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吉報
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卒業2ヶ月前。
エリオット様から手紙が届いた。
私の卒業パーティのパートナーだ。ボランティアで済まそうかなと思っていたところだった。父の許可が出たので受けると返事を出した。ドレスはあるものを着るからと先手を打った。
ロバートは接近禁止令が解けていないからパートナーにはなり得ないしね。
それにイベントをやらかしてくれるはず!
もうこちらは準備が整っていて、後はロバートの自爆待ちだ。
そして王宮へお泊まりの日、王太子妃様に呼ばれた。
「えっ!」
「シーッ!!」
「(おめでた!?本当ですか!?)」
「(そうなの。止まったのは精神的なものかと思っていたのだけど、違ったわ。2ヶ月くらいらしいの)」
「(安静にしてなくちゃいけない時期じゃないですか!)」
「(無事産まれたら、貴女の甥か姪ね)」
「えっ」
「認めたの。彼はレオ様だって。貴女は義妹になるのね」
「はい。…おめでとうございます。
この件はどこまで知られていますか?」
「王族と医師と助手、専属侍女よ。
安定期に入ったら公表するわ」
「分かりました」
「そういえば、ドレス断ったと聞いたわ」
「はい」
「作らせてあげて」
「家にありますから」
「第二王子殿下の為に作らせてあげて。
甲斐性なしだと思われてしまうわ。
いいわね!?」
「はい」
その後、流作業のように採寸された。
今日はケイン兄様も来ていた。
結婚前の準備があるらしい。
午後のお茶の時間後にクロード様とライアン様に蹴り技の伝授をする為、同じ技を何度も見せていたところにクロエ様とケイン兄様が来た。
「想像以上だな」
ケイン兄様に見せたことがなかったからだ。
クロエ様やイリス邸の使用人から言葉で聞いていたが想定外の動きだったようだ。
「お兄様もやりますか?」
「できるか!」
晩餐中。
「どうも腑に落ちない。
ニーナじゃないみたいだ」
「私が教えているから当然だ。
素質があって、本人が興味を示し、努力しただけだ。な、ニナ」
「お兄ちゃん、辛くない方取って」
「聞いちゃいないな。ほら、よく噛んで食べろよ」
「……」
「仕方ない。切ってやるから」
「自分でできるけど、お願い」
「この間、肉を散歩に出していたからな」
「まだ生きてたの!」
「止めろ!食えなくなる!」
「……クロエ、私は夢の中にいるようだ」
「ケイン様、現実ですわ」
「登城したときはいつもこうなのか?」
「そうですね」
「倒れたい……」
「お兄様が望まれているのですからいいのです。父上も母上も何もいいませんから」
「でもなぁ」
「ニーナ、半分個するか」
「エリオット様がいない学校は寂しいです」
「毎日半分個してたからな」
「食堂のおば様達も寂しがってましたよ」
「料理人と同じなのか」
「?」
「今日は魚じゃないんだな」
「お兄ちゃんがいますから」
「切ってもらう気だったか」
「へへっ」
「ニーナ!甘え過ぎだ!」
「ニナ。気にするな。私がいいと言ったのだからな。外では猫を被れよ」
「猫は自由気まま様だけど?」
「犬を被れ」
「猛犬だったりして」
「お仕置きがまっているだけだがな」
「王太子妃様ぁ~!」
「あらあら、今日は私の部屋に来る?」
「いいのですか?」
「おしゃべりしましょうね」
「え~私も…」
「クロエ様はお兄様と寝るんですよね?」
「なっ!」
「ニーナ!寝るわけないだろう!」
「ふ~ん」
「ニーナ、ここでは自由で良かったな」
「私の勘違いでした!」
「そうだよな!」
エリオット様から手紙が届いた。
私の卒業パーティのパートナーだ。ボランティアで済まそうかなと思っていたところだった。父の許可が出たので受けると返事を出した。ドレスはあるものを着るからと先手を打った。
ロバートは接近禁止令が解けていないからパートナーにはなり得ないしね。
それにイベントをやらかしてくれるはず!
もうこちらは準備が整っていて、後はロバートの自爆待ちだ。
そして王宮へお泊まりの日、王太子妃様に呼ばれた。
「えっ!」
「シーッ!!」
「(おめでた!?本当ですか!?)」
「(そうなの。止まったのは精神的なものかと思っていたのだけど、違ったわ。2ヶ月くらいらしいの)」
「(安静にしてなくちゃいけない時期じゃないですか!)」
「(無事産まれたら、貴女の甥か姪ね)」
「えっ」
「認めたの。彼はレオ様だって。貴女は義妹になるのね」
「はい。…おめでとうございます。
この件はどこまで知られていますか?」
「王族と医師と助手、専属侍女よ。
安定期に入ったら公表するわ」
「分かりました」
「そういえば、ドレス断ったと聞いたわ」
「はい」
「作らせてあげて」
「家にありますから」
「第二王子殿下の為に作らせてあげて。
甲斐性なしだと思われてしまうわ。
いいわね!?」
「はい」
その後、流作業のように採寸された。
今日はケイン兄様も来ていた。
結婚前の準備があるらしい。
午後のお茶の時間後にクロード様とライアン様に蹴り技の伝授をする為、同じ技を何度も見せていたところにクロエ様とケイン兄様が来た。
「想像以上だな」
ケイン兄様に見せたことがなかったからだ。
クロエ様やイリス邸の使用人から言葉で聞いていたが想定外の動きだったようだ。
「お兄様もやりますか?」
「できるか!」
晩餐中。
「どうも腑に落ちない。
ニーナじゃないみたいだ」
「私が教えているから当然だ。
素質があって、本人が興味を示し、努力しただけだ。な、ニナ」
「お兄ちゃん、辛くない方取って」
「聞いちゃいないな。ほら、よく噛んで食べろよ」
「……」
「仕方ない。切ってやるから」
「自分でできるけど、お願い」
「この間、肉を散歩に出していたからな」
「まだ生きてたの!」
「止めろ!食えなくなる!」
「……クロエ、私は夢の中にいるようだ」
「ケイン様、現実ですわ」
「登城したときはいつもこうなのか?」
「そうですね」
「倒れたい……」
「お兄様が望まれているのですからいいのです。父上も母上も何もいいませんから」
「でもなぁ」
「ニーナ、半分個するか」
「エリオット様がいない学校は寂しいです」
「毎日半分個してたからな」
「食堂のおば様達も寂しがってましたよ」
「料理人と同じなのか」
「?」
「今日は魚じゃないんだな」
「お兄ちゃんがいますから」
「切ってもらう気だったか」
「へへっ」
「ニーナ!甘え過ぎだ!」
「ニナ。気にするな。私がいいと言ったのだからな。外では猫を被れよ」
「猫は自由気まま様だけど?」
「犬を被れ」
「猛犬だったりして」
「お仕置きがまっているだけだがな」
「王太子妃様ぁ~!」
「あらあら、今日は私の部屋に来る?」
「いいのですか?」
「おしゃべりしましょうね」
「え~私も…」
「クロエ様はお兄様と寝るんですよね?」
「なっ!」
「ニーナ!寝るわけないだろう!」
「ふ~ん」
「ニーナ、ここでは自由で良かったな」
「私の勘違いでした!」
「そうだよな!」
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