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2章.ギルタブリル討伐
25『工作室のエレシュキガル・前編』
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冥界の統括長である、黒いセーラー服姿のエレシュキガルは、工作室の黒板を背にし、南花達5人と対峙する。
そして、南花達はエレシュキガルに促され、木造の角椅子に座る…
「うんうん、誰も彼も色々と聞きたそうね魂の色をしているね…」
エレシュキガルが持つ冥界の眼には、南花達の胸の内側で不安定に揺らめく、瑠璃色の勾玉が見えている。
「質問は一人ずつ、挙手でお願いしま~すよ。」
一瞬の間があった後に、コマチが最初に手を上げる。
「はい、秋山君どうぞ。」
ごくりと唾を飲み込んだコマチが口を開く。
「なんで冥界が木造の校舎で、統括長のあなたが生徒会長役っていう設定なんだ?」
生徒会長と南花達4人が、へぇ?と不意打ちを食らった顔を見せ…
そして、ロングコートの女は鼻で笑う。
「初手の質問がそれかぁ…というか設定とか言わないで欲しいな~」
驚きを口にしつつも、統括長は答える。
「おほん…地上にある帝国とは違って、冥界は資材が乏しくて木造の小さな建物しか建てれないんだよね。だから、冥界という空間を、組織としては小さめの学校に見立てた上に、私が生徒会長として管理しているという感じかな。」
次に南花が手を上げ、エレシュキガルから指名される。
「どうして私達を、冥界に呼んだんですか?」
その問いを聞いた生徒会長の口角が僅かに上がる。
「そうだね、道のりは険しいけど目的はシンプルなんだよね…それは、今のバビロニア帝国の秩序を再構築する私の計画に協力して欲しいと言うことだね。」
「秩序を再構築する…」
アリサが、言葉を復唱しながら眉をひそめる。
「そう…南花君とアリサ君の父親も、10年前に加担していた【再構築計画】を再始動したいんだよね。」
「えっ!?」
南花とアリサは驚愕の声を上げると同時に、顔を見合わせる。
「…どういうこと?」
アリサが更に問いかける。
「南花君の父であり帝国屈指の武器職人であった鉄之助氏、そして…アリサ君の父であり帝国東圏側の軍人であったフェルム氏の2人に、自作の懐中時計を渡した【アトラ・ハーシス】という時計職人について知っているかい?」
南花とアリサは無言で、ほぼ同時に頷き…
各々が持つ懐中時計を取り出す。
「そうそう、その時計だね。」
2人の懐中時計を確認したエレシュキガルが続ける。
「どういう選定基準だったか不明なのだけれど…君達の父親が選ばれて、アトラから帝国の歴史と再構築計画の方法を告げられたみたいなんだよね…」
「そして、鉄之助氏とフェルム氏に接触した後に、アトラが冥界の私の元に訪れて…『帝国の秩序を再構築する時は熟しつつある。』とだけ伝えて去って行ったんだよ。」
エレシュキガルは口元に右手を添えながら、アトラとの会話を思い出す。
「そのアトラさんは、どのようなの方なんですか?」
サクラが慎重な面持ちで切り出す。
「そうだね。アトラ・ハーシスは、バビロニア帝国よりも東の地にある楽園【祇園精舎】に住まうとされる、【アヌの使徒】の一人だね。」
「アヌの使徒?」
南花は、前者の単語はスルーして、後者の聞き慣れない単語に興味を示す。
「それは太古の話…まだ何も無かったメソポタミアの地に舞い降りた創造主によって、この地を治める為に生み出した【バビロニア】と【ティアマト】の二つの神の勢力とは別に…」
工作室の窓際にある望遠鏡に近付いたエレシュキガルが続ける。
「このメソポタミアの発展の行く末を静観し、時には裁定を下す権利を与えられた不老不死の存在…それが【アヌの使徒】であり、2人いるんだよね。」
「もしかして、首都機関長であるギルガメッシュ統括長が、もう一人なの?」
アリサが更に詳しく聞く。
「いいや…私を含め、全ての統括長は、【バビロニア】と【ティアマト】による過去の大戦の双方の生き残りなんだよね。因みに、その大戦に負けたティアマト側の統括長は私を含め2人しか居ないけどね。」
そう告げたエレシュキガルの口調はどこか嫌味を感じさせながらも続ける。
「そして、創造主が設けた規定により、もしもアヌの使徒2人が、帝国の状態に対して警告を告げた場合は、現体制の秩序を大幅に再構築しなければならないと言うシステムになっているんだよ。」
「もう一人のアヌの使徒というのは、誰なんですか?」
アオイも思わず質問をする。
「あぁ、それはね…」
窓の方を向いていたエレシュキガルが、再び室内に視線を戻す。
「もう一人…いや、もう一機のアヌの使徒は、創造主によって粘土で製造された、神造人型永久裁定装置【エンキドゥ】…」
両隣に座る南花とアリサの席の間に、数歩、近付いたエレシュキガルが続ける。
「でも…そのエンキドゥは、統括長の一人であるギルガメッシュと親睦を深め過ぎた結果…創造主達は、帝国を統べる統括長と帝国を裁定すべき存在同士の癒着を危惧して…エンキドゥを凍結し、首都機関【バベルの塔】の地下の最下層に封印したの。」
不敵な笑みを見せたエレシュキガルが、南花とアリサに視線を向け、続ける。
「そして、南花君とアリサ君の父達は、そのエンキドゥの凍結を解除し損ねて、命を落とした…いや、私が2人の命を終わらせた。」
そして、南花達はエレシュキガルに促され、木造の角椅子に座る…
「うんうん、誰も彼も色々と聞きたそうね魂の色をしているね…」
エレシュキガルが持つ冥界の眼には、南花達の胸の内側で不安定に揺らめく、瑠璃色の勾玉が見えている。
「質問は一人ずつ、挙手でお願いしま~すよ。」
一瞬の間があった後に、コマチが最初に手を上げる。
「はい、秋山君どうぞ。」
ごくりと唾を飲み込んだコマチが口を開く。
「なんで冥界が木造の校舎で、統括長のあなたが生徒会長役っていう設定なんだ?」
生徒会長と南花達4人が、へぇ?と不意打ちを食らった顔を見せ…
そして、ロングコートの女は鼻で笑う。
「初手の質問がそれかぁ…というか設定とか言わないで欲しいな~」
驚きを口にしつつも、統括長は答える。
「おほん…地上にある帝国とは違って、冥界は資材が乏しくて木造の小さな建物しか建てれないんだよね。だから、冥界という空間を、組織としては小さめの学校に見立てた上に、私が生徒会長として管理しているという感じかな。」
次に南花が手を上げ、エレシュキガルから指名される。
「どうして私達を、冥界に呼んだんですか?」
その問いを聞いた生徒会長の口角が僅かに上がる。
「そうだね、道のりは険しいけど目的はシンプルなんだよね…それは、今のバビロニア帝国の秩序を再構築する私の計画に協力して欲しいと言うことだね。」
「秩序を再構築する…」
アリサが、言葉を復唱しながら眉をひそめる。
「そう…南花君とアリサ君の父親も、10年前に加担していた【再構築計画】を再始動したいんだよね。」
「えっ!?」
南花とアリサは驚愕の声を上げると同時に、顔を見合わせる。
「…どういうこと?」
アリサが更に問いかける。
「南花君の父であり帝国屈指の武器職人であった鉄之助氏、そして…アリサ君の父であり帝国東圏側の軍人であったフェルム氏の2人に、自作の懐中時計を渡した【アトラ・ハーシス】という時計職人について知っているかい?」
南花とアリサは無言で、ほぼ同時に頷き…
各々が持つ懐中時計を取り出す。
「そうそう、その時計だね。」
2人の懐中時計を確認したエレシュキガルが続ける。
「どういう選定基準だったか不明なのだけれど…君達の父親が選ばれて、アトラから帝国の歴史と再構築計画の方法を告げられたみたいなんだよね…」
「そして、鉄之助氏とフェルム氏に接触した後に、アトラが冥界の私の元に訪れて…『帝国の秩序を再構築する時は熟しつつある。』とだけ伝えて去って行ったんだよ。」
エレシュキガルは口元に右手を添えながら、アトラとの会話を思い出す。
「そのアトラさんは、どのようなの方なんですか?」
サクラが慎重な面持ちで切り出す。
「そうだね。アトラ・ハーシスは、バビロニア帝国よりも東の地にある楽園【祇園精舎】に住まうとされる、【アヌの使徒】の一人だね。」
「アヌの使徒?」
南花は、前者の単語はスルーして、後者の聞き慣れない単語に興味を示す。
「それは太古の話…まだ何も無かったメソポタミアの地に舞い降りた創造主によって、この地を治める為に生み出した【バビロニア】と【ティアマト】の二つの神の勢力とは別に…」
工作室の窓際にある望遠鏡に近付いたエレシュキガルが続ける。
「このメソポタミアの発展の行く末を静観し、時には裁定を下す権利を与えられた不老不死の存在…それが【アヌの使徒】であり、2人いるんだよね。」
「もしかして、首都機関長であるギルガメッシュ統括長が、もう一人なの?」
アリサが更に詳しく聞く。
「いいや…私を含め、全ての統括長は、【バビロニア】と【ティアマト】による過去の大戦の双方の生き残りなんだよね。因みに、その大戦に負けたティアマト側の統括長は私を含め2人しか居ないけどね。」
そう告げたエレシュキガルの口調はどこか嫌味を感じさせながらも続ける。
「そして、創造主が設けた規定により、もしもアヌの使徒2人が、帝国の状態に対して警告を告げた場合は、現体制の秩序を大幅に再構築しなければならないと言うシステムになっているんだよ。」
「もう一人のアヌの使徒というのは、誰なんですか?」
アオイも思わず質問をする。
「あぁ、それはね…」
窓の方を向いていたエレシュキガルが、再び室内に視線を戻す。
「もう一人…いや、もう一機のアヌの使徒は、創造主によって粘土で製造された、神造人型永久裁定装置【エンキドゥ】…」
両隣に座る南花とアリサの席の間に、数歩、近付いたエレシュキガルが続ける。
「でも…そのエンキドゥは、統括長の一人であるギルガメッシュと親睦を深め過ぎた結果…創造主達は、帝国を統べる統括長と帝国を裁定すべき存在同士の癒着を危惧して…エンキドゥを凍結し、首都機関【バベルの塔】の地下の最下層に封印したの。」
不敵な笑みを見せたエレシュキガルが、南花とアリサに視線を向け、続ける。
「そして、南花君とアリサ君の父達は、そのエンキドゥの凍結を解除し損ねて、命を落とした…いや、私が2人の命を終わらせた。」
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