【完結】生まれ変わった男装美少女は命を奪った者達に復讐をする

ユユ

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エストフラムへの復讐

シュートウェルの目

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勉強し、夕食を終えてまた勉強をしているとガブリエルが帰ってきた。

「お帰り!ガブリエル!」

「ノア。宰相閣下。ただいま戻りました」

「じゃあ、出かけてきます!」

「程々にしておけよ」

バタン

エイダンもいるせいか、ロイクは出かけてしまった。

「何処行ったんだろう」

「騎士仲間と遊ぶらしいです」

「お友達ができたのね。気さくだからね」

「「………」」

エイダンは貴族騎士や上級騎士と打ち解け、ロイクは貧乏貴族の騎士や平民騎士と打ち解けていた。

ロイクはその仲間達と娼館へ行ったのだ。
そこはあの16歳の夜伽係をスカウトした店だった。


「王妃の経過を報告します。

部屋から出ません。
専属侍女が言うには、食欲もなく、魘されて催眠もあまり取れないようです。

しきりに“クリスティアーヌ”、“呪い”、“復讐”、“殺される”と口にするので、当面の公務も中止になりました。

特に国王と会おうとしません。
国王も会いに来ません。新しい若い夜伽係で発散させていますから」

「入れ替えたの?」

「はい。一人。若い夜伽係には優しく奉仕しているようです」

「エイダン、専属侍女はお前のことをバラさないか」

「大丈夫です。ゆっくり飴を与えています」

飴=色恋、 花=肉体関係、 餌=金、 躾=脅し、がフロワの騎士達の中の隠語だ。

「得意だったか?」

「花だけは無理そうです」

「行き詰まったらロイク使え。あいつは大丈夫だ。飴の方が無理だろうな」

「アメで情報流す人がよく王妃の専属侍女になれたわね。縁故?」

「そうかもしれませんね」

「私のノアは本当に可愛いな」

「 ? 」

「ガブリエル」

「はい、薬は鎮静薬と睡眠薬です。
副作用がある為、心の病に用いる安定薬は検討中です。

熱はなく、お通じは出たり出なかったり。
時々吐き気があるようです。
後、月のモノが止まりました。歳のせいではなく心因性とみています」

「デティアン伯爵夫人の処刑を聞けば効果的ね。もう女性は王妃だけだもの」

「良かったのか?シュートウェルは失脚だけで」

「それは私が。

領地へ出発する前夜に視力が落ちるよう細工します」

「ガブリエルが? どの程度だ」

「初めは目が霞んでる程度で、目標は本や書類の文字が読めず、一人で外出は無理な程度です。場合によっては失明したり、治ってしまったりします。

実験の結果ではどちらもあり得ました。個々の回復力が左右させているのではと思っています」

「何で実験したんだ」

「重罪人です。眼球の一部を凍らせます。完全にではないのですが。凍傷にさせる感じです」

「頑張っているんだな」

「ノアが私に道を示してくださいました」

「大袈裟ね」



後日談として、シュートウェル侯爵の目は領地に着く頃には白く霞み、失明はしなかったものの生活はだいぶ不便になった。





***娼館でのロイク(ロドリック)

「いらっしゃいませ」

「大部屋を予約していたロドリックだ」

「いつもありがとうございます。お連れ様と合わせて5名でのご利用ですね。
それでは嬢をお選びください」

この店のとは、複数人で利用できる乱交部屋のことだ。

「支配人、俺は放尿プレイのできる女を指名したい」

仲間達は突然のロイクの言葉に驚く。

「放尿プレイですか?」

「中出しした後に、そのまま尿も出したいんだ。ベッドやソファとかに出さないから安心してくれ」

「そ、そうですか…ちょっと聞いてきます」

支配人が待機室へ向かうと仲間達が一斉に話しかけた。

「ロドリック!お前そんなヤバイ性癖があったのかよ」

「大部屋で見せ付けて、お仲間増やそうとすんなよ」

「俺、そんなプレイにハマりたくない」

「噂で聞いたんだよ。ある高貴な方が放尿プレイが好きだって」 

「バカ!処刑されるぞ!」

「え?誰?誰? タオは知ってんの?」

「ここじゃ言えない。今度教えてやる」

「処刑って言ったら王族?」

バチン!

「いてっ!」

「本当にヤバいから口に出すな!」

「なんかさ、聞いたらもうその人見かけるとその姿を想像しちゃうんだよね。

経験すればさ、変態って目で見ずにお仲間ですね!って感じで暖かく見守れるじゃん?」

「ロドリック……お前は大物過ぎる。
不敬だからな?見かけても生暖かい目をしてニマニマ顔すんなよ? 顔を上げるな」

「ニマニマ顔ってどんなだよ」

「ほら、来たぞ。ニマニマ顔の支配人」


「割り増しをいただければ、一人可能な嬢がおります」

「他の子との違いはある?間違えちゃうと困るからさ」

「では、首に鎖のチョーカーをつけさせます」

「ありがとう。流石支配人。これ手間をかけさせたお詫び。子供達にお菓子買ってあげて」

ロイクはそっと支配人に中銀貨三枚を握らせた。
支配人は五人の子持ち。
お菓子どころか、質のいい平民服も五人に買ってあげられる額だ。

「感謝いたします」



そして帰りに酒場に寄った5人は、

「アレは難しいんだな」

「難しいというか、向き不向きなんだろうな」

「お仲間というより、お師匠様!って感じで見ることになりそう」

「止めろ!キラキラした目で見つめたら、ケツが処女じゃなくなるぞ」

「ケツ……」

「ロドリックに吹き込むな!

いいか?ロドリック。超えちゃいけない一線というものがある。お前はその一線が無い。底知れずだ。それがいい時もあるが、この手の分野は線を引け!今直ぐにだ!」

「経験した人いる?」

全「ねーよ!!」

「攻めた奴は?」

全「無いから諦めろ!仲間を探すな!」

「しかし、なんで出なかったんだろう。
どっちも溜めて行ったのにな。
しかも射精はできてもあまり気持ち良く出せなかったんだよな」

結局ロイクは尿は出せなかった。

「俺達がいたからかじゃねーの?」

「それはない。お前達に見せられないものはない」

「嬉しいことを言われているはずなのに、悪寒がするのはなんでだろう」

「放尿を意識して緊張しちゃってソッチも影響したんじゃないか?」

「修行が必要か? に聞けたらいいんだけどなぁ~」

「もう、こいつのあだ名は“無敵”でいいんじゃね?俺、ロドリックに敵う気がしないわ」

「俺も同感。“超越者”はどう?」

「“勇者”は? 何にでも挑んで行くしな」

「よし、今日から勇者って言われたら返事しろよ!」

「それ、いいんですか?
一線を引けって件は無かったことになりますよ」

「……ダメだな」


結局、ロドリックは仲間内から勇者と呼ばれるようになった。





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