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資金化
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駄女神に送り込まれて数ヶ月。
売るものは宝石のみ。
ねえ、駄女神ペイジ。もう一つは何を授けたのよ。
そして私は宝石商を抱き込んだ。
最初は買取業者に売ったが続けて大量もしくは高価なものになると手に負えなくなるのは予想できたので、国外にも支店をもつ宝飾店と契約した。
通常の売り買いとは別に、年に一度、好きなカラーで3カラットまでのサイズの石を一粒無償でプレゼントするという契約で秘密保持契約を結んだ。
出所を漏らさないというものだ。だから私との取引は王都本店の責任者だけが担当する。
「ホッジンズ店長、今回は赤、桃色、黄色です」
「今回も高級品質ですね。ありがとうございます」
相変わらず青色は用意できない。
「アリス様の宝石はよく売れます。
今日もいつも通り、私が貴女様に納品に来たということにしております。こちらがその品です」
「ありがとう」
アクセサリー作りの依頼を出して不定期に納品しに来てもらっている。その時に石を売るのだ。
とりあえず肩代わりしてもらった借金の分は稼いだ。このまま一生懸命、石を生産すれば…多分3年生の時に貰う支援金は預かるだけで手を付けずに済む。
つまり婚約してから2年生までの支援金を、3年生に上がる前に用意できる。
もちろん侯爵家を運営するお金は別。だけど領地収入を父がドブに棄てない分、そして後妻の無駄遣いが無い分余る。これは王都と領地の運営に使わせてもらう。
ただし、ドレスやアクセサリーといった費用は私が涙を石に変えて用立てる。
「ホッジンズ店長、今後半年内に高く売れそうな色はありますか」
「青は駄目なのですよね?だとすると、薄めの黄色や桃色が好まれます」
「では次回はその二色に集中しますね」
「はい、しっかり高く売って互いに儲けましょう」
「いつも感謝しますわ」
「こちらこそ感謝いたします。私だけに売っていただいて」
「私は裏切られない限り、絶対に貴方を裏切りませんわ」
「ええ、運命共同体のようなものですから」
それから家のこと、勉強、ノッティング家とガーネット家への交流を続けつつ、懸命に、水・ベリージュースを水で薄めたもの・柑橘ジュースを水で薄めたものを飲んだ。
薄くて美味しくないが色のためだ仕方ない。
そのために食欲があまりない。
屋敷の皆が心配し始めるので加減が必要だ。
それを納めた翌月はまた違う色の飲み物をガブ飲みした。
あの時、駄女神をもっと脅してちょっとの量で作れるようにさせれば良かった。
シルヴェストル様とは月に二度お茶をしている。
そして何故かオルデンから面会依頼が来るが、全てお断りしている。
ある時は夜に押しかけて来る。その時はハリソンが対応してくれる。
「アリスは?」
「アリス様はご友人のお屋敷にお呼ばれを受けて2時間前にお出掛けになりました」
「何時に戻るんだ?待たせてもらおう」
「今夜は戻られません。お引き取りくださいませ」
「いつもいつも不在で何なんだ!」
「例え屋敷におられたとしてもアリス様が会うと仰らない限り、お会いになれません」
「私は婚約者だぞ!」
「こちらのせいです」
ハリソンはオルデンが寄越した例の手紙をヒラヒラさせた。
オルデンはそれを奪い取り、ビリビリに破く。
「これで会うだろう」
「いえ、会いませんわ」
奥から出てきたのはスーザンだった。
スーザンはオルデンに微笑みの仮面をつけて説明した。
「デビュータントで、婚約者のいるお姉様が他の方をパートナーにしなくてはならない理由を証明する為に、テムスカリン子爵令息のお手紙を国王夫妻にお見せしましたの。そうでないとお姉様が咎められて、私も肩身が狭くなりますから。つまり、破いても手遅れですわ」
「くっ!」
「それに、今のは複写ですの。20枚くらいだったかしら」
「はい、スーザン様」
「大事なお手紙ですから20枚ほど複写にして、原本は銀行の貸金庫に保管しておりますわ」
「複写なんか!」
「婚約者からの命令ですもの。違えてはいけないとどこでも確認出来るように屋敷中に置きましたのよ。あの命令ですから、いくら会いたいと仰っても、会うことは叶わないでしょう。ご用は書面にてお願いしますわ」
「お引き取りを」
そんな感じで追い払ってくれている。
売るものは宝石のみ。
ねえ、駄女神ペイジ。もう一つは何を授けたのよ。
そして私は宝石商を抱き込んだ。
最初は買取業者に売ったが続けて大量もしくは高価なものになると手に負えなくなるのは予想できたので、国外にも支店をもつ宝飾店と契約した。
通常の売り買いとは別に、年に一度、好きなカラーで3カラットまでのサイズの石を一粒無償でプレゼントするという契約で秘密保持契約を結んだ。
出所を漏らさないというものだ。だから私との取引は王都本店の責任者だけが担当する。
「ホッジンズ店長、今回は赤、桃色、黄色です」
「今回も高級品質ですね。ありがとうございます」
相変わらず青色は用意できない。
「アリス様の宝石はよく売れます。
今日もいつも通り、私が貴女様に納品に来たということにしております。こちらがその品です」
「ありがとう」
アクセサリー作りの依頼を出して不定期に納品しに来てもらっている。その時に石を売るのだ。
とりあえず肩代わりしてもらった借金の分は稼いだ。このまま一生懸命、石を生産すれば…多分3年生の時に貰う支援金は預かるだけで手を付けずに済む。
つまり婚約してから2年生までの支援金を、3年生に上がる前に用意できる。
もちろん侯爵家を運営するお金は別。だけど領地収入を父がドブに棄てない分、そして後妻の無駄遣いが無い分余る。これは王都と領地の運営に使わせてもらう。
ただし、ドレスやアクセサリーといった費用は私が涙を石に変えて用立てる。
「ホッジンズ店長、今後半年内に高く売れそうな色はありますか」
「青は駄目なのですよね?だとすると、薄めの黄色や桃色が好まれます」
「では次回はその二色に集中しますね」
「はい、しっかり高く売って互いに儲けましょう」
「いつも感謝しますわ」
「こちらこそ感謝いたします。私だけに売っていただいて」
「私は裏切られない限り、絶対に貴方を裏切りませんわ」
「ええ、運命共同体のようなものですから」
それから家のこと、勉強、ノッティング家とガーネット家への交流を続けつつ、懸命に、水・ベリージュースを水で薄めたもの・柑橘ジュースを水で薄めたものを飲んだ。
薄くて美味しくないが色のためだ仕方ない。
そのために食欲があまりない。
屋敷の皆が心配し始めるので加減が必要だ。
それを納めた翌月はまた違う色の飲み物をガブ飲みした。
あの時、駄女神をもっと脅してちょっとの量で作れるようにさせれば良かった。
シルヴェストル様とは月に二度お茶をしている。
そして何故かオルデンから面会依頼が来るが、全てお断りしている。
ある時は夜に押しかけて来る。その時はハリソンが対応してくれる。
「アリスは?」
「アリス様はご友人のお屋敷にお呼ばれを受けて2時間前にお出掛けになりました」
「何時に戻るんだ?待たせてもらおう」
「今夜は戻られません。お引き取りくださいませ」
「いつもいつも不在で何なんだ!」
「例え屋敷におられたとしてもアリス様が会うと仰らない限り、お会いになれません」
「私は婚約者だぞ!」
「こちらのせいです」
ハリソンはオルデンが寄越した例の手紙をヒラヒラさせた。
オルデンはそれを奪い取り、ビリビリに破く。
「これで会うだろう」
「いえ、会いませんわ」
奥から出てきたのはスーザンだった。
スーザンはオルデンに微笑みの仮面をつけて説明した。
「デビュータントで、婚約者のいるお姉様が他の方をパートナーにしなくてはならない理由を証明する為に、テムスカリン子爵令息のお手紙を国王夫妻にお見せしましたの。そうでないとお姉様が咎められて、私も肩身が狭くなりますから。つまり、破いても手遅れですわ」
「くっ!」
「それに、今のは複写ですの。20枚くらいだったかしら」
「はい、スーザン様」
「大事なお手紙ですから20枚ほど複写にして、原本は銀行の貸金庫に保管しておりますわ」
「複写なんか!」
「婚約者からの命令ですもの。違えてはいけないとどこでも確認出来るように屋敷中に置きましたのよ。あの命令ですから、いくら会いたいと仰っても、会うことは叶わないでしょう。ご用は書面にてお願いしますわ」
「お引き取りを」
そんな感じで追い払ってくれている。
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