡萄ジュースが溢れたり、ゴミ箱に入っていたりする度に溜息を吐かれて、結局、ワンピースをメイドが買ってきて、着ろと言われた。

質素なドレスが一着のみあったけど、それは父が領地に来た時だけ着ることができた。

手入れもほとんどしてくれなくなり、誰も話しかけてこない。

でも義姉達とメイド達の楽しそうな声は毎日屋敷で響いていた。



身体中いつも痣がある。

義姉達だけではなく、メイド達も私の脚を掛けたり、押したりして小さくて栄養が行き届いていない私は簡単に転ばされてしまう。

「大袈裟ね」

「嘘吐きだから」

「世話なんかしたくないわ」

「どうせ私たちのやることはお気に召さないのでしょう」



1年経つと 既に心を閉ざしていた。

私が死ぬ3ヶ月前、義母が領地にやってきた。
お腹が大きい。

「お母様、おめでたですね」

「ええ。旦那様が欲しいと仰るから」

「男の子だったら跡継ぎね」

「そうよ……あらクリスティーナ。随分と小汚くなって。大事な子がいるの。変な病気が移ったら困るから部屋に戻りなさい」

「……」

もうこの時はフラフラで、壁に寄り掛かりながら歩くしかなかった。

「何なのアレは」

「いろいろな嘘をつく子なの。使用人のみんなの悪口も酷くて。今度は仮病を頑張っているわ」

「まあ、嫌だわ」



部屋に戻り涙を流した。枯れたと思っていたけど まだ枯れていなかった。

それからはマリッサとカーラが毎日、父と継母がいかに愛し合っているかを聞かせてきた。

2人の身に付けるものは更に豪華になり、継母も商人を頻繁に呼び付けていた。



そしてあの日。

もう私は死を覚悟していた。
骨に皮のような状態で眩暈も酷かった。

だから最後の反撃をしたつもりだった。

マリッサが私の部屋に来てバカなことを言い出した。

「もし男の子が産まれなくても、私が婿をとって侯爵家を継ぐから大丈夫よ」

「……赤の他人が継げるわけがありません。
それに貴女は学園にも通わなかったじゃないですか。

あ、落ちたんでしたっけ」

ベッド脇のテーブルから本を掴むとマリッサは背表紙で私の体を叩き始めた。

「あんたなんか!消えて居なくなれ!!」

「止めて!」

「いつもいつもバカにした目で見て!!」

「ギャアッ!!」



やっと止めたと思ったら今度は継母がきた。

「私の娘を侮辱したの?」

「……お腹が」

「っ!!」

継母のお腹は膨れていなかった。

「見たなら仕方ないわね」

クッションを手に取ると私の顔に押し付けた。
 
「んー!!!」

「ちゃんと産まれるわ…他の人の子を貰う予定だから。領地ここで産まれたことにするの。
…口裏を合わせる産婆を雇ったから…大丈夫、 
はぁっ」

苦しい!誰か助けて!!

「死んだかしら」

バタン

継母は部屋から立ち去った。


クリスティーナの記憶はここまで。


多分あの3人にクリスティーナ達は騙されて引き裂かれたのだ。












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