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こんな顔だったのね
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さらに3番目のダンスが始まった。
エリアーナ様が私達を見付けて、側にいてくれた。
公「エリアーナ?」
エ「お父様」
公「シルヴェストル殿下にご挨拶を申し上げます」
シ「バンフィールド公爵、お久しぶりです」
公「成人おめでとうございます」
シ「ありがとうございます」
公「エリアーナ…随分と可愛らしくなって。いや、前から可愛い私の娘だが、何というか、」
エ「ふふっ。これはアリスが魔法を掛けてくれているのですわ」
公「アリス?」
エ「紹介しますわ。アリス、父のクロヴィス・バンフィールドよ。
お父様、彼女は私が妹のように可愛がっている、ジオニトロ侯爵家のアリスですわ」
私「ジオニトロ侯爵家の長女、アリスと申します。
エリアーナ様には大変お世話になっております」
エ「エリアーナの父クロヴィスだ。君が変身をさせたのかな?」
私「愛らしいエリアーナ様にちょっとだけお化粧をさせていただきました」
公「そうか。良かったな。似合っているよ。
シルヴェストル王子殿下は もしかしてジオニトロ侯爵令嬢のパートナーですか?」
シ「はい、縁があって、パートナーがいない者同士で協力し合うことになりました」
公「ジオニトロ侯爵令嬢には婚約者がいたような…」
エ「アリス、アレをお見せして」
手紙を取り出しだ。
エ「お父様、この手紙はアリスの婚約者がアリスに宛てた手紙です」
公「…これは酷い」
私「あ、最初からこんな感じですので慣れています。お気になさらず、」
エ「アリス、怒っていいのよ?」
私「怒るほど彼に情もありませんし、害もありませんわ」
今度は公爵やエリアーナ様に似た令息が近寄ってきた。
マ「シルヴェストル王子殿下にご挨拶申し上げます」
シ「久しぶりです。マチアス殿」
マ「成人おめでとうございます。
姉上、私のことも こちらのレディに紹介してください」
エ「そうだったわ。紹介するわね。弟のマチアスよ。マチアス、彼女はアリス・ジオニトロ嬢よ」
マ「同じ歳ということは学園でもご一緒ということですね。お見知り置きください」
私「こちらこそ、お会いできて光栄です」
エ「アリスは私が妹のように可愛がっている子よ。
シルヴェストル王子殿下とアリスは今日はパートナーよ」
マ「そうなのですね」
私とシルヴェストル殿下が一緒に出席することになった経緯を説明していると、ジェイド様とブレイル様がやってきた。
ジェ「お義父上、マチアス殿、お久しぶりです。
エリアーナを次のダンスにお誘いしてもよろしいでしょうか」
公「もちろんだよ、ジェイド」
エリアーナ様がジェイド様の手を取ると、ブレイル様が私の前に立った。
ブ「アリス嬢、踊っていただけますか」
私「ブレイル様、婚約者様は?」
ブ「これは社交だし、ファーストダンスでもない」
私「シルヴェストル様のお側に、」
シ「アリス、行っておいで」
プレイル様と踊り終えると声を掛けられた。
「アリス」
「……」
無視をしてシルヴェストル様の元へ戻ろうとするが、また呼ばれた。
「アリス!」
「どなたか存じ上げませんが、気安く名前を呼ばないでくださいませ。失礼」
「アリス!」
しつこく呼ぶ男との間にシルヴェストル様が立つ。
「付き纏わないでくれるかな」
「シルヴェストル王子殿下…」
さらにガーネット伯爵が立つ。
「アリスとどの様な関係かな?」
「ガーネット伯爵!?」
そしてノッティング侯爵が立った。
「大きな声をだしてみっともない」
「ノッティング侯爵!?」
「大丈夫か?アリス」
皆が集まってしまった。
「はい、おかげさまで」
「私は彼女の婚約者です」
「おかしいな。彼女の婚約者は他人だから話しかけるな目も合わせるなと命じた男だから アリスと接触するはずがないんだ。だから君のはずがない」
「っ!」
「本当ですか、団長。婚約者にその様なことを言う男が存在するのですか!?」
「残念ながら本当です。デビュータントのエスコートは婚約者としては義務にもかかわらず、パートナー拒否、エスコート拒否、ダンス拒否ですよ。彼は王宮行事だと分からないようです」
「だとしたら、そんな男は今後もアリスをパートナーにせず話しかけたり目も合わさないのでしょう。婿養子予定だと思いましたが、きっと籍だけ入れて実家にいるのでしょうね」
「貴族の出来損ないが大きな顔をしていると知って王妃殿下は嘆かれておられました」
「貴族の常識、婚約者の義務を放棄してしまえば、自ら侯爵になる資格無しと宣言しているのと同じことですよ」
「下級貴族による高位貴族への愚行を許す高位貴族はいませんよ。ジオニトロ家は悪事でここまで困窮したわけではありません。愚かで騙されやすい長男を跡継ぎにしてしまったことにあります。
つまり、他の高位貴族はジオニトロ侯爵家を下級貴族が好き勝手するなど不愉快でならないのです」
「確かに。上下関係を土足で踏み荒らす輩は受け入れたくありませんからね」
「無知は多少許せても無礼はまずい」
「そうですね、侯爵家の跡継ぎと子爵家の余りでは身分が違いすぎる」
シルヴェストル様が私の手を握った。
「さあ、ちょっと散歩に出よう。侯爵、伯爵、失礼します」
そのまま庭園に出た。
「ありがとうございます、シルヴェストル様」
「あんな手紙を寄越しておいて何のつもりだろうな」
「不快ですわ。名前まで呼ばれてしまいました」
「私と一緒だからだろうか。すまない」
「我が家のせいですわ。シルヴェストル様のせいではございません。こうしてパートナーになってくださったおかげで一生に一度の素敵な思い出になりましたわ」
「ならいい」
「ふふっ」
シルヴェストル様の耳が赤くなっていた。
エリアーナ様が私達を見付けて、側にいてくれた。
公「エリアーナ?」
エ「お父様」
公「シルヴェストル殿下にご挨拶を申し上げます」
シ「バンフィールド公爵、お久しぶりです」
公「成人おめでとうございます」
シ「ありがとうございます」
公「エリアーナ…随分と可愛らしくなって。いや、前から可愛い私の娘だが、何というか、」
エ「ふふっ。これはアリスが魔法を掛けてくれているのですわ」
公「アリス?」
エ「紹介しますわ。アリス、父のクロヴィス・バンフィールドよ。
お父様、彼女は私が妹のように可愛がっている、ジオニトロ侯爵家のアリスですわ」
私「ジオニトロ侯爵家の長女、アリスと申します。
エリアーナ様には大変お世話になっております」
エ「エリアーナの父クロヴィスだ。君が変身をさせたのかな?」
私「愛らしいエリアーナ様にちょっとだけお化粧をさせていただきました」
公「そうか。良かったな。似合っているよ。
シルヴェストル王子殿下は もしかしてジオニトロ侯爵令嬢のパートナーですか?」
シ「はい、縁があって、パートナーがいない者同士で協力し合うことになりました」
公「ジオニトロ侯爵令嬢には婚約者がいたような…」
エ「アリス、アレをお見せして」
手紙を取り出しだ。
エ「お父様、この手紙はアリスの婚約者がアリスに宛てた手紙です」
公「…これは酷い」
私「あ、最初からこんな感じですので慣れています。お気になさらず、」
エ「アリス、怒っていいのよ?」
私「怒るほど彼に情もありませんし、害もありませんわ」
今度は公爵やエリアーナ様に似た令息が近寄ってきた。
マ「シルヴェストル王子殿下にご挨拶申し上げます」
シ「久しぶりです。マチアス殿」
マ「成人おめでとうございます。
姉上、私のことも こちらのレディに紹介してください」
エ「そうだったわ。紹介するわね。弟のマチアスよ。マチアス、彼女はアリス・ジオニトロ嬢よ」
マ「同じ歳ということは学園でもご一緒ということですね。お見知り置きください」
私「こちらこそ、お会いできて光栄です」
エ「アリスは私が妹のように可愛がっている子よ。
シルヴェストル王子殿下とアリスは今日はパートナーよ」
マ「そうなのですね」
私とシルヴェストル殿下が一緒に出席することになった経緯を説明していると、ジェイド様とブレイル様がやってきた。
ジェ「お義父上、マチアス殿、お久しぶりです。
エリアーナを次のダンスにお誘いしてもよろしいでしょうか」
公「もちろんだよ、ジェイド」
エリアーナ様がジェイド様の手を取ると、ブレイル様が私の前に立った。
ブ「アリス嬢、踊っていただけますか」
私「ブレイル様、婚約者様は?」
ブ「これは社交だし、ファーストダンスでもない」
私「シルヴェストル様のお側に、」
シ「アリス、行っておいで」
プレイル様と踊り終えると声を掛けられた。
「アリス」
「……」
無視をしてシルヴェストル様の元へ戻ろうとするが、また呼ばれた。
「アリス!」
「どなたか存じ上げませんが、気安く名前を呼ばないでくださいませ。失礼」
「アリス!」
しつこく呼ぶ男との間にシルヴェストル様が立つ。
「付き纏わないでくれるかな」
「シルヴェストル王子殿下…」
さらにガーネット伯爵が立つ。
「アリスとどの様な関係かな?」
「ガーネット伯爵!?」
そしてノッティング侯爵が立った。
「大きな声をだしてみっともない」
「ノッティング侯爵!?」
「大丈夫か?アリス」
皆が集まってしまった。
「はい、おかげさまで」
「私は彼女の婚約者です」
「おかしいな。彼女の婚約者は他人だから話しかけるな目も合わせるなと命じた男だから アリスと接触するはずがないんだ。だから君のはずがない」
「っ!」
「本当ですか、団長。婚約者にその様なことを言う男が存在するのですか!?」
「残念ながら本当です。デビュータントのエスコートは婚約者としては義務にもかかわらず、パートナー拒否、エスコート拒否、ダンス拒否ですよ。彼は王宮行事だと分からないようです」
「だとしたら、そんな男は今後もアリスをパートナーにせず話しかけたり目も合わさないのでしょう。婿養子予定だと思いましたが、きっと籍だけ入れて実家にいるのでしょうね」
「貴族の出来損ないが大きな顔をしていると知って王妃殿下は嘆かれておられました」
「貴族の常識、婚約者の義務を放棄してしまえば、自ら侯爵になる資格無しと宣言しているのと同じことですよ」
「下級貴族による高位貴族への愚行を許す高位貴族はいませんよ。ジオニトロ家は悪事でここまで困窮したわけではありません。愚かで騙されやすい長男を跡継ぎにしてしまったことにあります。
つまり、他の高位貴族はジオニトロ侯爵家を下級貴族が好き勝手するなど不愉快でならないのです」
「確かに。上下関係を土足で踏み荒らす輩は受け入れたくありませんからね」
「無知は多少許せても無礼はまずい」
「そうですね、侯爵家の跡継ぎと子爵家の余りでは身分が違いすぎる」
シルヴェストル様が私の手を握った。
「さあ、ちょっと散歩に出よう。侯爵、伯爵、失礼します」
そのまま庭園に出た。
「ありがとうございます、シルヴェストル様」
「あんな手紙を寄越しておいて何のつもりだろうな」
「不快ですわ。名前まで呼ばれてしまいました」
「私と一緒だからだろうか。すまない」
「我が家のせいですわ。シルヴェストル様のせいではございません。こうしてパートナーになってくださったおかげで一生に一度の素敵な思い出になりましたわ」
「ならいい」
「ふふっ」
シルヴェストル様の耳が赤くなっていた。
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