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パトリシアの誘い
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あの後、王太子妃様とクロエ様に着せ替え人形にされたり、採寸されたりしていた。
ランチ後は礼桜兄の宣言通りお花見散歩。
そして着替えて特訓だ。
クロード様とライアン様の他に夜勤の警護騎士も来ていた。
ジャンヌ様もエリオット様も見に来ていた。
騎士様4人は興味津々で、礼桜兄から教わっていた。
お茶をして湯浴みをして筋肉痛緩和のマッサージをじっくり受け、晩餐は陛下も一緒だった。
「聞いたぞ。ニーナ嬢は武術をやるのだな」
「昔少し教わった程度で、今筋肉をつけ、身体を柔らかくしているところです」
「ではその内見せてもらおう」
「陛下にお見せするレベルでは…」
「よいよい。可愛らしい令嬢が一生懸命やる姿がいいのだ」
「筋肉や柔軟性はそう簡単ではありませんのでお待ちいただくことになりそうです」
「待ってるぞ」
食休みをしてから礼桜兄が家まで送ってくれた。
「怪我はするなよ」
「お兄ちゃん」
「なんだ」
「お兄ちゃんがいてくれて良かった。
再会できてすごく嬉しい」
「俺も嬉しいよ」
額におやすみのキスをして去って行った。
それを見ていたケイン兄様が、
「ニーナ。仮にもまだお前は婚約者のいる身だ」
「仮ではありませんが」
「王太子殿下との距離は考えろ」
「まぁ、仲良しですが兄妹のようなものです」
「アレでか?」
「そうですよ?
そんなに不満なら兄様が王太子殿下に申し上げればよろしいではありませんか?」
「……」
こんな生活が数ヶ月続き、遂にエリオット様の卒業を迎えてしまった。
卒業パーティのパートナーを頼まれて困惑したが、卒業パーティは卒業生の方に婚約者がおらずパートナーのあてがなければ、ボランティアとして婚約者のいる者が助けてあげても問題なしとされているらしい。
つまり、私は婚約者もパートナーのあてもないエリオット様のためにボランティアとしてパートナーを務めることになった。
Cランチを食べ、デザートを半分交換しながら話をする。
「私が卒業したらレイノルズ公爵令息の出方が心配だ」
「大丈夫ですわ。元々私ひとりで対応しなくてはならなかったのに、エリオット様に甘えてしまいました。感謝しております」
「だが…」
「あの、ここいいですか?」
「…どうぞ」
びっくりした。パトリシア・ミルズだった。
さっさと食べて教室に戻ろうと目で合図を送っていると、
「エリオット様、あの、卒業パーティのパートナーがおらず、ボランティアの生徒に頼むと耳にしました。
私が立候補してもいいですか」
「何故だ」
「社会勉強にもなりますし、エリオット様とお話ししたいとずっと思っておりました。
もうご卒業なさるので最後のチャンスですから、思い切ってお願いに上がりました」
うわぁ。
「結論から言おう。断る」
「えっ!」
「ボランティアならニーナに頼んだ」
「彼女は婚約者がおります。私はおりませんから、相応しいのは私ですわ!」
「そのニーナの婚約者と寝ている女が言うことか?」
うわぁ~周りの人が注目してるよ。
「酷いです!」
「酷いのは其方の方だろう。人の婚約者を寝とって平気な顔をして登校し、学校内で体を寄せ合うのだからな」
「違います!」
「ではレイノルズ公爵令息とは全く関わりがないと申すのか?」
「お友達ですわ!」
「ミルズ子爵家の教育では、婚約者のいる令息と2人きりで会い、肩を抱かせたり腰を抱かせたり、腕に絡みついて胸を押し付けたり、ベンチで密着し口付けるように教えているのか?」
「!!」
「社会勉強?笑わせるな!
婚約者のいる令息に馬車で送り迎えをさせて、自宅に連れ込んだり、宿屋に入ったり、令息の婚約者の金で令息に貢がせるような女がか?」
「なっ!」
「そもそも、私は名前呼びを許したことは一度も無いぞ!子爵令嬢。仮にも王族の私に不敬ではないのか?侮られたものだな」
「そんなつもりは…学校では身分を気にしなくていいと。それに誤解です!もしかして、イリス伯爵令嬢から聞いたのですか!?
私を貶めるための嘘ですわ!グスン」
はぁ…
「身分を気にしない?なら私を名前呼びしてニーナを家名呼びするのは何故だ?
其方は男は名前呼び、女は家名呼びをすることがほとんどだ。全校生徒から集計をとるか?
それにニーナは其方のことなど話題にしない。口に出すのも嫌なのだろう。自惚れるな。相手にさえされていない」
「私は!
「迷惑だ!!
他人の婚約者の愛人を務めながら王子という身分に色仕掛けをしようとするような下品な女など気持ち悪くて仕方がない!
二度と私の視界に入るな!ニーナの視界にもだ!!
今後話しかけたら父上から子爵に抗議をするぞ!
ニーナ。行くぞ」
「あっ、はい。でもデザートが」
「買ってやる」
「このデザートが泣きます」
殿下はデザートのお皿とフォークを持って移動した。2人で別の席に座りさっと食べて食堂を出た。
ランチ後は礼桜兄の宣言通りお花見散歩。
そして着替えて特訓だ。
クロード様とライアン様の他に夜勤の警護騎士も来ていた。
ジャンヌ様もエリオット様も見に来ていた。
騎士様4人は興味津々で、礼桜兄から教わっていた。
お茶をして湯浴みをして筋肉痛緩和のマッサージをじっくり受け、晩餐は陛下も一緒だった。
「聞いたぞ。ニーナ嬢は武術をやるのだな」
「昔少し教わった程度で、今筋肉をつけ、身体を柔らかくしているところです」
「ではその内見せてもらおう」
「陛下にお見せするレベルでは…」
「よいよい。可愛らしい令嬢が一生懸命やる姿がいいのだ」
「筋肉や柔軟性はそう簡単ではありませんのでお待ちいただくことになりそうです」
「待ってるぞ」
食休みをしてから礼桜兄が家まで送ってくれた。
「怪我はするなよ」
「お兄ちゃん」
「なんだ」
「お兄ちゃんがいてくれて良かった。
再会できてすごく嬉しい」
「俺も嬉しいよ」
額におやすみのキスをして去って行った。
それを見ていたケイン兄様が、
「ニーナ。仮にもまだお前は婚約者のいる身だ」
「仮ではありませんが」
「王太子殿下との距離は考えろ」
「まぁ、仲良しですが兄妹のようなものです」
「アレでか?」
「そうですよ?
そんなに不満なら兄様が王太子殿下に申し上げればよろしいではありませんか?」
「……」
こんな生活が数ヶ月続き、遂にエリオット様の卒業を迎えてしまった。
卒業パーティのパートナーを頼まれて困惑したが、卒業パーティは卒業生の方に婚約者がおらずパートナーのあてがなければ、ボランティアとして婚約者のいる者が助けてあげても問題なしとされているらしい。
つまり、私は婚約者もパートナーのあてもないエリオット様のためにボランティアとしてパートナーを務めることになった。
Cランチを食べ、デザートを半分交換しながら話をする。
「私が卒業したらレイノルズ公爵令息の出方が心配だ」
「大丈夫ですわ。元々私ひとりで対応しなくてはならなかったのに、エリオット様に甘えてしまいました。感謝しております」
「だが…」
「あの、ここいいですか?」
「…どうぞ」
びっくりした。パトリシア・ミルズだった。
さっさと食べて教室に戻ろうと目で合図を送っていると、
「エリオット様、あの、卒業パーティのパートナーがおらず、ボランティアの生徒に頼むと耳にしました。
私が立候補してもいいですか」
「何故だ」
「社会勉強にもなりますし、エリオット様とお話ししたいとずっと思っておりました。
もうご卒業なさるので最後のチャンスですから、思い切ってお願いに上がりました」
うわぁ。
「結論から言おう。断る」
「えっ!」
「ボランティアならニーナに頼んだ」
「彼女は婚約者がおります。私はおりませんから、相応しいのは私ですわ!」
「そのニーナの婚約者と寝ている女が言うことか?」
うわぁ~周りの人が注目してるよ。
「酷いです!」
「酷いのは其方の方だろう。人の婚約者を寝とって平気な顔をして登校し、学校内で体を寄せ合うのだからな」
「違います!」
「ではレイノルズ公爵令息とは全く関わりがないと申すのか?」
「お友達ですわ!」
「ミルズ子爵家の教育では、婚約者のいる令息と2人きりで会い、肩を抱かせたり腰を抱かせたり、腕に絡みついて胸を押し付けたり、ベンチで密着し口付けるように教えているのか?」
「!!」
「社会勉強?笑わせるな!
婚約者のいる令息に馬車で送り迎えをさせて、自宅に連れ込んだり、宿屋に入ったり、令息の婚約者の金で令息に貢がせるような女がか?」
「なっ!」
「そもそも、私は名前呼びを許したことは一度も無いぞ!子爵令嬢。仮にも王族の私に不敬ではないのか?侮られたものだな」
「そんなつもりは…学校では身分を気にしなくていいと。それに誤解です!もしかして、イリス伯爵令嬢から聞いたのですか!?
私を貶めるための嘘ですわ!グスン」
はぁ…
「身分を気にしない?なら私を名前呼びしてニーナを家名呼びするのは何故だ?
其方は男は名前呼び、女は家名呼びをすることがほとんどだ。全校生徒から集計をとるか?
それにニーナは其方のことなど話題にしない。口に出すのも嫌なのだろう。自惚れるな。相手にさえされていない」
「私は!
「迷惑だ!!
他人の婚約者の愛人を務めながら王子という身分に色仕掛けをしようとするような下品な女など気持ち悪くて仕方がない!
二度と私の視界に入るな!ニーナの視界にもだ!!
今後話しかけたら父上から子爵に抗議をするぞ!
ニーナ。行くぞ」
「あっ、はい。でもデザートが」
「買ってやる」
「このデザートが泣きます」
殿下はデザートのお皿とフォークを持って移動した。2人で別の席に座りさっと食べて食堂を出た。
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