【完結】ずっと好きだった

ユユ

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お預け(R18)

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【 レオンの視点 】


初めて味わう快楽だった。

自己処理や義務のセックスとは全く比べ物にならない強い快楽と満たされる心身。そして愛おしいと思う気持ち。

離したくない、守りたい、幸せにしたい。


チュッ

御者をしている兵士や騎馬隊にはバレただろうか。

男に貫かれ子種を注がれたミーシェを見て想像を膨らませて視姦でもするんじゃないかと思ったら外に出したくなくなった。
だが休憩も必要だし、宿への停泊も必要だ。
そういうわけにはいかない。

腰を上げさせて陰茎が抜けたところにタオルを差し入れた。

ドロッと精液が垂れ出てくる。
ミーシェが恥ずかしそうだがある程度出しておかないと下着を通り越してワンピースを湿らせてしまう。

………すごい出たな。



その後、やっと宿に着いて食事をした。
ここはサルト男爵が予約をしてくれてた宿だった。

綺麗で整った部屋で、騎士達の分まで部屋をとってくれていた。
前払制と書いてあるので侍従が払いに行ったら既に払われているとのこと。
さすが、あの領地を栄えさせた男だ。
自領から二つ離れた領地の最高クラスの宿を把握して部屋をおさえる力がある。

壁には領内で最高の宿という領主が発行したエンブレムがあった。
しかも騎士の部屋は個室だという。
他の客を退かせたようだ。

支配人を呼び話を聞くと、系列店と交流のある宿に移したという。

「移ることを承諾してくださった方の宿泊費を一週間分までならとサルト男爵が負担を申し出てくださいました。大喜びで移って行かれましたのでご安心ください」

支配人が私の部屋から出るとミーシェの声がした。

「あ!アル!久しぶり!」

「ミーシェ、元気だったか」

は?

慌てて廊下に出るとミーシェが頭を撫でられていた。

「ミーシェ!」

「あ、レオン様」

「知り合いか?」

「子供の頃から付き合いがあるのです。幼馴染のお兄さんです。
ここの宿は伯爵家が運営していて、彼は三男のアルテュールです」

「改めまして、ミーシェの幼馴染のアルテュール・ロレアードと申します。陛下」

私の身分を知っているのか。帝王を前にしても堂々としているな。

「よろしく頼む」  

「かしこまりました」

「アル、見に行っていい?」

「ククっ、いいよ」

「ミーシェ!?何処に行くんだ」

「ん?厨房」

「厨房?」

「はい。この宿も新鮮な食材で料理を提供するのです。
プロ達が魔法をかけるのですよ!」

「ミーシェは相変わらず可愛いな」

なんだあの懐き様は!!
男も満面の笑みじゃないか!!

「私も行く」

「?……アル、かまわない?」

「ええ、どうぞ」

厨房ではミーシェを大歓迎して新作をつまみ食いさせている。ほとんどが顔見知りらしい。

「ミーが結婚か。早いな」

「最初に来たときはずっと男爵に抱っこされていたのにな。男爵、泣いていたろう」

「フフッ、大丈夫ですよ」

「シーちゃんは相変わらずか?」

「ええ。ロランがくっ付いて離れません」

「あの坊主は我々にも牙を剥きますからね」

「ごめんなさい」

「ミーが謝ることじゃないだろう。
ほら、口開けろ。これも上手いぞ」

「ん、美味しい」

「あんまり味見してると夕食が入らなくなるぞ?」

「へへっ」

「ミー。明日の移動中の食事も用意してやるからな」

「やった!」

私の側にアルテュールが立った。

「(陛下、我々に嫉妬の矛先を向けないでください。ミーシェと不仲になりますよ)」

「………」

「(ハヴィエル・サルト男爵の経営手腕は素晴らしい。ロレアード家も助力して貰って今があります。

彼は妻や娘に下心を抱く者には手を貸しません。つまり、男爵の審査を通ったということです。彼等はミーシェを娘か妹くらいにしか思っておりません)」

「(其方は?)」

「(後で私の最愛の妻を紹介いたします)」

この余裕ある綺麗な顔が気に入らなかったが……。


夕食の後、デザートとコーヒーを提供されたときに紹介された。

「妻のレイチェルです」

「お目にかかれて光栄にございます」

「どうぞ、掛けてください」

女にしては体格が良かった。美人の方ではある。だが、貴族の嫁としては野生味が強い。

「レオン様、レイチェル様は狩りの達人なのです。水陸空の覇者ですわ」

「ミーシェだってすごいじゃない」

「私とライアンは陸空だけですから。

レオン様、ここで提供される肉や川魚はほとんどレイチェル様が狩っているので新鮮なのですよ」

「私は獣を肩に担いで微笑むレイチェルに惚れたのです」

「恥ずかしいから止めてくださいっ」

「口説き落とすのに何年もかかりました」

「伯爵家の令息でこの綺麗な顔立ちから迫られたら遊ばれていると思いますもの」

「アルってば、レイチェル、レイチェルって煩かったもの」

アルテュールの顔が真っ赤だ。つられて夫人も頬を染めた。

なるほど。ミーシェのことは妹と見ているのは間違いないようだ。

「私もまだ口説いている最中なので秘訣を知りたい」

「最中なのに馬車で私にあんなことをしたのですか?」

周囲のテーブルの騎士達も一斉に私を見た。

恥ずかしくて顔を覆った。

「ミーシェ、こんな所で未来の旦那様を虐めるな。真っ赤じゃないか」

「愛されているのね、ミーちゃん」

「陛下には冷たい飲み物を用意いたしましょう」

ミントアイスティーで落ち着いた。

クソっ アルテュールが満面の笑みで私を見てる!

「ではお疲れでございますね。お部屋でお休みください。私と妻は失礼いたします」


二人が離れるとミーシェが呟いた。

「(今夜はレイチェル大変ね)」

「(どうしてだ)」

「(アルの仕草でわかります。大抵次の日レイチェルは狩りに出られなくなるのです。でも他の人が狩りに出るから大丈夫です)」

「私とミーシェは、」

「長旅ですよね?」

「そ…うだが」

「ゆっくり休んでくださいね。私は失礼して湯浴みをして寝ます」

「一緒に、」

「ダメです」




部屋に戻り、湯浴みを終えてベッドに入ったが悶々として眠れない。

……そうだ!



ミーシェの部屋のドアをノックするとミーシェが出てきた。

「(ミーシェ、避妊薬を持ってきたから入れてくれ)」

「(もう飲みましたので大丈夫です。おやすみなさい)」

パタン

………冷たくないか?



そして翌日の馬車で、

「あっ……」

「ミーシェ、そんなに締め付けると果ててしまう」

「んんっ」

「そうか。搾り取る気だな」

「ひっ!」

「ココが快いんだな?」

少し浅めのところをグリグリと押しながら擦ると、どんどん愛液が溢れてくる。

替えの服を用意しておいて良かった。
これじゃ、私がお漏らししたみたいになってしまう。
タオルも余分に用意して正解だった。

「温かくて狭くてヌルヌルで気持ちいい」

「いや……」

「こんなに漏らしていて?」

「はあっ」

「どこならいいのかな?」

ゆっくり擦り上げながら奥へ奥へと押し進めて行くと、もうミーシェが辛そうだったので大きく腰を動かしてミーシェをイかせた。

抱きしめて体を撫でて、落ち着いてきたので強請ってみたら。

「直ぐ出るからミーシェが動いて」

「………」

「ミーシェ」

ミーシェは腰を上げると、先端を膣口に付けた状態まで抜き去り一呼吸置いた。

クチュ

入り口周辺の膣壁で亀頭を包みまた腰を上げる。それ以上ナカに入れてくれない。
すごく気持ちいいが全部挿れて欲しい。

「うっ!」

急に半分埋めるとまた亀頭攻めに戻る。

くっ……射るっ

「あ、」

ミーシェが腰を上げてしまった。

また当てがいゆっくり先端だけをクチュクチュと撫で回す。

「ミーシェ、挿れてくれ」

「レオン様が私に主導権を委ねたのですよ」

「くっ、」

一気に半分埋めるとまた引き抜き亀頭攻めに戻った。

陰茎は熱く膨れ上がり爆破寸前で排出したいとビクビクと強請っている。
だがミーシェは意地悪を続けていた。

馬車が速度を緩めた。

「休憩みたいですね」

そう言って膝の上から降りてしまった。
背を向けてタオルで拭いている。

「ミーシェ?まさか……」

「ん? 休憩お終いです」

正気か!クソっ!コレをどうすればいいんだ!

「早く身支度しないと騎士の皆様が驚きますよ?」

ミーシェは既に下着と靴を履いて乱れを整えていた。

大慌てで股間を拭い下着とスラックスを履き替え換気をした。

上着で隠しながら外へ出た。



「ミーシェ様、美味しいですね。こんな美味しい食事を持たせていただけるとは」

「サルトの食事にも驚きました。陛下が訪れたがるわけですね」

「アクエリオン殿下も来たがっていましたね」

「ブリアック殿下の目もそう言っていました」

あいつら、
私には“私達にお任せください”と言っておいて本当は来たがっていたのか。

「ハハッ、私なんかはユゲット側妃様にミーシェ様の側を離れず守って下さいと懇願されました」

騎馬隊の隊長に……まあ、そうだな。
ミーシェを守らねば。

「ミーシェ様、あちらに綺麗なお花が咲いていました。食後に見に行かれますか?」

「はい、お願いします」

「危ないですから私もついて行きましょう」

「僕も行きます!」

お前達……




そして。

「ミーシェ、ほら」

馬車に乗せるために手を差し伸べたが、

「リック隊長が馬に乗せてくださるのです。
ずっと馬車より気分転換になるだろうからって」

「は?」

「陛下、ミーシェ様は乗馬もできると伺いましたから大丈夫です。私もお支えして落としません」

「私が馬に乗るからリック隊長が馬車に乗れ」

「へ?」

「お前が馬車だ!」


奇妙な構図が出来上がったが、リック隊長は馬車に乗せ、私はミーシェと馬に乗った。

「何故其方が手綱を握るのだ」

これでは乗せてもらっているのが私みたいではないか。

「握りたいからです」

そう言われてしまったらどうしようもない。

「そうか」

騎士達が笑いを堪えているのは知っている。
震えている者もいれば、遥か彼方を見てる者もいるし、唇を噛み締めて涙を浮かべてある者もいる。

後ろからは震える息遣いが聞こえる。
帰った覚えていろよ!


夜もガードが固く、また翌日の馬車では男物の服を着ていた。

「何故だ」

「乗馬しやすいのです」

「………」

結局、あのときお預けを食らったまま帝国まで躱され続けた。









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