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結局バレる
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「それで?
エヴァンはそのまま受け入れたと?」
「可愛いミーシェだよ?拒絶なんてしたら天罰が降るだろ」
「はぁ」
「母上もため息ついていた」
「嬉しそうに言うな」
朝方、寮に連絡が入り、ライアンが事情を聞くために王宮へ寄ったが出てきたのはエヴァンだけだった。
学園へ向かう馬車の中でライアンに詰められたエヴァンだが、いつもとは違ってニヤニヤしている。
結局ミーシェは階段が危なっかしいので学園を休むことになった。
「ちゃんと寝てるかな心配だ」
「責任とれよ」
「いいのか!?」
「ミーシェも何考えてるんだか」
「寂しかったんだって言ってた」
「女は謎なのか、ミーシェが謎なのか」
「身体を重ねると違うものだな。
騎士達が言っていた。身体の関係が有るか無いかで違うって。何だか今後喧嘩しても閨で仲直りできそうだ、イテッ!」
ライアンの手刀がエヴァンの頭に落ちた。
「夫婦になったらにしろ、そんな話は」
「ミーちゃんって呼ぼうかな」
「手刀じゃ効かないか?」
「少しくらい浮かれても良いだろう。
王太子殿下達とサックス家とサルト領に一緒に行かれて、どれだけ苛立ったか」
「引き留めに来なかったし、帰ってきたミーシェに感情をぶつけたりしなかったのは偉かった」
「やっぱり私にはライアンが必要なんだ。
私はライアンも愛してるんだ」
「……具体的に」
「兄弟愛だ」
「ならいい」
一方ミーシェは。
「まったく」
「えへっ」
「で、どっち目的で泊まりに来てるの?」
「だって、男の人はすぐ溜まって出したくなるから、手っ取り早くメイドや言い寄ってくる令嬢に手を付けたり娼館に行ったりするって。特に若いと我慢できないって。
あと腕が鈍るのが嫌です」
「だとしたらとっくにお手付きしてるわよ」
「急に操り人形のように下半身の言いなりになるって」
「誰がそんなことを言ったの」
「観光客です」
「サルト領に来た観光客?
もう、馬鹿なことを聞いたわね」
「間違いですか?」
「人によるかしら。
女性だってそういう人はいるのよ?
女性も性欲があるのだから」
「残ってた閨の授業、受けてみます」
「まだ恋人という間柄なのに骨抜きにするつもりなの?充分でしょう」
「恋人ですか。
こういうことも言っていました。
マンネリという言葉があって浮気するらしいです」
「夫婦でも婚約者でもないのだから恋人でしょう。まあ、貴女達は普通の恋人達と同じ様にデートしたり出来ないけど。
貴女達はマンネリという言葉を使うのは早過ぎるわ。まだ始まったばかりじゃないの。
しかしエヴァンは相当信用がないのね」
「男の人は誠実だと思っても油断しちゃダメだって。
“愛してる”を挨拶みたいに複数人に言える人もいるって」
「もう。変なこと聞いてきて」
「まだまだありますよ。
男性不信になりそうです」
言葉だけだとちょっとしたお説教の時間だと思うが、ミーシェはステファニー王女に膝枕され、頭を撫でながら会話をしている。
ステファニーはアネットにそっくりのミーシェにも弱かった。
だから息子よりミーシェの味方なのだ。
勿論シーナよりミーシェ。
「ミーシェ、子供を産むときはエヴァン似ではなくアネットやミーシェに似た子を産むのよ?性別はどっちでもいいから」
「それは神の領域では」
「やれることはやるの。今日から毎日祈りなさい。私も祈るから」
「え~」
「もうテオドールも王宮に住まわせようかしら。そうしたら貴女はここに居られるし実績も作れるわ」
「さすがにそれは……」
「王女殿下、デザイナーが到着しました」
「今行くわ。
ミーシェ、起きて。行くわよ」
「 ? 」
「頻繁にお泊りするのだから買い揃えないと。いつも隠密服では駄目よ」
採寸などを済ませて楽なワンピースドレスを数着、下着やナイトドレスなども多数選んだ。
その後は鍛錬に出ていった。
その間にステファニーは。
「「………」」
「分かりますわ、お父様、シオン。
あんなに揉めたと思っていたのに直ぐに身体を重ねてるなんて。呆れるのはわかります。
ですが破談にならなそうでホッとしましたわ」
「一番怒っていたのはステファニーであろう」
「ミーシェを虐めたからですわ。
ミーシェが嫌ならエヴァンを離そうとしただけです。
当然ミーシェに家族になってもらいたいから上手くいくならいって欲しいですわ」
「分かった。また内定をだすのか?」
「公認の恋人で宜しいかと。
それとミーシェが泊まる時は夫婦の間を使わせようかと思っております」
「夫婦の間?」
「ミーシェが夜に外からエヴァンの部屋に忍び込んでいるのですよ?
危険ですわ。だからといって薄着で廊下を歩かせるよりは、あの辺りの人員を固定して秘密にするのです」
「ミーシェ嬢は積極的だなぁ」
「それがね、シオン。どうも浮気者の男の話や男の欲の話を小耳に挟んだようなの」
「つまりエヴァンの浮気防止で夜這いをかけているのか?」
「そうみたい。可愛いでしょう?」
「エヴァンは知っているのか?」
「ミーシェの気まぐれだと思っているわ」
「まったく困った孫達だ。
はぁ。純粋なシーちゃんに会いたい」
「「………」」
エヴァンはそのまま受け入れたと?」
「可愛いミーシェだよ?拒絶なんてしたら天罰が降るだろ」
「はぁ」
「母上もため息ついていた」
「嬉しそうに言うな」
朝方、寮に連絡が入り、ライアンが事情を聞くために王宮へ寄ったが出てきたのはエヴァンだけだった。
学園へ向かう馬車の中でライアンに詰められたエヴァンだが、いつもとは違ってニヤニヤしている。
結局ミーシェは階段が危なっかしいので学園を休むことになった。
「ちゃんと寝てるかな心配だ」
「責任とれよ」
「いいのか!?」
「ミーシェも何考えてるんだか」
「寂しかったんだって言ってた」
「女は謎なのか、ミーシェが謎なのか」
「身体を重ねると違うものだな。
騎士達が言っていた。身体の関係が有るか無いかで違うって。何だか今後喧嘩しても閨で仲直りできそうだ、イテッ!」
ライアンの手刀がエヴァンの頭に落ちた。
「夫婦になったらにしろ、そんな話は」
「ミーちゃんって呼ぼうかな」
「手刀じゃ効かないか?」
「少しくらい浮かれても良いだろう。
王太子殿下達とサックス家とサルト領に一緒に行かれて、どれだけ苛立ったか」
「引き留めに来なかったし、帰ってきたミーシェに感情をぶつけたりしなかったのは偉かった」
「やっぱり私にはライアンが必要なんだ。
私はライアンも愛してるんだ」
「……具体的に」
「兄弟愛だ」
「ならいい」
一方ミーシェは。
「まったく」
「えへっ」
「で、どっち目的で泊まりに来てるの?」
「だって、男の人はすぐ溜まって出したくなるから、手っ取り早くメイドや言い寄ってくる令嬢に手を付けたり娼館に行ったりするって。特に若いと我慢できないって。
あと腕が鈍るのが嫌です」
「だとしたらとっくにお手付きしてるわよ」
「急に操り人形のように下半身の言いなりになるって」
「誰がそんなことを言ったの」
「観光客です」
「サルト領に来た観光客?
もう、馬鹿なことを聞いたわね」
「間違いですか?」
「人によるかしら。
女性だってそういう人はいるのよ?
女性も性欲があるのだから」
「残ってた閨の授業、受けてみます」
「まだ恋人という間柄なのに骨抜きにするつもりなの?充分でしょう」
「恋人ですか。
こういうことも言っていました。
マンネリという言葉があって浮気するらしいです」
「夫婦でも婚約者でもないのだから恋人でしょう。まあ、貴女達は普通の恋人達と同じ様にデートしたり出来ないけど。
貴女達はマンネリという言葉を使うのは早過ぎるわ。まだ始まったばかりじゃないの。
しかしエヴァンは相当信用がないのね」
「男の人は誠実だと思っても油断しちゃダメだって。
“愛してる”を挨拶みたいに複数人に言える人もいるって」
「もう。変なこと聞いてきて」
「まだまだありますよ。
男性不信になりそうです」
言葉だけだとちょっとしたお説教の時間だと思うが、ミーシェはステファニー王女に膝枕され、頭を撫でながら会話をしている。
ステファニーはアネットにそっくりのミーシェにも弱かった。
だから息子よりミーシェの味方なのだ。
勿論シーナよりミーシェ。
「ミーシェ、子供を産むときはエヴァン似ではなくアネットやミーシェに似た子を産むのよ?性別はどっちでもいいから」
「それは神の領域では」
「やれることはやるの。今日から毎日祈りなさい。私も祈るから」
「え~」
「もうテオドールも王宮に住まわせようかしら。そうしたら貴女はここに居られるし実績も作れるわ」
「さすがにそれは……」
「王女殿下、デザイナーが到着しました」
「今行くわ。
ミーシェ、起きて。行くわよ」
「 ? 」
「頻繁にお泊りするのだから買い揃えないと。いつも隠密服では駄目よ」
採寸などを済ませて楽なワンピースドレスを数着、下着やナイトドレスなども多数選んだ。
その後は鍛錬に出ていった。
その間にステファニーは。
「「………」」
「分かりますわ、お父様、シオン。
あんなに揉めたと思っていたのに直ぐに身体を重ねてるなんて。呆れるのはわかります。
ですが破談にならなそうでホッとしましたわ」
「一番怒っていたのはステファニーであろう」
「ミーシェを虐めたからですわ。
ミーシェが嫌ならエヴァンを離そうとしただけです。
当然ミーシェに家族になってもらいたいから上手くいくならいって欲しいですわ」
「分かった。また内定をだすのか?」
「公認の恋人で宜しいかと。
それとミーシェが泊まる時は夫婦の間を使わせようかと思っております」
「夫婦の間?」
「ミーシェが夜に外からエヴァンの部屋に忍び込んでいるのですよ?
危険ですわ。だからといって薄着で廊下を歩かせるよりは、あの辺りの人員を固定して秘密にするのです」
「ミーシェ嬢は積極的だなぁ」
「それがね、シオン。どうも浮気者の男の話や男の欲の話を小耳に挟んだようなの」
「つまりエヴァンの浮気防止で夜這いをかけているのか?」
「そうみたい。可愛いでしょう?」
「エヴァンは知っているのか?」
「ミーシェの気まぐれだと思っているわ」
「まったく困った孫達だ。
はぁ。純粋なシーちゃんに会いたい」
「「………」」
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