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9困っている人

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「緊急会議を行う!!」

「何の~?」
俺の宣言に、相変わらず妹はのほほんとしたもんだ。

「そもそも、俺は何日もゲームに入ったまま。そっちで騒ぎにならないのか?」

「それがね。さも、それが当然って感じで流れちゃっているんだよ。これもきっとゲーム補正だよね。」

なるほど。
ゲームに入っている時間は、現実ではノーカウントってことか。


「OK。そっちの事情はわかった。
じゃあ、こっちの話だ。

ぶっちゃけ・・・


『マンモスもどきが最弱』なんて世界でハンターとして生き抜くのは無理だ。」


「そうかな?」

「そうだよ!(ここから早口です)

お前、崖から俺を飛び降りさせたよな!
確かに、モ◯ハンのゲームではダメージ0だよ?でもなあ、こっちは現実なんだぞ。崖の上から落ちたらメチャクチャ痛いんだよ。マジで本当に死ぬかと思ったよ!!

後、お前アイテム拾いすぎ。あんな量、持ちきれないから。いや、ゲーム的には持てる事は知っている。でもな・・・鉄鉱石の塊を99個もってダッシュとかオリンピック選手でもきついから。
後、すご~く気楽に『モンスターのふん』とか拾ってくれちゃってるんだけど、どうしろってんだ。わかってるよ、役立つアイテムになることは。
だからといって、モンスターのふんを10個も20個も,持ち歩くこっちの身になってみろ。

後、肉焼き!!お前、5時間もかけて焼かせた挙句、焼きすぎて焦げ肉にしやがったよな。その後、その焦げ肉を食べさせた上で(人間の胴体くらいある大きさだからな)、また5時間かけて肉を焼かせやがったからな。

そして満腹中の満腹の俺に、もう一回、人間の胴体程の肉を完食させようとするとは・・・」

「ストップ、スト~ップ!!」

「お兄ちゃんが不満一杯なのはわかったから!」


ホトンドハオマエノセイダカラナ


「じゃあ、具体的にこれからどうしようってことなの?」

「それが緊急会議の議題だ。

まず、大前提として、今までみたいに頭への刺激だけで戻るのは不可能だ。
最初に色々試したし、モンスターにも散々攻撃された。
でも,事実として戻れていない。」

「そうなんだよね。」

「次に、俺がこの世界でやったことに満足したら戻れるパターンだが、それもない。」

「そうなの?」

「そうなんだよ!!
一体、何十,何百の初めてを体験したと思っているんだ!!
もう、満足も満足。腹一杯。
十分満足しきっているよ!」


だから


「帰るために必要なこと。今までのパターンから考えると、戻るために必要なのは『困っている人を助ける』なんだと思ったんだよ。」

「・・・確かにそうかも。何だかんだで、毎回人助けしていたもんね。
もしかしたら、神様が困っている人を助けるために私たちをゲームに入れていたのかも。」

「状況を共有できたな。だから、まずはこの世界で困っている人を探す・・・」

「そんな必要ないよ!」


「はっ?」


「だって、1番困っている人、はっきりしているもん!」
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