14 / 24
エリオットの卒業
しおりを挟む
エリオットと卒業パーティに来ている。
エリオットから贈られたドレスを着ている。
たくさん持っているから贈ってくれなくて良かったのに。
しかも、エリオットの瞳の色のドレスなんて…。
校長と陛下の挨拶が終わり、ダンスの時間になった。
成績の上位者のグループから踊る。
一度に全員は無理だからね。
「ニーナとダンスは初めてだな」
「そうですね」
「お忍びも何度か行ったのにな」
「お忍びでダンスはしませんよ」
「…私は妾の子だ。王族に金で買われた母は妾になってひたすら妊娠した。
出産、流産、流産、流産、出産。
最後が私で産後に死んだ。
母は愛されなかったし、人権も無かった。
子を孕み産む道具だ。
同腹の第一王女は不要な王女として、他国に送られた。私は念のための予備だ。
レオナルド兄上やクロエ姉上のように陛下に愛されなかった。
ずっと憤りと悲しみを抱えて生きて来たが、母の元専属侍女に全てを聞いて納得した。
愛されるわけがないと。
そのうち城を追い出されるだろうと思っていたらニーナが現れた。
君は差別せず私をひとりの人間として扱ってくれた。
頼り感謝もしてくれた。稀に喧嘩もしたが、楽しい日々を送れた。
毎日のランチの時間は、すぐに私の為の時間となった。心から感謝している。
側にいて守ってあげられないのがこんなに悔しくなるとは思ってもいなかった。
これからも遊びと訓練に来るのだろう?
私との時間も作って欲しい。友人ニーナ」
びっくりした。エリオット様がそんな立場で、そんなことを思っていて、そういうふうに言ってくれるとは。
「はい。是非お願いします。
だけど、エリオット様に婚約者ができたり、私がアレと縁を切って父が別の婚約者を連れて来たら、婚約者を交えた友人関係にしましょう。そうでなければ、私達もアレと同じに見られてしまいますから」
「そうだな」
なんでそんな悲しそうな顔をするの?
「エリオット様?」
「次の候補はいるのか」
「さぁ、全て父にお任せしますから」
「そうか。好きな男はいないのか」
「異性としてはおりません。
エリオット様は?」
「陛下次第になるだろうな」
「1年後にはクロエ様とケイン兄様の婚姻ですね」
「レオナルド兄上もな」
「えっ!」
「後1年以内に懐妊しなければ、どこかの令嬢を娶らなくてはならない。もし、懐妊しても産まれたのが男児でなければ娶ることになる」
「お世継ぎ問題か…お兄ちゃん大丈夫なのかなぁ」
「大丈夫だろう。王太子妃は政略結婚だ。また愛のない花嫁を迎えるだけだ」
魂が違うの!
ダンスを終え、軽く食事をしていると、
「イリス伯爵令嬢!!」
はぁ…
「(私、戦えますから見ていてください)」
「(しかし…)」
「返事くらいしろ!」
「何でしょう」
「お前はまたパトリシアを虐めたそうだな!食堂で皆のいる前で侮辱し泣かせたそうじゃないか!
しかも婚約者がいるのに、他の男とパーティに来るなどアバズレもいいところだ!!」
あ~、言っちゃったよ。
「食堂で泣かせたのは私だ。子爵令嬢が誘いをかけてきてな。レイノルズ公爵令息の手垢が隅々までついた女など気持ち悪いから断った。問題があるか?」
「なっ!」
「公爵令息様、パートナーのルールは学校が決めたものですわ。不服があるなら学校に申し立ててください。私の他にも、この会場には貴方の仰るアバズレが複数おりますのよ?学校のルールに従って」
「そんなことは関係ない!お前と私の問題だ」
「具体的には?」
「婚約者だ」
「だから?」
「不貞だろう!」
「貴方がね。そもそも先輩方の大切な記念の日となる卒業パーティで騒ぎを起こすなど、呆れますわね。
それにどうやって忍び込んだのでしょう。
貴方もパートナーになっていない限り入場出来ないはずですよ?」
「生意気な女め!躾が必要だ!来い!」
さっと伸びた手を避ける。
「このっ!」
よし、チャンス!
興奮したクズに敢えて暴力を振るわれることにした。
クズは私の髪を掴み強く引っ張って引き倒した。
「きゃあ!」
「ニーナ!大丈夫か!
貴様!」
「エリオット!ストップ!」
「ニーナ!止めるな!」
「これはどういうことだ」
国王陛下が間に入るとは…。
エリオット様に抱き起こされた。
「エリオット。説明しろ」
「おそらく無許可で侵入したレイノルズ公爵令息が、ニーナに言いがかりをつけ、興奮してニーナの髪を掴み引き倒しました。
彼の右手にはニーナから引き抜いた髪が残っています」
「っ!」
「校長」
「見ていたぞ、レイノルズ殿。正式な書面は公爵家へ届けさせるが、君は進級初日から半年間の停学だ。自宅で謹慎し、一歩も外に出るな。定期テストは私と教師で公爵邸に出向いて実施する。
テストで赤点をとったり、半年間一歩でも外に出たら退学だ。
冠婚行事は事前に許可をとれ。葬祭行事は行った下門に後日調査に出向く」
「そんな馬鹿なことを」
「馬鹿はどっちだ!其方の素行は知っている!
自分の素行を棚に上げて、学校のルールに従ってボランティアをしている己の婚約者に公衆の面前で暴力を振るった!
今日の卒業パーティは卒業生にとって一生に一度の行事だ!それを其方は台無しにしたんだ!しかも不法侵入でな!
一発退学でもいいくらいだ!」
「っ!!」
「それと、在籍期間中、学校の敷地内でイリス伯爵令嬢に接触することを禁じる!
クラスも違うし、授業が被ることはない。
そうだな、停学が解けたら伯爵令嬢とは、其方の身長の3倍の距離をとるよう命じる」
「くっ!」
「王家からは公爵家と伯爵家双方に婚約の一時停止を命じる。卒業まで婚約者を名乗らず、義務も互いに課すことのないように。
もちろん、たった今から伯爵家からの支援金は停止だ」
「陛下!!横暴です!!」
「…怖いもの知らずに育てたものだな。
大勢の前で暴力を振るった時点で婚約破棄になるのが普通だ。
どこまでおめでたい頭をしているのだ。
この愚か者を追い出せ!!」
クズが引き摺られて行くわ!さようなら~!
「校長、パーティの続きを頼む。
エリオット、ニーナ嬢。別室へ行こう」
別室へ移ると校医が来て診察してくれた。
「少しの打ち身と髪を引っ張られて、髪を少し引き抜かれたので血が少し」
「大丈夫ですわ。ありがとうございました」
「エリオット、お前が側にいながらどういうことだ!お前のパートナーをしてくれていたのだろう!」
エリオット様が拳を握りしめている!
私は陛下の前に膝をついた。
「国王陛下、口を挟むことをお許しください」
「立ってくれ。引き倒されたばかりであろう」
陛下が手を取って立ち上がらせて、ソファに座らせてくれた。
「申してみよ」
「感謝いたします。
実は、手出し無用と私がエリオット殿下に頼んだのです」
「何故だ」
「私は不誠実なレイノルズ公爵令息とは婚姻したくございません。私が望んだ婚約でしたが、婚姻すれば伯爵家の大切なお金が無駄に消えてしまいます。婚姻している間ずっとです。
ですので、どの角度から見てもレイノルズ公爵令息の瑕疵で契約をなくしたいのです。
そのために不貞を注意することを止めて、静観しております。
今回も無許可で忍び込んだだろうと思いましたので、敢えて興奮させて手を出させたのです。見事に大勢の前で暴力を振るいました。
多くの目撃者ができて満足ですわ!」
「すぐに破棄すればいいだろう」
「それだけでは生温いのです。破滅まで…自滅まで待ちます。卒業までに決着がつきますわ」
「ハハッ、生温いか」
「はい!
エリオット様は最後まで反対なさっていましたが間際に私が制してしまいました。お許しください」
「……」
「エリオット様だってご友人との大切な学園生活を送りたかったはずですのに、私と出会ってしまったが為に、この半年程、毎日学食を共にし、不義理な婚約者と、その浮気相手から守ってくださいました。
毎日、食事代を払ってくださり、ご自身のデザートもくださいました。
とても心強くて楽しい半年が過ごせました。
そしてこれから半年、公爵令息のいない平和な学校生活を約束されたのです。
卒業まで、近寄ることができない素晴らしい罰も課していただけました。
優しくて素敵な殿下と共に過ごす事を、陛下と王太子殿下がお許しくださったおかげでございます。ありがとうございました。
ただ、今思うと、エリオット殿下のお立場を考えれば、手出し無用などと強いてしまった事を反省しております。浅慮でございました」
「よく分かった。
エリオット、すまなかった。
ニーナ嬢の為にあの場を我慢したのだな。
毎日守っていたのか。よくやったぞ」
「後1年、側で守れたらと悔しくてなりません」
「留年するわけにはいかないから仕方ない。
後のことは任せて、ニーナ嬢を送って来い」
「エリオット殿下の卒業パーティが…」
「ダンスは終わった。もう居なくていい。送るよ」
「…お言葉に甘えさせていただきます。
陛下、失礼致します」
「明日にでも、再度医師に診てもらえ」
「はい。そう致します」
馬車の中で。
「ごめんなさい、エリオット様」
「謝るな。私の方が感謝している」
「?」
「ニーナが大袈裟に言ってくれたおかげで、初めて陛下から謝られ、褒められた」
「大袈裟じゃないわ」
「デザートは半分交換だ。全部あげていない」
「ふふっ、細かいわね」
「でも、もうニーナが暴力を振るわれるのを黙って見ているなんてしない」
「嫌な思いをさせてごめんなさい」
「あれで最後にしてくれ」
「分かったわ。アイツ限定だけど」
「誰が相手でもだ!」
「ええ~」
エリオットから贈られたドレスを着ている。
たくさん持っているから贈ってくれなくて良かったのに。
しかも、エリオットの瞳の色のドレスなんて…。
校長と陛下の挨拶が終わり、ダンスの時間になった。
成績の上位者のグループから踊る。
一度に全員は無理だからね。
「ニーナとダンスは初めてだな」
「そうですね」
「お忍びも何度か行ったのにな」
「お忍びでダンスはしませんよ」
「…私は妾の子だ。王族に金で買われた母は妾になってひたすら妊娠した。
出産、流産、流産、流産、出産。
最後が私で産後に死んだ。
母は愛されなかったし、人権も無かった。
子を孕み産む道具だ。
同腹の第一王女は不要な王女として、他国に送られた。私は念のための予備だ。
レオナルド兄上やクロエ姉上のように陛下に愛されなかった。
ずっと憤りと悲しみを抱えて生きて来たが、母の元専属侍女に全てを聞いて納得した。
愛されるわけがないと。
そのうち城を追い出されるだろうと思っていたらニーナが現れた。
君は差別せず私をひとりの人間として扱ってくれた。
頼り感謝もしてくれた。稀に喧嘩もしたが、楽しい日々を送れた。
毎日のランチの時間は、すぐに私の為の時間となった。心から感謝している。
側にいて守ってあげられないのがこんなに悔しくなるとは思ってもいなかった。
これからも遊びと訓練に来るのだろう?
私との時間も作って欲しい。友人ニーナ」
びっくりした。エリオット様がそんな立場で、そんなことを思っていて、そういうふうに言ってくれるとは。
「はい。是非お願いします。
だけど、エリオット様に婚約者ができたり、私がアレと縁を切って父が別の婚約者を連れて来たら、婚約者を交えた友人関係にしましょう。そうでなければ、私達もアレと同じに見られてしまいますから」
「そうだな」
なんでそんな悲しそうな顔をするの?
「エリオット様?」
「次の候補はいるのか」
「さぁ、全て父にお任せしますから」
「そうか。好きな男はいないのか」
「異性としてはおりません。
エリオット様は?」
「陛下次第になるだろうな」
「1年後にはクロエ様とケイン兄様の婚姻ですね」
「レオナルド兄上もな」
「えっ!」
「後1年以内に懐妊しなければ、どこかの令嬢を娶らなくてはならない。もし、懐妊しても産まれたのが男児でなければ娶ることになる」
「お世継ぎ問題か…お兄ちゃん大丈夫なのかなぁ」
「大丈夫だろう。王太子妃は政略結婚だ。また愛のない花嫁を迎えるだけだ」
魂が違うの!
ダンスを終え、軽く食事をしていると、
「イリス伯爵令嬢!!」
はぁ…
「(私、戦えますから見ていてください)」
「(しかし…)」
「返事くらいしろ!」
「何でしょう」
「お前はまたパトリシアを虐めたそうだな!食堂で皆のいる前で侮辱し泣かせたそうじゃないか!
しかも婚約者がいるのに、他の男とパーティに来るなどアバズレもいいところだ!!」
あ~、言っちゃったよ。
「食堂で泣かせたのは私だ。子爵令嬢が誘いをかけてきてな。レイノルズ公爵令息の手垢が隅々までついた女など気持ち悪いから断った。問題があるか?」
「なっ!」
「公爵令息様、パートナーのルールは学校が決めたものですわ。不服があるなら学校に申し立ててください。私の他にも、この会場には貴方の仰るアバズレが複数おりますのよ?学校のルールに従って」
「そんなことは関係ない!お前と私の問題だ」
「具体的には?」
「婚約者だ」
「だから?」
「不貞だろう!」
「貴方がね。そもそも先輩方の大切な記念の日となる卒業パーティで騒ぎを起こすなど、呆れますわね。
それにどうやって忍び込んだのでしょう。
貴方もパートナーになっていない限り入場出来ないはずですよ?」
「生意気な女め!躾が必要だ!来い!」
さっと伸びた手を避ける。
「このっ!」
よし、チャンス!
興奮したクズに敢えて暴力を振るわれることにした。
クズは私の髪を掴み強く引っ張って引き倒した。
「きゃあ!」
「ニーナ!大丈夫か!
貴様!」
「エリオット!ストップ!」
「ニーナ!止めるな!」
「これはどういうことだ」
国王陛下が間に入るとは…。
エリオット様に抱き起こされた。
「エリオット。説明しろ」
「おそらく無許可で侵入したレイノルズ公爵令息が、ニーナに言いがかりをつけ、興奮してニーナの髪を掴み引き倒しました。
彼の右手にはニーナから引き抜いた髪が残っています」
「っ!」
「校長」
「見ていたぞ、レイノルズ殿。正式な書面は公爵家へ届けさせるが、君は進級初日から半年間の停学だ。自宅で謹慎し、一歩も外に出るな。定期テストは私と教師で公爵邸に出向いて実施する。
テストで赤点をとったり、半年間一歩でも外に出たら退学だ。
冠婚行事は事前に許可をとれ。葬祭行事は行った下門に後日調査に出向く」
「そんな馬鹿なことを」
「馬鹿はどっちだ!其方の素行は知っている!
自分の素行を棚に上げて、学校のルールに従ってボランティアをしている己の婚約者に公衆の面前で暴力を振るった!
今日の卒業パーティは卒業生にとって一生に一度の行事だ!それを其方は台無しにしたんだ!しかも不法侵入でな!
一発退学でもいいくらいだ!」
「っ!!」
「それと、在籍期間中、学校の敷地内でイリス伯爵令嬢に接触することを禁じる!
クラスも違うし、授業が被ることはない。
そうだな、停学が解けたら伯爵令嬢とは、其方の身長の3倍の距離をとるよう命じる」
「くっ!」
「王家からは公爵家と伯爵家双方に婚約の一時停止を命じる。卒業まで婚約者を名乗らず、義務も互いに課すことのないように。
もちろん、たった今から伯爵家からの支援金は停止だ」
「陛下!!横暴です!!」
「…怖いもの知らずに育てたものだな。
大勢の前で暴力を振るった時点で婚約破棄になるのが普通だ。
どこまでおめでたい頭をしているのだ。
この愚か者を追い出せ!!」
クズが引き摺られて行くわ!さようなら~!
「校長、パーティの続きを頼む。
エリオット、ニーナ嬢。別室へ行こう」
別室へ移ると校医が来て診察してくれた。
「少しの打ち身と髪を引っ張られて、髪を少し引き抜かれたので血が少し」
「大丈夫ですわ。ありがとうございました」
「エリオット、お前が側にいながらどういうことだ!お前のパートナーをしてくれていたのだろう!」
エリオット様が拳を握りしめている!
私は陛下の前に膝をついた。
「国王陛下、口を挟むことをお許しください」
「立ってくれ。引き倒されたばかりであろう」
陛下が手を取って立ち上がらせて、ソファに座らせてくれた。
「申してみよ」
「感謝いたします。
実は、手出し無用と私がエリオット殿下に頼んだのです」
「何故だ」
「私は不誠実なレイノルズ公爵令息とは婚姻したくございません。私が望んだ婚約でしたが、婚姻すれば伯爵家の大切なお金が無駄に消えてしまいます。婚姻している間ずっとです。
ですので、どの角度から見てもレイノルズ公爵令息の瑕疵で契約をなくしたいのです。
そのために不貞を注意することを止めて、静観しております。
今回も無許可で忍び込んだだろうと思いましたので、敢えて興奮させて手を出させたのです。見事に大勢の前で暴力を振るいました。
多くの目撃者ができて満足ですわ!」
「すぐに破棄すればいいだろう」
「それだけでは生温いのです。破滅まで…自滅まで待ちます。卒業までに決着がつきますわ」
「ハハッ、生温いか」
「はい!
エリオット様は最後まで反対なさっていましたが間際に私が制してしまいました。お許しください」
「……」
「エリオット様だってご友人との大切な学園生活を送りたかったはずですのに、私と出会ってしまったが為に、この半年程、毎日学食を共にし、不義理な婚約者と、その浮気相手から守ってくださいました。
毎日、食事代を払ってくださり、ご自身のデザートもくださいました。
とても心強くて楽しい半年が過ごせました。
そしてこれから半年、公爵令息のいない平和な学校生活を約束されたのです。
卒業まで、近寄ることができない素晴らしい罰も課していただけました。
優しくて素敵な殿下と共に過ごす事を、陛下と王太子殿下がお許しくださったおかげでございます。ありがとうございました。
ただ、今思うと、エリオット殿下のお立場を考えれば、手出し無用などと強いてしまった事を反省しております。浅慮でございました」
「よく分かった。
エリオット、すまなかった。
ニーナ嬢の為にあの場を我慢したのだな。
毎日守っていたのか。よくやったぞ」
「後1年、側で守れたらと悔しくてなりません」
「留年するわけにはいかないから仕方ない。
後のことは任せて、ニーナ嬢を送って来い」
「エリオット殿下の卒業パーティが…」
「ダンスは終わった。もう居なくていい。送るよ」
「…お言葉に甘えさせていただきます。
陛下、失礼致します」
「明日にでも、再度医師に診てもらえ」
「はい。そう致します」
馬車の中で。
「ごめんなさい、エリオット様」
「謝るな。私の方が感謝している」
「?」
「ニーナが大袈裟に言ってくれたおかげで、初めて陛下から謝られ、褒められた」
「大袈裟じゃないわ」
「デザートは半分交換だ。全部あげていない」
「ふふっ、細かいわね」
「でも、もうニーナが暴力を振るわれるのを黙って見ているなんてしない」
「嫌な思いをさせてごめんなさい」
「あれで最後にしてくれ」
「分かったわ。アイツ限定だけど」
「誰が相手でもだ!」
「ええ~」
735
あなたにおすすめの小説
幼馴染最優先の婚約者に愛想が尽きたので、笑って家出しました ― 笑顔で去っただけなのに、なぜ泣いているのですか
ラムネ
恋愛
侯爵令嬢リオナは、婚約者アルベルトが「幼馴染が可哀想だから」と約束を破り続ける日々に耐えていた。領地再建の帳簿も契約も、実はリオナが陰で支えていたのに、彼は「君は強いから」と当然のように扱う。決定的な侮辱の夜、リオナは怒らず泣かず、完璧な笑顔で婚約指輪だけを返して屋敷を去った――引継ぎは、何一つ残さずに。
翌日から止まる交易、崩れる資金繰り、露出する不正。追いすがるアルベルトを置き去りに、リオナは王立監査院の臨時任官で辺境へ。冷徹と噂される監察騎士レオンハルトと共に、数字と契約で不正を断ち、交易路を再生していく。
笑顔で去っただけなのに、泣くのは捨てた側だった。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、戻らなかっただけです
鷹 綾
恋愛
王太子カイル殿下から、社交界の場で婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リュシエンヌ。
理由は――
「王太子妃には華が必要だから」。
新たに選ばれたのは、愛らしく無邪気な義妹セシリア。
誰もが思った。
傷ついた令嬢は泣き、縋り、やがて戻るのだと。
けれどリュシエンヌは、ただ一言だけ告げる。
「戻りません」
彼女は怒らない。
争わない。
復讐もしない。
ただ――王家を支えるのをやめただけ。
流通は滞り、商会は様子を見始め、焦った王太子は失点を重ねる。
さらに義妹の軽率な一言が決定打となり、王太子妃候補の座は静かに消えた。
強いざまあとは、叫ぶことではない。
自らの選択で、自らの立場を削らせること。
そして彼女は最後まで戻らない。
支えない。
奪わない。
――選ばれなかったのではない。
彼女が、選ばなかったのだ。
これは、沈黙で勝つ公爵令嬢の物語。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる