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最後の攻略対象
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昨日から気配がする。
どこからか視線を感じる。
感じ取れるけど、どこからかは分からない。
成功しないかも知れないけど夜に勝負をかけよう。
普通に過ごし、就寝の為に灯りを消した。
よし、気配がある!
「いるんでしょう」
「……」
「私はこのまま動かないから出てきて」
「……」
「今は行動観察の依頼なのよね」
「……」
「ヤニス」
「 !! 」
「ヤニス、よく聞いて。
貴方の所属する組織が貴方の弟を養っていると思っているのよね?」
「……」
「明日、弟がいると言われている共同施設に前触れ無しで花を持って行ってみるといいわ。聞いて知っていますという態度で行けば騙せると思うから。
“ジェシーの墓に花を添えに来た、墓は何処か”と」
「 !! 」
「ジェシーは入居して1ヶ月もしないうちに死んだわ。誤飲による窒息死だったはず。
貴方を無償で働かせたくて騙しているのよ」
「…証拠は」
「かわいそうに思った女の子が埋葬の時にジェシーの持っていた人形を一緒にしたから、掘り起こせば小さなままの遺骨と人形があるはずよ。
だけど、掘り起こさない方がいいわ」
「……」
「この先、私の学校で卒業パーティがあるの。その帰り道に事故に見せかけて私を殺せと命じられるはずよ。
依頼主はロバート・レイノルズ。
公爵家の嫡男だから組織は引き受けた。だから貴方が監視をしている。
素行に問題が見つかれば追加の手当がもらえるからね。
でも、不貞をして裏切ったのはロバートで公爵家は無事では済まない。
支払いしてもらえるかしら。
金蔓を殺そうとするなんて、依頼する方も受ける方も愚かよね。
事が起きれば王家が動くわよ。第一容疑者はロバートよ。あいつはすぐ口を割るわ。
組織は泥舟に乗ったのよ。貴方を騙し巻き込んで」
「嘘なら戻って殺す」
「花束にするのよ!」
去っていったけど、不安だ。
ヤニスの物語が変わっていませんように!
よく眠れぬ日々を過ごすこと10日。
就寝時に窓がノックされた。
窓の鍵を外し開けると青年がいた。
乙女ゲームでは黒塗りの人型で出てきていたから顔までは知らなかった。
「ニーナ」
「ヤニス?
入って」
椅子に座らせ、私はベッドに腰をかけた。
「行ってきたのね」
「…何故知っていた」
「途中の未来まで、私に関わることを知っているの。予知夢だとでも思ってくれていいわ。本当は複雑だから説明はやめておくわね」
「バカ正直だな」
「貴方に信用されなくなるでしょう?」
「…あの蹴り技もそのせいか」
「そうよ」
「お前の暗殺命令は上層部で止まっていて、俺まできていない。実行日の間際に言うつもりなのか、依頼主の合図を待っているのかも分からない」
「ヤニスはどうしたいの?
……お兄ちゃんに任せてみる?」
「王太子か」
「彼も予知夢を見ているのよ」
「……」
「明日、学校が終わったら馬車で王宮に行くから一緒に行きましょう。
従者と言って忍び込みましょう!」
「何が目的だ」
「だって許せないでしょう?家族を養っている振りをしてタダ働きさせるなんて!
壊滅して、ジェシーのお墓を移してあげないと」
「何故そこまでするんだ。お前には関係ないだろう」
「言ったでしょう!私に関わることを知っていると。つまり、ヤニスは私の未来の一部なの!」
「……服はそれらしいものを着ていく」
「明日学校で待っているからね。着替えと運動着も持ってきてね!」
「え?」
「折角ヤニスがいるんだから、鍛錬が楽しくなるわ!」
「……あんな蹴りは出来ない」
「ふふっ」
翌日学校が終わると、馬車乗り場のベンチにヤニスが座っていた。
紺色の髪にブルーの瞳。なかなかの美男子だ。
「お待たせ」
「お嬢様。お鞄をこちらへ」
「ちょっと怖い!」
「何で夜中が良くてこれが怖いんだよ」
「そうそう、それが安心だわ」
「……」
馬車を走らせて城門をくぐる。
「いいのかニーナ」
「今更」
「姿を消すこともできる」
「私は選択した。後は貴方が選択するだけ。貴方は自由よ、ヤニス」
「ヤニスは組織での名前だ。俺はジスラン」
「ジスラン」
「はぁ~」
「緊張してるのね」
手を繋いであげよう。
「なっ!」
「大丈夫。一緒にいるわ」
「暗殺命令があるのに呑気なもんだ」
「私だって不安なのよ」
ギュッ
「やっぱり優しいのね」
「放せ!」
「お兄ちゃんが心配するだろうなぁ~私が涙浮かべていたら」
「お前!」
「さぁ、着いたわよ!」
「……ニナ、その男は誰だ」
「待ち人よ」
「手を放せ」
「…ニーナ。どっちにしろ俺は怒られるのか?」
「ふふっ」
「ニナ!」
「3人だけで話したい」
応接間で人払いがされ、彼がヤニスで、弟のことなどを話してあると説明した。
「確かに待ち人だな」
「……」
「ロバートは賢くないから作戦は決行されるだろう。ヤニスが引き受けてくれ。狙っている振りをしてニナの側にいろ」
「信用なさるのですか」
「ニナがそうしたいと望んでるし、他の暗殺者を寄越される方が面倒だ。
そっちの決行は卒業パーティの日を指定されるだろう。その日に組織を壊滅させる。
情報を寄越せ」
「はぁ~。王都の地図と、王都から500キロ内の地図をください」
ジスラン(ヤニス)は本部、支部、隠れ家、幹部の自宅、共同施設、訓練施設などを教えてくれた。
どこからか視線を感じる。
感じ取れるけど、どこからかは分からない。
成功しないかも知れないけど夜に勝負をかけよう。
普通に過ごし、就寝の為に灯りを消した。
よし、気配がある!
「いるんでしょう」
「……」
「私はこのまま動かないから出てきて」
「……」
「今は行動観察の依頼なのよね」
「……」
「ヤニス」
「 !! 」
「ヤニス、よく聞いて。
貴方の所属する組織が貴方の弟を養っていると思っているのよね?」
「……」
「明日、弟がいると言われている共同施設に前触れ無しで花を持って行ってみるといいわ。聞いて知っていますという態度で行けば騙せると思うから。
“ジェシーの墓に花を添えに来た、墓は何処か”と」
「 !! 」
「ジェシーは入居して1ヶ月もしないうちに死んだわ。誤飲による窒息死だったはず。
貴方を無償で働かせたくて騙しているのよ」
「…証拠は」
「かわいそうに思った女の子が埋葬の時にジェシーの持っていた人形を一緒にしたから、掘り起こせば小さなままの遺骨と人形があるはずよ。
だけど、掘り起こさない方がいいわ」
「……」
「この先、私の学校で卒業パーティがあるの。その帰り道に事故に見せかけて私を殺せと命じられるはずよ。
依頼主はロバート・レイノルズ。
公爵家の嫡男だから組織は引き受けた。だから貴方が監視をしている。
素行に問題が見つかれば追加の手当がもらえるからね。
でも、不貞をして裏切ったのはロバートで公爵家は無事では済まない。
支払いしてもらえるかしら。
金蔓を殺そうとするなんて、依頼する方も受ける方も愚かよね。
事が起きれば王家が動くわよ。第一容疑者はロバートよ。あいつはすぐ口を割るわ。
組織は泥舟に乗ったのよ。貴方を騙し巻き込んで」
「嘘なら戻って殺す」
「花束にするのよ!」
去っていったけど、不安だ。
ヤニスの物語が変わっていませんように!
よく眠れぬ日々を過ごすこと10日。
就寝時に窓がノックされた。
窓の鍵を外し開けると青年がいた。
乙女ゲームでは黒塗りの人型で出てきていたから顔までは知らなかった。
「ニーナ」
「ヤニス?
入って」
椅子に座らせ、私はベッドに腰をかけた。
「行ってきたのね」
「…何故知っていた」
「途中の未来まで、私に関わることを知っているの。予知夢だとでも思ってくれていいわ。本当は複雑だから説明はやめておくわね」
「バカ正直だな」
「貴方に信用されなくなるでしょう?」
「…あの蹴り技もそのせいか」
「そうよ」
「お前の暗殺命令は上層部で止まっていて、俺まできていない。実行日の間際に言うつもりなのか、依頼主の合図を待っているのかも分からない」
「ヤニスはどうしたいの?
……お兄ちゃんに任せてみる?」
「王太子か」
「彼も予知夢を見ているのよ」
「……」
「明日、学校が終わったら馬車で王宮に行くから一緒に行きましょう。
従者と言って忍び込みましょう!」
「何が目的だ」
「だって許せないでしょう?家族を養っている振りをしてタダ働きさせるなんて!
壊滅して、ジェシーのお墓を移してあげないと」
「何故そこまでするんだ。お前には関係ないだろう」
「言ったでしょう!私に関わることを知っていると。つまり、ヤニスは私の未来の一部なの!」
「……服はそれらしいものを着ていく」
「明日学校で待っているからね。着替えと運動着も持ってきてね!」
「え?」
「折角ヤニスがいるんだから、鍛錬が楽しくなるわ!」
「……あんな蹴りは出来ない」
「ふふっ」
翌日学校が終わると、馬車乗り場のベンチにヤニスが座っていた。
紺色の髪にブルーの瞳。なかなかの美男子だ。
「お待たせ」
「お嬢様。お鞄をこちらへ」
「ちょっと怖い!」
「何で夜中が良くてこれが怖いんだよ」
「そうそう、それが安心だわ」
「……」
馬車を走らせて城門をくぐる。
「いいのかニーナ」
「今更」
「姿を消すこともできる」
「私は選択した。後は貴方が選択するだけ。貴方は自由よ、ヤニス」
「ヤニスは組織での名前だ。俺はジスラン」
「ジスラン」
「はぁ~」
「緊張してるのね」
手を繋いであげよう。
「なっ!」
「大丈夫。一緒にいるわ」
「暗殺命令があるのに呑気なもんだ」
「私だって不安なのよ」
ギュッ
「やっぱり優しいのね」
「放せ!」
「お兄ちゃんが心配するだろうなぁ~私が涙浮かべていたら」
「お前!」
「さぁ、着いたわよ!」
「……ニナ、その男は誰だ」
「待ち人よ」
「手を放せ」
「…ニーナ。どっちにしろ俺は怒られるのか?」
「ふふっ」
「ニナ!」
「3人だけで話したい」
応接間で人払いがされ、彼がヤニスで、弟のことなどを話してあると説明した。
「確かに待ち人だな」
「……」
「ロバートは賢くないから作戦は決行されるだろう。ヤニスが引き受けてくれ。狙っている振りをしてニナの側にいろ」
「信用なさるのですか」
「ニナがそうしたいと望んでるし、他の暗殺者を寄越される方が面倒だ。
そっちの決行は卒業パーティの日を指定されるだろう。その日に組織を壊滅させる。
情報を寄越せ」
「はぁ~。王都の地図と、王都から500キロ内の地図をください」
ジスラン(ヤニス)は本部、支部、隠れ家、幹部の自宅、共同施設、訓練施設などを教えてくれた。
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