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第二章 与えられし能力
2ー6 藤吉郎叔父貴の事と親衛隊構想
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なにせ藤吉郎叔父貴は、信長様しか目に入っていない。
だから領地のこともトト様にかなりの部分を任せっぱなしなんや。
信長様に如何に目を向けてもらうかだけを考えているような出世欲の権化のような人物だったと郷土史家の人が言っていたのを覚えている。
一つの見方ではあるやろし、そうした逸話が多々ある人物であるのは間違いない話ではあるな。
俺がこの戦国時代に覚醒してからは、未だ藤吉郎叔父に会ってはいないんだが、幼い頃の与一郎の記憶には藤吉郎叔父貴の風貌の記憶がわずかに残っている。
ほほのこけたやせぎすの小男やな。
猿に似ているかと言われれば似ているかもしれんが、与一郎の記憶の中の風貌はなぜか漫画にあったねずみ男を思い起こさせた。
俺の叔父貴なんで、そう思ったなんて、あんまり他言はできないよな。
それと、多分来年か再来年には長篠の合戦があるはずや。
トト様の話してくれた周辺情勢からは、武田勝頼の葛藤と焦りが透けて見える。
長篠の合戦では、鉄砲が大活躍するんだよね。
この時点では、俺はまだ満年齢で12歳にもなっていない(再来年なら数えで12歳にはなっているかな?)から、仮に俺の異能が色々使えたにしても、俺が戦に関与するのはまずい気がするんで、できたにしても敢えてスルーの予定やな。
いずれにせよ、できるだけの能力開発と訓練を行っておくことにする。
長篠の合戦では、史実通りならば、トト様も多分怪我などしないはずや。
だから、妙な力が働かない限り、放っておけば、織田・徳川連合軍が武田騎馬軍団を打ち破るやろ。
俺が表舞台に立つとするならば、やっぱり元服後が望ましいのやろな。
まぁ、元服なる武家のしきたりが踏襲されるかどうかは今のところ不明やね。
但し、元服の式が無い場合でも、満年齢で15歳になったらそれなりに動くつもりでいる。
少し心配なのは、俺が動くことで生じる歴史改変の影響だよな。
SF小説では、昔からいくつかの仮説があるんや。
一つは、並行世界のために、歴史を逆行して歴史を改ざんした時点で、枝分かれした別の世界になるという説。
もう一つは、歴史の慣性力が改変をさせないという説。
歴史を変えようとしても、最終的には歴史通りに動くという説だな。
いずれの場合であっても、死にかけていた与一郎が蘇ったことで歴史の一部は変えられたんやないかと思う。
この先若くして与一郎が夭折する可能性は無きにしも非ずやけれど、死の淵から蘇るほどの治癒能力を持った俺を殺すのは至難の業じゃないかと思うぞ。
それに、今後は仙術も訓練を重ねる予定なんやが、それに合わせて身体のほうも鍛えて行くつもりやから、俺は、多分、この時代のスーパーマンになれるはずやないかな?
チートな力を誇示するのは、今のところできるだけ避けるつもりや。
ただ、元服前なり、15歳になる前なりに、万が一、トト様やカカ様の身が危うくなれば、少々の問題があろうとも全力で俺は介入するつもりではいるんやで。
俺としては、二度と予期せぬ家族の悲報は聞きたくないんや。
そんなことになる前に、できるだけ俺の下で色々と動いてくれる旗本衆?もしくは親衛隊?を養成しておこうと思うている。
その候補は、取り敢えず、近所の悪ガキどもや世の中に溢れている孤児達やな。
実は、人に鑑定を掛けると、その人物の能力なんかがある程度は見えるということがわかったんや。
その中で有能そうな者を仲間に引き入れて、その才能を伸ばし、是非とも俺の親衛隊を作りあげたいと思うている。
親衛隊の要員としては、やっぱり、万が一の場合に力で頼りになる男が望ましいけれど、役に立つ能力が有るなら女でも構わないやろ。
親衛隊の基地としての候補地を考えながら二月ほどかけて長浜城の周辺を散策してみたんやが、城の南東側にある寺田地区に田村山と言う丘がある。
標高で確か130mぐらいの小山なのやけど、比較的平らな琵琶湖東岸のこの一帯では少し盛り上がった地形がとても目立つ場所や。
この田村山には、地形的に城があってもおかしゅうは無いんやが、地方郷士の居館は付近にはあっても、田村山には何も無いな。
砦としてならともかく、多分城郭としては丘陵がなだらか過ぎて低いし、敷地も狭すぎるのやろ。
特に、この時代は山城が主流やったから、なおさらかもな。
この丘陵地帯の東側半分は、原生状態の雑木林が生い茂っていてほとんど手付かずの状態やねん。
西側半分には、神社が二つに、お寺もあるけれど、東半分なら周辺の農民にも影響を与える場所じゃないし、何より、長浜城築城に伴う城下町の計画区域からは外れている。
俺が知っている令和の長浜とは、琵琶湖岸の形状を含めて全体的に随分と違っているような気がするんやが、この田村山やその東にある神田山の地形自体は余り変わっていないんや。
令和時代の神田山なんかはハイキングコースもあって、俺(浩一郎)も小学校の遠足で行ったことがある場所や。
田村山を選んだのは、単に長浜城から近いからに過ぎない。
長浜城からは直線距離で約3キロ、道なりで歩くとおそらくは3キロ半から4キロというところか。
他にも俺が通っていた中学校の近くも候補地ではあったんやが、長浜城からやと4キロを超す上に、予定していた広さの半分を畑や田んぼが占めている。
此処をガキのたまり場にするから寄越せと言うたら、流石にお百姓さんも怒るよな。
そんなことを計画しつつも、その年は過ぎて行く。
天正元年に長浜一帯の領主となった藤吉郎叔父貴はおよそ12万石の大名格になり、織田軍の武将の一角になっていた。
トト様は藤吉郎叔父の臣下に過ぎないが、実は八千六百石取りの旗本やで。
長浜城の建設中ではあるものの、長浜城下の整備も進み、トト様の屋敷も出来上がって、カカ様と俺も仮小屋から屋敷へ移ったよ。
当然のことながら、郎党も増えたから屋敷はかなりでかいぞ。
また、長浜領主となった藤吉郎叔父貴は、苗字を「木下」から「羽柴」に変更することを信長に願い出て、許してもらった。
因みに秀吉と名乗り始めたのは小牧山移転の頃からで、当時は「木下藤吉郎秀吉」であったんや。
この改名により今度は羽柴秀吉となったわけで、トト様もこの時期に羽柴に苗字を変えたんや。
但し、この当時のトト様は「秀長」ではなく「羽柴小一郎長秀」と称していたんやで。
後になって、トト様がよほど信長の覚えめでたき人物になったのか、丹羽長秀殿と呼び名が重なることを遠慮して、秀長と改名したようじゃ。
そんなことは別にしても、織田軍団の戦は続く。
天正二年七月には、織田信長が長島鎮圧(三回目)のための軍勢を動かした。
越前の一揆衆の抑えで藤吉郎叔父貴が北に向かうほか、畿内で政務に当たる明智光秀を残し、主だった武将をすべて引き連れ、総勢で7万の軍勢が参戦したんや。
そうしてトトさまは、長浜に残った兵を引き連れてこの戦に参戦したのじゃ。
俺も物凄く不安ではあったが、史実通りならトト様は無事に戻って来ると思ってた。
但し、俺の存在自体がイレギュラーだからな。
もしかすると、トト様が矢弾に当たって死んだりせぬかとの不安は間違いなくあったぜ。
でも10月になったら、ちゃんとトトさまは無事に戻って来たんでほっとしたぜ。
長島が陥落した後、岐阜や小牧山に居た祖母(オババ)のナカ様、叔母の寧々様、それにナカ様の縁者である小出、青木、福島、加藤などの郎党が揃って長浜にやって来たよ。
このうち福島市松(後の福島正則)、加藤虎之介(後の加藤清正)は、藤吉郎叔父の小姓となり、いずれ藤吉郎叔父の子飼いの武将になることになる。
また、さほど時を置かずして、石田佐吉(三成)と石田弥三郎(正澄)兄弟や、加藤孫六(嘉明)、片桐助作(且元)なども長浜にやって来たぜ。
翌年(天正三年)には、俺も数えで11歳になったが、その年四月には、長浜城が完成し、藤吉郎叔父貴が正式に入城したよ。
◇◇◇◇
天正三年の卯月(4月)、俺はトト様にお願いして、田村山の丘陵の東半分約九千坪から一万坪の山林を貰うことにした。
あぁ、土地の所有権を貰うんじゃなく、使用する権利を貰うて、そこにガキどもが集えるような場所を造りたいと申し出たんや。
あるいはダメ出しを喰らうかなと思ったんやけど、そもそも丘陵地帯の山林を切り開いて農地にするのはかなり手間がかかることや、近隣の農民達が特段の利用をしていないこともあって、申し出から半月後には、許しが得られたよ。
半月もかかったんは、どうも、偶々岐阜の信長様の下に馳せ参じていた藤吉郎叔父貴にまでわざわざ了解を取り付けた上での許しのようや。
あるいは、俺たちが切り開いた場所が後で有効利用できると思ったかもしれないな。
まぁ、将来的に取り上げられるかもしれないということは織り込み済みや。
こうして俺たちの溜り場を造る計画が本格的に動き始めたのは、天正三年(1575年)の初夏じゃった。
因みにこの時までに集めた純金は、累計で1.1トンを超えていたよ。
令和時代の日本円に換算すると、およそで198億円ほどになり、異世界商店のポイントで言えば176億pを優に超えているはずだ。
これだけあればいろいろな物が買える(280~300億円相当)んだが、取り敢えずは辛抱な。
今は雌伏の時で、できるだけ金を貯めるのがメインなんだ。
それでも親衛隊に必要な装備は、徐々に整えて行くつもりではいる。
先ずは、ガキどもを俺の手下にしなければならん。
そのためには、冥性陰陽術をも使いながら、ガキどもを手懐けて行くことにしよう。
因みに冥性陰陽術というのはラノベでいう闇魔法に近いんやないかな。
色々と試してみたが、人または動物の意思に作用し、ある程度は洗脳できるみたいなんやが、これを多用すると意思の無い人間が出来上がりそうなんで、注意しなければならないな。
まぁ、取敢えずのきっかけを掴むぐらいの利用ならば構わないだろうと思う。
俺は、早速に近隣の顔見知りの子供たちに声をかけたよ。
無論、俺の鑑定を使って人物を確認して選んでいる。
伊助、大五郎、作蔵、伊右衛門、晋三、吾作、惣兵衛、嘉兵衛、直助、春蔵、治助、平蔵の12名が取り敢えずの最初のメンバーや。
伊助、大五郎、作蔵それに平蔵が一番年上で数えの12歳、伊右衛門、晋三、吾作は俺と同じく数えで11歳、惣兵衛以下の6名は全員が数えで10歳だ。
このうち伊助が朝日地区のガキ大将で、大五郎が地福寺界隈のガキ大将や。
他の者は、ほとんどがこの二人に追従していた者やが、平蔵だけはどこにも属さんと独立独歩やったガキやな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
物語とは関係の無い話ですが、金の価格が1オンス5000ドルを超えたというニュースがありました。
あくまでスポット価格のようですが、某有名貴金属店での最新の値段でも1グラム1万9千円を超えています。
金の高騰が目立ちますが、これに追従していると話が進みませんので、現在の金相場は無視して当初の設定で話を進めさせていただきます。
まぁ、パラレルワールドの令和とでも捉えてください。
2026年1月30日 By サクラ近衛将監
だから領地のこともトト様にかなりの部分を任せっぱなしなんや。
信長様に如何に目を向けてもらうかだけを考えているような出世欲の権化のような人物だったと郷土史家の人が言っていたのを覚えている。
一つの見方ではあるやろし、そうした逸話が多々ある人物であるのは間違いない話ではあるな。
俺がこの戦国時代に覚醒してからは、未だ藤吉郎叔父に会ってはいないんだが、幼い頃の与一郎の記憶には藤吉郎叔父貴の風貌の記憶がわずかに残っている。
ほほのこけたやせぎすの小男やな。
猿に似ているかと言われれば似ているかもしれんが、与一郎の記憶の中の風貌はなぜか漫画にあったねずみ男を思い起こさせた。
俺の叔父貴なんで、そう思ったなんて、あんまり他言はできないよな。
それと、多分来年か再来年には長篠の合戦があるはずや。
トト様の話してくれた周辺情勢からは、武田勝頼の葛藤と焦りが透けて見える。
長篠の合戦では、鉄砲が大活躍するんだよね。
この時点では、俺はまだ満年齢で12歳にもなっていない(再来年なら数えで12歳にはなっているかな?)から、仮に俺の異能が色々使えたにしても、俺が戦に関与するのはまずい気がするんで、できたにしても敢えてスルーの予定やな。
いずれにせよ、できるだけの能力開発と訓練を行っておくことにする。
長篠の合戦では、史実通りならば、トト様も多分怪我などしないはずや。
だから、妙な力が働かない限り、放っておけば、織田・徳川連合軍が武田騎馬軍団を打ち破るやろ。
俺が表舞台に立つとするならば、やっぱり元服後が望ましいのやろな。
まぁ、元服なる武家のしきたりが踏襲されるかどうかは今のところ不明やね。
但し、元服の式が無い場合でも、満年齢で15歳になったらそれなりに動くつもりでいる。
少し心配なのは、俺が動くことで生じる歴史改変の影響だよな。
SF小説では、昔からいくつかの仮説があるんや。
一つは、並行世界のために、歴史を逆行して歴史を改ざんした時点で、枝分かれした別の世界になるという説。
もう一つは、歴史の慣性力が改変をさせないという説。
歴史を変えようとしても、最終的には歴史通りに動くという説だな。
いずれの場合であっても、死にかけていた与一郎が蘇ったことで歴史の一部は変えられたんやないかと思う。
この先若くして与一郎が夭折する可能性は無きにしも非ずやけれど、死の淵から蘇るほどの治癒能力を持った俺を殺すのは至難の業じゃないかと思うぞ。
それに、今後は仙術も訓練を重ねる予定なんやが、それに合わせて身体のほうも鍛えて行くつもりやから、俺は、多分、この時代のスーパーマンになれるはずやないかな?
チートな力を誇示するのは、今のところできるだけ避けるつもりや。
ただ、元服前なり、15歳になる前なりに、万が一、トト様やカカ様の身が危うくなれば、少々の問題があろうとも全力で俺は介入するつもりではいるんやで。
俺としては、二度と予期せぬ家族の悲報は聞きたくないんや。
そんなことになる前に、できるだけ俺の下で色々と動いてくれる旗本衆?もしくは親衛隊?を養成しておこうと思うている。
その候補は、取り敢えず、近所の悪ガキどもや世の中に溢れている孤児達やな。
実は、人に鑑定を掛けると、その人物の能力なんかがある程度は見えるということがわかったんや。
その中で有能そうな者を仲間に引き入れて、その才能を伸ばし、是非とも俺の親衛隊を作りあげたいと思うている。
親衛隊の要員としては、やっぱり、万が一の場合に力で頼りになる男が望ましいけれど、役に立つ能力が有るなら女でも構わないやろ。
親衛隊の基地としての候補地を考えながら二月ほどかけて長浜城の周辺を散策してみたんやが、城の南東側にある寺田地区に田村山と言う丘がある。
標高で確か130mぐらいの小山なのやけど、比較的平らな琵琶湖東岸のこの一帯では少し盛り上がった地形がとても目立つ場所や。
この田村山には、地形的に城があってもおかしゅうは無いんやが、地方郷士の居館は付近にはあっても、田村山には何も無いな。
砦としてならともかく、多分城郭としては丘陵がなだらか過ぎて低いし、敷地も狭すぎるのやろ。
特に、この時代は山城が主流やったから、なおさらかもな。
この丘陵地帯の東側半分は、原生状態の雑木林が生い茂っていてほとんど手付かずの状態やねん。
西側半分には、神社が二つに、お寺もあるけれど、東半分なら周辺の農民にも影響を与える場所じゃないし、何より、長浜城築城に伴う城下町の計画区域からは外れている。
俺が知っている令和の長浜とは、琵琶湖岸の形状を含めて全体的に随分と違っているような気がするんやが、この田村山やその東にある神田山の地形自体は余り変わっていないんや。
令和時代の神田山なんかはハイキングコースもあって、俺(浩一郎)も小学校の遠足で行ったことがある場所や。
田村山を選んだのは、単に長浜城から近いからに過ぎない。
長浜城からは直線距離で約3キロ、道なりで歩くとおそらくは3キロ半から4キロというところか。
他にも俺が通っていた中学校の近くも候補地ではあったんやが、長浜城からやと4キロを超す上に、予定していた広さの半分を畑や田んぼが占めている。
此処をガキのたまり場にするから寄越せと言うたら、流石にお百姓さんも怒るよな。
そんなことを計画しつつも、その年は過ぎて行く。
天正元年に長浜一帯の領主となった藤吉郎叔父貴はおよそ12万石の大名格になり、織田軍の武将の一角になっていた。
トト様は藤吉郎叔父の臣下に過ぎないが、実は八千六百石取りの旗本やで。
長浜城の建設中ではあるものの、長浜城下の整備も進み、トト様の屋敷も出来上がって、カカ様と俺も仮小屋から屋敷へ移ったよ。
当然のことながら、郎党も増えたから屋敷はかなりでかいぞ。
また、長浜領主となった藤吉郎叔父貴は、苗字を「木下」から「羽柴」に変更することを信長に願い出て、許してもらった。
因みに秀吉と名乗り始めたのは小牧山移転の頃からで、当時は「木下藤吉郎秀吉」であったんや。
この改名により今度は羽柴秀吉となったわけで、トト様もこの時期に羽柴に苗字を変えたんや。
但し、この当時のトト様は「秀長」ではなく「羽柴小一郎長秀」と称していたんやで。
後になって、トト様がよほど信長の覚えめでたき人物になったのか、丹羽長秀殿と呼び名が重なることを遠慮して、秀長と改名したようじゃ。
そんなことは別にしても、織田軍団の戦は続く。
天正二年七月には、織田信長が長島鎮圧(三回目)のための軍勢を動かした。
越前の一揆衆の抑えで藤吉郎叔父貴が北に向かうほか、畿内で政務に当たる明智光秀を残し、主だった武将をすべて引き連れ、総勢で7万の軍勢が参戦したんや。
そうしてトトさまは、長浜に残った兵を引き連れてこの戦に参戦したのじゃ。
俺も物凄く不安ではあったが、史実通りならトト様は無事に戻って来ると思ってた。
但し、俺の存在自体がイレギュラーだからな。
もしかすると、トト様が矢弾に当たって死んだりせぬかとの不安は間違いなくあったぜ。
でも10月になったら、ちゃんとトトさまは無事に戻って来たんでほっとしたぜ。
長島が陥落した後、岐阜や小牧山に居た祖母(オババ)のナカ様、叔母の寧々様、それにナカ様の縁者である小出、青木、福島、加藤などの郎党が揃って長浜にやって来たよ。
このうち福島市松(後の福島正則)、加藤虎之介(後の加藤清正)は、藤吉郎叔父の小姓となり、いずれ藤吉郎叔父の子飼いの武将になることになる。
また、さほど時を置かずして、石田佐吉(三成)と石田弥三郎(正澄)兄弟や、加藤孫六(嘉明)、片桐助作(且元)なども長浜にやって来たぜ。
翌年(天正三年)には、俺も数えで11歳になったが、その年四月には、長浜城が完成し、藤吉郎叔父貴が正式に入城したよ。
◇◇◇◇
天正三年の卯月(4月)、俺はトト様にお願いして、田村山の丘陵の東半分約九千坪から一万坪の山林を貰うことにした。
あぁ、土地の所有権を貰うんじゃなく、使用する権利を貰うて、そこにガキどもが集えるような場所を造りたいと申し出たんや。
あるいはダメ出しを喰らうかなと思ったんやけど、そもそも丘陵地帯の山林を切り開いて農地にするのはかなり手間がかかることや、近隣の農民達が特段の利用をしていないこともあって、申し出から半月後には、許しが得られたよ。
半月もかかったんは、どうも、偶々岐阜の信長様の下に馳せ参じていた藤吉郎叔父貴にまでわざわざ了解を取り付けた上での許しのようや。
あるいは、俺たちが切り開いた場所が後で有効利用できると思ったかもしれないな。
まぁ、将来的に取り上げられるかもしれないということは織り込み済みや。
こうして俺たちの溜り場を造る計画が本格的に動き始めたのは、天正三年(1575年)の初夏じゃった。
因みにこの時までに集めた純金は、累計で1.1トンを超えていたよ。
令和時代の日本円に換算すると、およそで198億円ほどになり、異世界商店のポイントで言えば176億pを優に超えているはずだ。
これだけあればいろいろな物が買える(280~300億円相当)んだが、取り敢えずは辛抱な。
今は雌伏の時で、できるだけ金を貯めるのがメインなんだ。
それでも親衛隊に必要な装備は、徐々に整えて行くつもりではいる。
先ずは、ガキどもを俺の手下にしなければならん。
そのためには、冥性陰陽術をも使いながら、ガキどもを手懐けて行くことにしよう。
因みに冥性陰陽術というのはラノベでいう闇魔法に近いんやないかな。
色々と試してみたが、人または動物の意思に作用し、ある程度は洗脳できるみたいなんやが、これを多用すると意思の無い人間が出来上がりそうなんで、注意しなければならないな。
まぁ、取敢えずのきっかけを掴むぐらいの利用ならば構わないだろうと思う。
俺は、早速に近隣の顔見知りの子供たちに声をかけたよ。
無論、俺の鑑定を使って人物を確認して選んでいる。
伊助、大五郎、作蔵、伊右衛門、晋三、吾作、惣兵衛、嘉兵衛、直助、春蔵、治助、平蔵の12名が取り敢えずの最初のメンバーや。
伊助、大五郎、作蔵それに平蔵が一番年上で数えの12歳、伊右衛門、晋三、吾作は俺と同じく数えで11歳、惣兵衛以下の6名は全員が数えで10歳だ。
このうち伊助が朝日地区のガキ大将で、大五郎が地福寺界隈のガキ大将や。
他の者は、ほとんどがこの二人に追従していた者やが、平蔵だけはどこにも属さんと独立独歩やったガキやな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
物語とは関係の無い話ですが、金の価格が1オンス5000ドルを超えたというニュースがありました。
あくまでスポット価格のようですが、某有名貴金属店での最新の値段でも1グラム1万9千円を超えています。
金の高騰が目立ちますが、これに追従していると話が進みませんので、現在の金相場は無視して当初の設定で話を進めさせていただきます。
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2026年1月30日 By サクラ近衛将監
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