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5月
5話 星の雨。
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また、あの世界だった。
一面の青。そうだ、これだ、この青だ。こないだは初めてだったからこの青を味わう余裕なんてなかったけど、改めて見るととても綺麗。こんな青が現実の世界に存在するのだろうか。晴れた夏の空よりも爽やかで、南国の海よりも透き通って、それでいて海底のように深い。
また光の雫が降ってきた。この光はどんどん強くなるに違いない。ほらやっぱり。光はどんどん降り注ぐ。たまらなく素敵で、自分もこの光の1つになって自由にこの澄み渡った紺碧を飛び回ってみたい。
次に光は虹色に輝くだろう。もうすぐ。 あれ?
光はずっと銀色のままで、一定に淡々と降り注いだ。まるで本当の雨のように。
するとき青の世界はみるみるグレースケールになって、光の雨は本当の雨に変わってしまった。
なんで?あんなに綺麗だったのに。綺麗なままでいてよ。どうして?
問いかけても世界はどんよりと淀んで、雨はますます強まった。
目覚めるとやっぱり雨だった。昨夜はじめじめとしていたので網戸にしたまま眠っていた。碧のおでこに雨粒が垂れていた。
「碧~、はやく支度しなさい。茜ちゃんが待ってるよ!」
1階から母の呼ぶ声がする。茜?
茜の方が中学に違いところに住んでいるので碧を迎えに来ることはこれまでになかった。しかもまだ登校には早すぎる時間だった。碧は急いで制服に着替えて、荷物をまとめて家を飛び出した。
玄関には赤い傘をさして不安そうな表情をした茜がいた。
一面の青。そうだ、これだ、この青だ。こないだは初めてだったからこの青を味わう余裕なんてなかったけど、改めて見るととても綺麗。こんな青が現実の世界に存在するのだろうか。晴れた夏の空よりも爽やかで、南国の海よりも透き通って、それでいて海底のように深い。
また光の雫が降ってきた。この光はどんどん強くなるに違いない。ほらやっぱり。光はどんどん降り注ぐ。たまらなく素敵で、自分もこの光の1つになって自由にこの澄み渡った紺碧を飛び回ってみたい。
次に光は虹色に輝くだろう。もうすぐ。 あれ?
光はずっと銀色のままで、一定に淡々と降り注いだ。まるで本当の雨のように。
するとき青の世界はみるみるグレースケールになって、光の雨は本当の雨に変わってしまった。
なんで?あんなに綺麗だったのに。綺麗なままでいてよ。どうして?
問いかけても世界はどんよりと淀んで、雨はますます強まった。
目覚めるとやっぱり雨だった。昨夜はじめじめとしていたので網戸にしたまま眠っていた。碧のおでこに雨粒が垂れていた。
「碧~、はやく支度しなさい。茜ちゃんが待ってるよ!」
1階から母の呼ぶ声がする。茜?
茜の方が中学に違いところに住んでいるので碧を迎えに来ることはこれまでになかった。しかもまだ登校には早すぎる時間だった。碧は急いで制服に着替えて、荷物をまとめて家を飛び出した。
玄関には赤い傘をさして不安そうな表情をした茜がいた。
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