59 / 173
ミーシェの婚約者?
しおりを挟む
「キャハハハハッ!」
「ミーシェ、もう一回するか?」
「ヘーカ、もう一回!」
「ライアン!ずるいぞ!出てこい!」
「エヴァン、かくれんぼなんだから出てくるわけないじゃないの」
「いつもはすぐ見つかるんだ!」
「それは皆が手加減してくれてるからよ」
「ライアン!何処だ!」
「ステファニー、ごめんなさい。ライアンが大人気なくて」
「止めてよ。ライアンは一歳しか変わらない幼子じゃないの」
「アール仕込みのかくれんぼなのよ」
「あ~。それは……」
「毎日アールが遊んでくれるからアールのことをパパと呼ぶのよ」
「外では止めさせないとまずいわね。
陛下は孫娘が可愛いのね。ずっとミーシェと遊んでいるわ。お腹の子が娘だといいのだけど」
「あら、探すのを諦めたみたい」
「仕方ないわね」
「アール、ライアンは何処?」
「あそこだ」
アールの指し示す方を見てもよくわからない。
「アール?」
「アレは椅子の絵だ。その後ろにいる」
「は?」
近寄って触ると絵だった。
「ママ!」
「ステファニー、これ間違って座っちゃいそうだわ」
「お父様はその椅子に座れと言わないから大丈夫よ」
そっか。陛下専用の応接間で勝手に座る人は居ないわね。
「参考にしようかしら」
「ものすごく腕の良い絵師が必要よ」
「そうよね。下手ならバレちゃうわね」
「幸せそうで良かった。旦那様とは何処で知り合ったの?」
「王宮よ。裏中庭で会ったの。そのまま文通友達になったのよ」
「男爵家は大丈夫?」
「大丈夫よ。お義父様もとても優しくてライアンとミーシェを可愛がってくれるし、相談にものってくれるの」
「安心したわ」
ライアンは第四に任せてミーシェとステファニーとエヴァンで近衛騎士団に顔を見せた。
「案内するとか言ってエスコートしてるつもりかしら。エヴァンが案内されているように見えるわ」
「子供のうちは女の子は発育がいいから。この歳の一歳上は大きいわ」
「おや?エヴァン殿下、お連れのレディは……ちびアネットちゃん?」
「私のミーシェだぞ!」
「違うもん!」
「お久しぶりです」
「アネットちゃん!
じゃあ、この子は」
「娘のミーシェよ。双子でもう一人ライアンがいるのだけど別の場所で遊んでいるわ」
「ミーシェ、私のユウシをみせてやろう」
「プッ、エヴァンったら」
子供用の模造剣で木偶を懸命に叩いている。
「子供って性格がまるで違うのね。
エヴァンは剣が好きなの?」
「騎士が格好良いって感じかしら」
「あっ!」
エヴァンの手をすり抜けた模造剣がミーシェに向かったが、当たらなかった。
「ありがとう、エス」
「お前にそっくりだな」
「ステキ!」
「ミーシェ!?」
「エスっていうの? ミーシェをお嫁さんにして!」
「いいぞ」
「エス!」
「あと11年待たなきゃな」
「コンヤク!」
「じゃあ、これを」
飛んできた模造剣の軌道からミーシェを救い出したのはエスだった。
昨日、ハヴィエル様とは結婚できない決まりだと伝えたから早くも別のターゲットを見つけたようだ。
エスは自身のネックレスをミーシェの首にかけた。
「ダメよエス。子供の戯言に付き合って大事なものを渡さないで」
「おい!ミーシェは私のレディだぞ!」
「殿下、モテた者勝ちです」
「母上!」
「エス!だっこ!」
「良い子だ。チュッ
これからは他の男を見ては駄目だぞ。
手を繋いだりしても駄目だ。
相手の男をコロ」
「エス!」
「コロがしちゃうからな」
「うん!エスだけしか見えないわ。
お願いだからウワキしないで!」
「……あれ、何処で覚えてくるの?」
「ハヴィエル様の真似よ」
「プッ」
「笑い事じゃないわよ」
「魔性の幼女の完成ね。先が末恐ろしいわ」
「エスって何歳なの?」
「私達の一歳上だったかな」
「アレで!?
もっと歳上だと思ってたわ」
「老け顔ってこと?」
「言動よ」
「聞こえてるぞ」
「だってすごく大人びていたんだもの」
「今日はエスと寝る!」
「夜に行くよ」
「ミーシェは私と絵本を読んで寝るんだ!」
「ダメだ…エヴァンが可愛過ぎる」
「誰に似たのかしら」
「王女殿下でしょう」
「ヒューゼル隊長、バーンズ隊長」
「アネット、ミーシェ嬢は激しいな」
「そうですね、ずっとエス殿の頬にキスをしていますね」
「将来、アネット以上に殿方を惑わすわね」
「呪い掛けないでください」
昼食にサプライズがあった。
「Cランチでございます」
「!! ケイトさん!」
「アネット!元気になって良かった!」
「あの時はごめんなさい」
「もう謝らないで。お手紙ももらったし、被害者じゃないの。
結婚したんだって?」
「アネットの夫のハヴィエル・サルトです。妻がお世話になりました」
「アネット!素敵な旦那様を捕まえたのね!嬉しいわ!
ケイトと申します。サルト様、アネットのデザートは食べさせてやってください」
「? 分かったよ」
「うっ、また可愛いデザートを」
「ママ、ネコしゃん」
「ママ、クマだよね」
「アネットの子なの!?可愛いわ!」
「双子なの」
「そう。羨ましいわ。うちの子は流感で助からなかったわ」
「ケイトさん…」
「さあ、双子ちゃん。よく噛んで食べましょうね」
私がデザートをハヴィエル様に食べさせてもらうと、ミーシェはエスを呼んで食べさせて貰っていた。
「美味しいか?」
「エスのおかげでもっと美味しくなったわ!」
「……これもサルト様の真似なの?」
「「すみません」」
「もしかしてサルト邸は砂糖で出来てるんじゃない?」
「母上、砂糖の屋敷、私も欲しいです」
「エヴァン、モノの喩えなのよ」
「?」
「10年後に分かるわ」
「ミーシェ、もう一回するか?」
「ヘーカ、もう一回!」
「ライアン!ずるいぞ!出てこい!」
「エヴァン、かくれんぼなんだから出てくるわけないじゃないの」
「いつもはすぐ見つかるんだ!」
「それは皆が手加減してくれてるからよ」
「ライアン!何処だ!」
「ステファニー、ごめんなさい。ライアンが大人気なくて」
「止めてよ。ライアンは一歳しか変わらない幼子じゃないの」
「アール仕込みのかくれんぼなのよ」
「あ~。それは……」
「毎日アールが遊んでくれるからアールのことをパパと呼ぶのよ」
「外では止めさせないとまずいわね。
陛下は孫娘が可愛いのね。ずっとミーシェと遊んでいるわ。お腹の子が娘だといいのだけど」
「あら、探すのを諦めたみたい」
「仕方ないわね」
「アール、ライアンは何処?」
「あそこだ」
アールの指し示す方を見てもよくわからない。
「アール?」
「アレは椅子の絵だ。その後ろにいる」
「は?」
近寄って触ると絵だった。
「ママ!」
「ステファニー、これ間違って座っちゃいそうだわ」
「お父様はその椅子に座れと言わないから大丈夫よ」
そっか。陛下専用の応接間で勝手に座る人は居ないわね。
「参考にしようかしら」
「ものすごく腕の良い絵師が必要よ」
「そうよね。下手ならバレちゃうわね」
「幸せそうで良かった。旦那様とは何処で知り合ったの?」
「王宮よ。裏中庭で会ったの。そのまま文通友達になったのよ」
「男爵家は大丈夫?」
「大丈夫よ。お義父様もとても優しくてライアンとミーシェを可愛がってくれるし、相談にものってくれるの」
「安心したわ」
ライアンは第四に任せてミーシェとステファニーとエヴァンで近衛騎士団に顔を見せた。
「案内するとか言ってエスコートしてるつもりかしら。エヴァンが案内されているように見えるわ」
「子供のうちは女の子は発育がいいから。この歳の一歳上は大きいわ」
「おや?エヴァン殿下、お連れのレディは……ちびアネットちゃん?」
「私のミーシェだぞ!」
「違うもん!」
「お久しぶりです」
「アネットちゃん!
じゃあ、この子は」
「娘のミーシェよ。双子でもう一人ライアンがいるのだけど別の場所で遊んでいるわ」
「ミーシェ、私のユウシをみせてやろう」
「プッ、エヴァンったら」
子供用の模造剣で木偶を懸命に叩いている。
「子供って性格がまるで違うのね。
エヴァンは剣が好きなの?」
「騎士が格好良いって感じかしら」
「あっ!」
エヴァンの手をすり抜けた模造剣がミーシェに向かったが、当たらなかった。
「ありがとう、エス」
「お前にそっくりだな」
「ステキ!」
「ミーシェ!?」
「エスっていうの? ミーシェをお嫁さんにして!」
「いいぞ」
「エス!」
「あと11年待たなきゃな」
「コンヤク!」
「じゃあ、これを」
飛んできた模造剣の軌道からミーシェを救い出したのはエスだった。
昨日、ハヴィエル様とは結婚できない決まりだと伝えたから早くも別のターゲットを見つけたようだ。
エスは自身のネックレスをミーシェの首にかけた。
「ダメよエス。子供の戯言に付き合って大事なものを渡さないで」
「おい!ミーシェは私のレディだぞ!」
「殿下、モテた者勝ちです」
「母上!」
「エス!だっこ!」
「良い子だ。チュッ
これからは他の男を見ては駄目だぞ。
手を繋いだりしても駄目だ。
相手の男をコロ」
「エス!」
「コロがしちゃうからな」
「うん!エスだけしか見えないわ。
お願いだからウワキしないで!」
「……あれ、何処で覚えてくるの?」
「ハヴィエル様の真似よ」
「プッ」
「笑い事じゃないわよ」
「魔性の幼女の完成ね。先が末恐ろしいわ」
「エスって何歳なの?」
「私達の一歳上だったかな」
「アレで!?
もっと歳上だと思ってたわ」
「老け顔ってこと?」
「言動よ」
「聞こえてるぞ」
「だってすごく大人びていたんだもの」
「今日はエスと寝る!」
「夜に行くよ」
「ミーシェは私と絵本を読んで寝るんだ!」
「ダメだ…エヴァンが可愛過ぎる」
「誰に似たのかしら」
「王女殿下でしょう」
「ヒューゼル隊長、バーンズ隊長」
「アネット、ミーシェ嬢は激しいな」
「そうですね、ずっとエス殿の頬にキスをしていますね」
「将来、アネット以上に殿方を惑わすわね」
「呪い掛けないでください」
昼食にサプライズがあった。
「Cランチでございます」
「!! ケイトさん!」
「アネット!元気になって良かった!」
「あの時はごめんなさい」
「もう謝らないで。お手紙ももらったし、被害者じゃないの。
結婚したんだって?」
「アネットの夫のハヴィエル・サルトです。妻がお世話になりました」
「アネット!素敵な旦那様を捕まえたのね!嬉しいわ!
ケイトと申します。サルト様、アネットのデザートは食べさせてやってください」
「? 分かったよ」
「うっ、また可愛いデザートを」
「ママ、ネコしゃん」
「ママ、クマだよね」
「アネットの子なの!?可愛いわ!」
「双子なの」
「そう。羨ましいわ。うちの子は流感で助からなかったわ」
「ケイトさん…」
「さあ、双子ちゃん。よく噛んで食べましょうね」
私がデザートをハヴィエル様に食べさせてもらうと、ミーシェはエスを呼んで食べさせて貰っていた。
「美味しいか?」
「エスのおかげでもっと美味しくなったわ!」
「……これもサルト様の真似なの?」
「「すみません」」
「もしかしてサルト邸は砂糖で出来てるんじゃない?」
「母上、砂糖の屋敷、私も欲しいです」
「エヴァン、モノの喩えなのよ」
「?」
「10年後に分かるわ」
235
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは、聖女。
――それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王によって侯爵領を奪われ、没落した姉妹。
誰からも愛される姉は聖女となり、私は“支援しかできない白魔導士”のまま。
王命により結成された勇者パーティ。
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い。
そして――“おまけ”の私。
前線に立つことも、敵を倒すこともできない。
けれど、戦場では支援が止まれば人が死ぬ。
魔王討伐の旅路の中で知る、
百年前の英雄譚に隠された真実。
勇者と騎士、弓使い、そして姉妹に絡みつく過去。
突きつけられる現実と、過酷な選択。
輝く姉と英雄たちのすぐ隣で、
「支えるだけ」が役割と思っていた少女は、何を選ぶのか。
これは、聖女の妹として生きてきた“おまけ”の白魔導士が、
やがて世界を支える“要”になるまでの物語。
――どうやら、私がいないと世界が詰むようです。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー編 32話
第二章:討伐軍編 32話
第三章:魔王決戦編 36話
※「カクヨム」、「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる