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呪い返し
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まさかガロップ子爵令嬢を巻き込みながら薔薇の垣根に倒れるとは思わなかった。
私はガロップ子爵令嬢に約束を取り付けて謝罪に出向いた。
「この度は夫の不注意でガロップ子爵令嬢にお怪我を負わせてしまい、申し訳ございません」
「擦り傷ですから」
「見せていただけますか」
手に触れて、彼女にゆっくり発動する治癒魔法をかけた。3日で傷跡も無く完治するはず。
「本当にお気になさらずに」
「こちらは、お怪我とドレスのお詫びです。
お気に召すとよろしいのですが」
テーブルの上にリボンをかけた箱を置いた。
彼女は中を開けると笑みを浮かべた。
「素敵」
「こちらを付けてみてください」
黄色い石のついた髪留めを付けた。
「鏡をご確認ください」
立ち上がって鏡を確認して戻ると興奮していた。
「セヴリッジ伯爵夫人!髪も眉も睫毛も美しいブロンドになっていますわ!」
「魔法がかけられた髪留めです。外せば元に戻ります。お忍びや気分転換にどうぞ」
「こんな希少な物をいただくのは気が引けますわ」
「ツテがありますの。遠慮なくお使いいただけましたら嬉しいですわ」
「では有り難くいただきます。
…あの、伯爵とのことですが」
「ガロップ子爵令嬢が彼とお付き合いをなさりたいのでしたら、どうぞお付き合いください。私と彼の間に愛も執着も興味さえ微塵もありません」
「お付き合いはいたしません」
「そうですか。では良いご縁がありますよう祈っております」
「ありがとうございます」
ガロップ邸を出た後 お兄様に報告に寄るとリオネル殿下が手招きしていた。
「セシル」
「先日は取り乱し、大変失礼なかとを申し上げました」
「私のせいだから気にしないで欲しい。
それに君に会うと苦しみから少し解放されるんだ。本当にありがたいよ」
そうだわ。殿下はお身体も辛かったのだわ。
治してあげられたらいいのだけど、一体私の何が影響を与えているのかしら。何かしているつもりがないからさっぱり分からないわ。
「頼みがあるのだが、直接胸に触れてくれないか」
「え?」
「側にいるだけで一時的に症状が軽くなるなら、触れたらどうなるのだろうかと思ってな」
「あの、私は無自覚ですし、何が影響しているかも分からないのですよ?
悪影響が出たら大変です」
「何が起きても責任を問わないと念書を書こう。
君しか縋る相手がいないんだ。
この国の光属性の魔法使いは魔力がとても弱い。例えば神殿在籍の魔法使いは軽度の怪我を治したりする程度で、欠損は手に負えない。骨折も骨の修復をちょっと早める程度だし、病も一時的に症状を緩和するだけ。辺境と王家で囲っている魔法使いは強いと言っても、大きく効果が変わるわけではない。もちろんそれでも有難い。深い傷でなければ綺麗に治るしな。
本当はセシルに王家担当になって欲しいのだが、嫌だよな」
「私はどんな力があっても、世のため人のために使うつもりはありません。私のためだけに使います。
何故なら属性持ちの皆さんは、私を助けるどころか攻撃しましたから。もちろん国の人口でいうなら関わった人は少人数と言えますが、どこへ行っても同じだったはずです。
“助けてください”と言われても、“何故私が?”と答えるでしょう。
殿下は兄の友人ですし、病気や怪我じゃなくて呪いだから話を聞くのです。どうしようもないことで差別を受けている方だから」
「申し訳ない」
「殿下、責任を問わないという文言の他に、セシルの魔力や属性についても他言しないと書いて欲しい」
アレクセイ兄様は羊皮紙とペンを殿下に差し出した。
殿下が書き終えると、お兄様が私の手を引いて殿下の側に寄らせた。
「セシル、なんか適当に念じて触れてみろ」
「アレクセイ…」
「仕方ないだろう。セシルは無自覚で影響を与えているみたいなのだから」
「分かった。よろしく頼む」
恐る恐る 手を殿下の胸に近付けて直接素肌に触れた。
ど、どうしよう…大人の男性の胸に直接触れた事などないから緊張してしまう。
ん?
呪いのイバラの蔦が動いた気がした。
気持ち悪い…。
そうだわ。これは呪い。呪いよ無くなれ!とか念じてみる?それだけでいいの?
それともどんな呪いなのか探ったりするものなのかしら。
「あ、」
「どうした」
「蔦の元が見えます」
蔦に隠れて全く動かない塊がある。
「神様、どうかこの呪いを100倍にして かけた人に戻してください」
ふわっとあたたかい空気の流れが私と殿下を包み 金色に光った。かなり強い光で目が潰れるかと思った。
ゆっくり光が落ち着くと空気も元に戻った。
「セシル」
殿下の胸に触れていた手の上に殿下が手を乗せた。
「ありがとう!本当にありがとう!!」
イバラの蔦は消えて正常な肌に戻っていた。
「殿下、症状は?」
アレクセイ兄様が殿下に確認すると、殿下は満面の笑みで答えた。
「解き放たれた感じだ。重みも締め付け感もない。痛くもない。体の異常が全て消えて、まるで羽が生えたかのように軽い」
「殿下、数日経っても呪いが元に戻らないことを確認してから陛下にご報告をなさってください。それまでは呪いが解けていないフリをお願いします。くれぐれもセシルの名は出さないでください」
「分かった。ありがとう セシル」
「効果があって良かったですわ」
「それにしてもアレクセイが私に敬語を使うとは気持ち悪いな」
「うっかりした。
これからも王太子になるまではタメ口で対応させてもらうよ」
「国王になったら敬語を使ってもいいぞ。
私とアレクセイは大親友だからな」
「親友から大親友に昇格か。次は恋人とか言うなよ」
「やめろ。男とどうこうなるつもりはない」
お兄様と殿下がこんなに仲が良いとは知らなかった。
【 術者の視点 】
侍従やメイドが部屋を出た後、届いた手紙を手にした。蝋印は姉のエリザベスのものだ。
ペーパーナイフを手に取り、心の中で溜息を吐きながら開封した。
また催促の手紙だ。
“忌わしい鳥はいつ翅を切り落とすのか”
つまりリオネル殿下を早く殺せという催促の手紙だ。
この大陸の人間のほとんどが魔法使いとしては弱い。火種の代わりになって火魔法で薪に火をつける程度、風魔法で落ち葉を集めたり髪などを乾かす程度、水魔法で一口か二口分の水をコップに出す程度、そして私の闇魔法も苦しめる程度。
リオネル殿下が幼い頃、側妃だった姉エリザベスに呼ばれ挨拶をした。あの時に呪いをかけた。命を取る呪いなど私の手には負えない。せめて苦しみ継承権の順位を下げることしかできない。
亡くなった王妃はリオネル殿下しか授からなかった。姉は王女を産んだ後だった。最初、自分が王子を産むまでリオネル殿下を王太子にさせたくないと言って呪うよう頼まれた。だから呪った。
次に産まれたのも王女だった。
その後王妃が亡くなった後に姉が妊娠しミカエル殿下を産んだ。年齢的に最後の出産となった。
王子を産んだ姉は、リオネル殿下はいつ死ぬのかと言い出した。話が違う。でも姉の中では“呪い殺す”に変わってしまっていた。私にそんな実力は無いのに。
リオネル殿下はもう大人で優秀だ。呪いにかかっていなければ王太子になっていただろう。
陛下は決めかねている。
姉の呼び出しに応じて登城し、応接間へ向かっている途中だった。
「ぐっ!!」
突然胸が締め付けられ呼吸ができない。
うずくまると案内の使用人や近くを歩いていた者が駆け寄った。
「どうしましたか」
「大丈夫ですか」
「む…ねが…」
誰かがボタンを外し胸元を開放しようとしていた。
「うわあ!」
「の、呪いだ!」
呪い!?そんな馬鹿なっ!
案内の使用人は腰を抜かしながら私から距離を取り、通行人達も遠巻きに見る者や 逃げ出す者もいた。
「く、苦しい…」
どんどん締め付けられていく。
伸ばした手にもイバラの蔦の模様が伸びて覆ってしまった。
“呪い返し”
書物にあった文字を思い出した。
だとしたらリオネル殿下にかけた呪いは解かれ、私に返ってきたということになる。
どうやって…誰が…
「ヒューっ ヒューっ」
意識が朦朧として……
私はガロップ子爵令嬢に約束を取り付けて謝罪に出向いた。
「この度は夫の不注意でガロップ子爵令嬢にお怪我を負わせてしまい、申し訳ございません」
「擦り傷ですから」
「見せていただけますか」
手に触れて、彼女にゆっくり発動する治癒魔法をかけた。3日で傷跡も無く完治するはず。
「本当にお気になさらずに」
「こちらは、お怪我とドレスのお詫びです。
お気に召すとよろしいのですが」
テーブルの上にリボンをかけた箱を置いた。
彼女は中を開けると笑みを浮かべた。
「素敵」
「こちらを付けてみてください」
黄色い石のついた髪留めを付けた。
「鏡をご確認ください」
立ち上がって鏡を確認して戻ると興奮していた。
「セヴリッジ伯爵夫人!髪も眉も睫毛も美しいブロンドになっていますわ!」
「魔法がかけられた髪留めです。外せば元に戻ります。お忍びや気分転換にどうぞ」
「こんな希少な物をいただくのは気が引けますわ」
「ツテがありますの。遠慮なくお使いいただけましたら嬉しいですわ」
「では有り難くいただきます。
…あの、伯爵とのことですが」
「ガロップ子爵令嬢が彼とお付き合いをなさりたいのでしたら、どうぞお付き合いください。私と彼の間に愛も執着も興味さえ微塵もありません」
「お付き合いはいたしません」
「そうですか。では良いご縁がありますよう祈っております」
「ありがとうございます」
ガロップ邸を出た後 お兄様に報告に寄るとリオネル殿下が手招きしていた。
「セシル」
「先日は取り乱し、大変失礼なかとを申し上げました」
「私のせいだから気にしないで欲しい。
それに君に会うと苦しみから少し解放されるんだ。本当にありがたいよ」
そうだわ。殿下はお身体も辛かったのだわ。
治してあげられたらいいのだけど、一体私の何が影響を与えているのかしら。何かしているつもりがないからさっぱり分からないわ。
「頼みがあるのだが、直接胸に触れてくれないか」
「え?」
「側にいるだけで一時的に症状が軽くなるなら、触れたらどうなるのだろうかと思ってな」
「あの、私は無自覚ですし、何が影響しているかも分からないのですよ?
悪影響が出たら大変です」
「何が起きても責任を問わないと念書を書こう。
君しか縋る相手がいないんだ。
この国の光属性の魔法使いは魔力がとても弱い。例えば神殿在籍の魔法使いは軽度の怪我を治したりする程度で、欠損は手に負えない。骨折も骨の修復をちょっと早める程度だし、病も一時的に症状を緩和するだけ。辺境と王家で囲っている魔法使いは強いと言っても、大きく効果が変わるわけではない。もちろんそれでも有難い。深い傷でなければ綺麗に治るしな。
本当はセシルに王家担当になって欲しいのだが、嫌だよな」
「私はどんな力があっても、世のため人のために使うつもりはありません。私のためだけに使います。
何故なら属性持ちの皆さんは、私を助けるどころか攻撃しましたから。もちろん国の人口でいうなら関わった人は少人数と言えますが、どこへ行っても同じだったはずです。
“助けてください”と言われても、“何故私が?”と答えるでしょう。
殿下は兄の友人ですし、病気や怪我じゃなくて呪いだから話を聞くのです。どうしようもないことで差別を受けている方だから」
「申し訳ない」
「殿下、責任を問わないという文言の他に、セシルの魔力や属性についても他言しないと書いて欲しい」
アレクセイ兄様は羊皮紙とペンを殿下に差し出した。
殿下が書き終えると、お兄様が私の手を引いて殿下の側に寄らせた。
「セシル、なんか適当に念じて触れてみろ」
「アレクセイ…」
「仕方ないだろう。セシルは無自覚で影響を与えているみたいなのだから」
「分かった。よろしく頼む」
恐る恐る 手を殿下の胸に近付けて直接素肌に触れた。
ど、どうしよう…大人の男性の胸に直接触れた事などないから緊張してしまう。
ん?
呪いのイバラの蔦が動いた気がした。
気持ち悪い…。
そうだわ。これは呪い。呪いよ無くなれ!とか念じてみる?それだけでいいの?
それともどんな呪いなのか探ったりするものなのかしら。
「あ、」
「どうした」
「蔦の元が見えます」
蔦に隠れて全く動かない塊がある。
「神様、どうかこの呪いを100倍にして かけた人に戻してください」
ふわっとあたたかい空気の流れが私と殿下を包み 金色に光った。かなり強い光で目が潰れるかと思った。
ゆっくり光が落ち着くと空気も元に戻った。
「セシル」
殿下の胸に触れていた手の上に殿下が手を乗せた。
「ありがとう!本当にありがとう!!」
イバラの蔦は消えて正常な肌に戻っていた。
「殿下、症状は?」
アレクセイ兄様が殿下に確認すると、殿下は満面の笑みで答えた。
「解き放たれた感じだ。重みも締め付け感もない。痛くもない。体の異常が全て消えて、まるで羽が生えたかのように軽い」
「殿下、数日経っても呪いが元に戻らないことを確認してから陛下にご報告をなさってください。それまでは呪いが解けていないフリをお願いします。くれぐれもセシルの名は出さないでください」
「分かった。ありがとう セシル」
「効果があって良かったですわ」
「それにしてもアレクセイが私に敬語を使うとは気持ち悪いな」
「うっかりした。
これからも王太子になるまではタメ口で対応させてもらうよ」
「国王になったら敬語を使ってもいいぞ。
私とアレクセイは大親友だからな」
「親友から大親友に昇格か。次は恋人とか言うなよ」
「やめろ。男とどうこうなるつもりはない」
お兄様と殿下がこんなに仲が良いとは知らなかった。
【 術者の視点 】
侍従やメイドが部屋を出た後、届いた手紙を手にした。蝋印は姉のエリザベスのものだ。
ペーパーナイフを手に取り、心の中で溜息を吐きながら開封した。
また催促の手紙だ。
“忌わしい鳥はいつ翅を切り落とすのか”
つまりリオネル殿下を早く殺せという催促の手紙だ。
この大陸の人間のほとんどが魔法使いとしては弱い。火種の代わりになって火魔法で薪に火をつける程度、風魔法で落ち葉を集めたり髪などを乾かす程度、水魔法で一口か二口分の水をコップに出す程度、そして私の闇魔法も苦しめる程度。
リオネル殿下が幼い頃、側妃だった姉エリザベスに呼ばれ挨拶をした。あの時に呪いをかけた。命を取る呪いなど私の手には負えない。せめて苦しみ継承権の順位を下げることしかできない。
亡くなった王妃はリオネル殿下しか授からなかった。姉は王女を産んだ後だった。最初、自分が王子を産むまでリオネル殿下を王太子にさせたくないと言って呪うよう頼まれた。だから呪った。
次に産まれたのも王女だった。
その後王妃が亡くなった後に姉が妊娠しミカエル殿下を産んだ。年齢的に最後の出産となった。
王子を産んだ姉は、リオネル殿下はいつ死ぬのかと言い出した。話が違う。でも姉の中では“呪い殺す”に変わってしまっていた。私にそんな実力は無いのに。
リオネル殿下はもう大人で優秀だ。呪いにかかっていなければ王太子になっていただろう。
陛下は決めかねている。
姉の呼び出しに応じて登城し、応接間へ向かっている途中だった。
「ぐっ!!」
突然胸が締め付けられ呼吸ができない。
うずくまると案内の使用人や近くを歩いていた者が駆け寄った。
「どうしましたか」
「大丈夫ですか」
「む…ねが…」
誰かがボタンを外し胸元を開放しようとしていた。
「うわあ!」
「の、呪いだ!」
呪い!?そんな馬鹿なっ!
案内の使用人は腰を抜かしながら私から距離を取り、通行人達も遠巻きに見る者や 逃げ出す者もいた。
「く、苦しい…」
どんどん締め付けられていく。
伸ばした手にもイバラの蔦の模様が伸びて覆ってしまった。
“呪い返し”
書物にあった文字を思い出した。
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