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ベレニスとジョルジーヌ 3
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【 ジョルジーヌの視点 】
女子会はとても楽しかった。
何度か話をしていて、この前は娼婦の実情を聞かれたので話したが、女子会は友人のお喋りといった感じでどうでもいいことから内緒話までした。
私はあの人のことを話した。
『私は13歳からゾルドフ侯爵の専属なのです』
『は!? 13!?』
ティーティア様は話が大人びていて男女のことも知っていた。だからといって10歳の少女に話すことじゃないのは分かっているのだけど……
『ゾルドフ侯爵はいきなり男性器を挿入して痛みを感じさせるのが好きなようで初めての日からずっと』
『は!? 前戯無し!?』
『私はゾルドフ侯爵の息子にやられました。
ジョルジーヌが前もって準備してくれたから耐えられましたが、ジョルジーヌの時はそれはもう酷かったのです。医者を呼んで一ヶ月療養しなきゃならなかったくらい』
『医者の名前を覚えていますか?』
『チェスター先生と呼ばれていました。
50歳くらいかしら。もうだいぶ髪が無くなってしまって、長身で細身で右の瞼に大きなホクロがあります』
『侯爵の息子は何歳もしくは名前を言っていませんでしたか?』
『イーデルと呼ばれていました』
そのまま違う話題で時間はあっという間に過ぎた。
王女を迎えると、笑いを堪えるのが大変だった。あまりにも順調であまり私達の出番が少なかった。
王女は逃げ帰ってしまった。
もうここでの生活は終わりか。
『もうティーティア様と会えないね』
『そうね』
ベレニスも寂しそうだった。
娼館に戻って数日後の朝、また宰相補佐が迎えにきた。
『突然で申し訳ありませんが国王陛下が面会を希望なさっております』
私もベレニスも困惑した。だが行くしかないだろう。
城に着くと厳重な警備がなされてる場所に入り込んだ。案内があるから大丈夫だろうと思うけど不安だった。
部屋に入ると国王陛下、宰相様がいらした。
『ジョルジーヌ、ベレニス。
ティーティア・ヴェリテに今回の褒美を与えようとした結果、其方達の借金の返済にして欲しいと申し出があった』
!!
『欲しいものは溺愛する伯爵が買うから特に欲しい物が無いようだ。
其方達に聞きたいのは、借金が無くなったらどうしたい? 当面生活に困らない資金もあったらどうだ』
『わ、分かりません。考えたこともありませんでした』
『私も分かりません』
『一ヶ月後にまた尋ねるからそれまでに答えを用意しておくように』
『感謝いたします』
『感謝いたします』
娼館に戻り、ベレニスと話し合った結果、仕事を探すことにした。
午前中、街に出て求人を探しても二人一緒に採用してくれるところは無かった。
別々でも一緒に暮らせたら。
だけど王都で二人で部屋を借りるとなるとある程度の給料が必要になる。
できれば住み込みが良かったが、屋敷のメイドは未経験者には厳しいものだった。
特に元娼婦は。
あっという間に一ヶ月が経ち、また陛下に同じことを尋ねられた。
『王都で働きたいとは思っておりますが、部屋を借りるにも高く、生活を維持できる求人がありません。特に元娼婦だと知ると直ぐ不採用を言い渡されてしまいます』
陛下と宰相様が小声で話し合っていた。
『王都の外れに安い宿がある。そこで数ヶ月滞在しながら探すといい。
駄目な時は何処かの土地へ移り住むのも良かろう。
まずは三日後、娼館に借金を払いに行く。荷物をまとめて置くように。そのまま宿に案内しよう。
半年間の宿代と5年間平民の暮らしができる金を渡す。少し纏まった金を渡して、残りは銀行へ預ける。其方達の口座だ。
宿に案内する前に手続きのために銀行へ寄らせよう。
あと、ティーティアと連絡を取ってみるといい』
『ご迷惑になってしまいます』
『そうかな?とにかく言われた通りにしてくれ。これが住所だ。文字は分かるな』
『難しくなければ分かります』
『とにかく、手紙を出せ』
『はい』
三日後、本当に宰相補佐がやってきて、鞄を運ばせると支配人にお金を支払った。
『これで二人は自由ですね?』
『はい。間違いなく。
こちらが借用書と契約書です』
『支配人、デボラ様、お世話になりました』
『支配人、デボラ様、ありがとうございました』
『もう戻るんじゃないぞ』
『そうだよ。幸せにおなり』
『ううっ…』
『泣くんじゃないよ。化粧が崩れるだろう』
『デボラ様がいなかったら……生きていられませんでした』
『私まで泣かすつもりだね!全くこの子達は……』
しっかりとお礼を伝えて娼館を後にした。
銀行に行くと本当に口座が用意されていて、私達が署名するだけだった。
かなりの金額だ。
その後、馬車で数十分の場所にある宿に降ろされた。ひとまず一月分の宿代が支払われていた。
宿の側から王都中心部行きの馬車が出ていて便利な宿だった。
早速ティーティア様に手紙を出した。
直ぐ返事が来て、たまに会って食事をした。
話を聞くとなんだか忙しそうだった。
王都と領地を行き来している理由を聞いたら驚いた。
10歳で商品を考えて製品化し、審査が通り少し量産しているという。
『受注ももらってもうすぐ納品だから忙しくて。お二人はどうですか』
『なかなかいい求人が見つからないし、あっても前職のせいで断られてしまうのです』
『どんな求人に応募しているのですか』
『メイド、店の従業員、などです。
基本は住み込みのものを選んでいますが、大体奥様がいらっしゃる場合は話も聞いてもらえません』
『あ~』
『ティーティア様はわかるのですか』
『多分、夫や息子が惚れてしまうと不安なのです。お二人が美しくて魅力的ですから』
『面接させてもらえても前職を申告すると断られてしまうのです。隠すことも考えましたが昔のお客様に見つかれば終わりです。
ある程度で見切りをつけて地方へ行くと思います』
『ある程度?』
『数ヶ月、就職活動の為の宿代を陛下がだしてくださいました』
『そうなのですね。
これからも時々会いませんか』
『ティーティア様にご迷惑がかからなければ』
『かかりませんわ!』
女子会はとても楽しかった。
何度か話をしていて、この前は娼婦の実情を聞かれたので話したが、女子会は友人のお喋りといった感じでどうでもいいことから内緒話までした。
私はあの人のことを話した。
『私は13歳からゾルドフ侯爵の専属なのです』
『は!? 13!?』
ティーティア様は話が大人びていて男女のことも知っていた。だからといって10歳の少女に話すことじゃないのは分かっているのだけど……
『ゾルドフ侯爵はいきなり男性器を挿入して痛みを感じさせるのが好きなようで初めての日からずっと』
『は!? 前戯無し!?』
『私はゾルドフ侯爵の息子にやられました。
ジョルジーヌが前もって準備してくれたから耐えられましたが、ジョルジーヌの時はそれはもう酷かったのです。医者を呼んで一ヶ月療養しなきゃならなかったくらい』
『医者の名前を覚えていますか?』
『チェスター先生と呼ばれていました。
50歳くらいかしら。もうだいぶ髪が無くなってしまって、長身で細身で右の瞼に大きなホクロがあります』
『侯爵の息子は何歳もしくは名前を言っていませんでしたか?』
『イーデルと呼ばれていました』
そのまま違う話題で時間はあっという間に過ぎた。
王女を迎えると、笑いを堪えるのが大変だった。あまりにも順調であまり私達の出番が少なかった。
王女は逃げ帰ってしまった。
もうここでの生活は終わりか。
『もうティーティア様と会えないね』
『そうね』
ベレニスも寂しそうだった。
娼館に戻って数日後の朝、また宰相補佐が迎えにきた。
『突然で申し訳ありませんが国王陛下が面会を希望なさっております』
私もベレニスも困惑した。だが行くしかないだろう。
城に着くと厳重な警備がなされてる場所に入り込んだ。案内があるから大丈夫だろうと思うけど不安だった。
部屋に入ると国王陛下、宰相様がいらした。
『ジョルジーヌ、ベレニス。
ティーティア・ヴェリテに今回の褒美を与えようとした結果、其方達の借金の返済にして欲しいと申し出があった』
!!
『欲しいものは溺愛する伯爵が買うから特に欲しい物が無いようだ。
其方達に聞きたいのは、借金が無くなったらどうしたい? 当面生活に困らない資金もあったらどうだ』
『わ、分かりません。考えたこともありませんでした』
『私も分かりません』
『一ヶ月後にまた尋ねるからそれまでに答えを用意しておくように』
『感謝いたします』
『感謝いたします』
娼館に戻り、ベレニスと話し合った結果、仕事を探すことにした。
午前中、街に出て求人を探しても二人一緒に採用してくれるところは無かった。
別々でも一緒に暮らせたら。
だけど王都で二人で部屋を借りるとなるとある程度の給料が必要になる。
できれば住み込みが良かったが、屋敷のメイドは未経験者には厳しいものだった。
特に元娼婦は。
あっという間に一ヶ月が経ち、また陛下に同じことを尋ねられた。
『王都で働きたいとは思っておりますが、部屋を借りるにも高く、生活を維持できる求人がありません。特に元娼婦だと知ると直ぐ不採用を言い渡されてしまいます』
陛下と宰相様が小声で話し合っていた。
『王都の外れに安い宿がある。そこで数ヶ月滞在しながら探すといい。
駄目な時は何処かの土地へ移り住むのも良かろう。
まずは三日後、娼館に借金を払いに行く。荷物をまとめて置くように。そのまま宿に案内しよう。
半年間の宿代と5年間平民の暮らしができる金を渡す。少し纏まった金を渡して、残りは銀行へ預ける。其方達の口座だ。
宿に案内する前に手続きのために銀行へ寄らせよう。
あと、ティーティアと連絡を取ってみるといい』
『ご迷惑になってしまいます』
『そうかな?とにかく言われた通りにしてくれ。これが住所だ。文字は分かるな』
『難しくなければ分かります』
『とにかく、手紙を出せ』
『はい』
三日後、本当に宰相補佐がやってきて、鞄を運ばせると支配人にお金を支払った。
『これで二人は自由ですね?』
『はい。間違いなく。
こちらが借用書と契約書です』
『支配人、デボラ様、お世話になりました』
『支配人、デボラ様、ありがとうございました』
『もう戻るんじゃないぞ』
『そうだよ。幸せにおなり』
『ううっ…』
『泣くんじゃないよ。化粧が崩れるだろう』
『デボラ様がいなかったら……生きていられませんでした』
『私まで泣かすつもりだね!全くこの子達は……』
しっかりとお礼を伝えて娼館を後にした。
銀行に行くと本当に口座が用意されていて、私達が署名するだけだった。
かなりの金額だ。
その後、馬車で数十分の場所にある宿に降ろされた。ひとまず一月分の宿代が支払われていた。
宿の側から王都中心部行きの馬車が出ていて便利な宿だった。
早速ティーティア様に手紙を出した。
直ぐ返事が来て、たまに会って食事をした。
話を聞くとなんだか忙しそうだった。
王都と領地を行き来している理由を聞いたら驚いた。
10歳で商品を考えて製品化し、審査が通り少し量産しているという。
『受注ももらってもうすぐ納品だから忙しくて。お二人はどうですか』
『なかなかいい求人が見つからないし、あっても前職のせいで断られてしまうのです』
『どんな求人に応募しているのですか』
『メイド、店の従業員、などです。
基本は住み込みのものを選んでいますが、大体奥様がいらっしゃる場合は話も聞いてもらえません』
『あ~』
『ティーティア様はわかるのですか』
『多分、夫や息子が惚れてしまうと不安なのです。お二人が美しくて魅力的ですから』
『面接させてもらえても前職を申告すると断られてしまうのです。隠すことも考えましたが昔のお客様に見つかれば終わりです。
ある程度で見切りをつけて地方へ行くと思います』
『ある程度?』
『数ヶ月、就職活動の為の宿代を陛下がだしてくださいました』
『そうなのですね。
これからも時々会いませんか』
『ティーティア様にご迷惑がかからなければ』
『かかりませんわ!』
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