名探偵の条件

ヒロト

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41夏休みの小学生

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「まず、病院関係者のアリバイだけど、医師・看護士以外についても、もちろん調べているんだろう?
 例えば、事務員や清掃業者、医療機器整備などの人たち・・・そっちの結果はどうだったんだい。」

「さすがに、まだ全員の裏はとれていない。
特に清掃関係は・・・一人でいる時間もかなりあったようだ。今、確認している最中だ。」

「・・・まあ、さすがに1日で全員のアリバイを調べるのはきついだろうしね。後で結果を教えてもらえれば、僕はそれでいいよ。

じゃあ、時間もないし次の質問。
さっき、『看護士は、だいたいペアで動く』って言っていたけど・・・僕と弘幸の部屋へは看護士さんは一人しか来なかったよ。
これは、僕たちが冷遇されていたということなのかな。」

冬弥が、嘘っぽい『悲しそうな顔』をした。


「残念ながら、お前の悪行のせいでサービスが落とされていた訳じゃない。」

羽鳥刑事の言葉に、冬弥のこめかみがぴくりと動く。


・・・羽鳥刑事も、いい加減、無益な抵抗は止めればいいのに。
冬弥の手元を見ると、さっき何やらメモしていた紙に、更に何かを書き足していた。



・・・やれやれ。

話を早く終わらせたいのだろう。羽鳥刑事は、続けて一気に話し出した。


「ちゃんと見回りの看護士達も、ペアで一つの階の病室を見て回っていたんだ。

この病院は、一つの階に50の病室があって、それが廊下をはさんで、25室ずつ並んでいるんだが・・・その辺のことは、実際に入院しているお前らの方がよく知っているだろう?」


「当然!!」
冬弥が胸を張る。


決して威張るところではないと思ったが、話がややこしくなりそうなので、僕はつっこまなかった。

おそらく、羽鳥刑事も僕と同じことを考えたに違いない。肩をすくめただけで、すぐに話を続け出す。


「看護士達は一人で25部屋・・・つまり、廊下をはさんだ一列ずつの病室を、分担して見回りしていたんだ。
お互いに一部屋を大体5分程度で見回りしていたので、何回も二人は顔を合わせている。
とてもじゃないが、30分以上もの空き時間は持つことができなかっただろう。」

「もちろん、患者にも確認をとったんだよね?」

「ああ。どの部屋の患者も、その時間帯に看護士が回ってきたといっている。
また、患者の枕元に用意された、巡回時に看護士が記録する巡回カードにも、大体5分空き程度で二人が病室を回っていた様子が記録されていた。

看護士の顔を覚えている入院患者もいたので、途中で看護士が摩り替わっていたということもない。」


ため息をつきながら、冬弥は肩を落とす。

「病院ってのは、本当に時間に厳しい職場みたいだね。
一分単位で行動を縛られるなんて、僕には考えられないよ。
僕としては、『今日が何曜日か忘れちゃった』ぐらいが調度いいんだけどな。」


「「お前は、夏休み中の小学生か!!」」


また、羽鳥刑事とつっこみの声が重なる。

・・・惜しい。本当に良いパートナーになれそうなのに。


「やれやれ・・・」といった表情の羽鳥刑事。
・・・僕も同じような表情をしているのだろうか。
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