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第一章 与えられし異能
1ー23 互いの家訪問 その一
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9月半ばになって、一応ひと段落ついたので、お約束だった我が家に梓ちゃんをご招待する件を実行することにした。
梓ちゃんが我が家に来るのは9月23日の土曜日で、俺が梓ちゃんの家を訪問するのは25日の月曜日(祭日)にした。
9月23日、JR駅前で待ち合わせ、梓ちゃんをエスコートして我が家へ連れて来た。
打ち合わせ通り、梓ちゃんの服装はセーラー服だ。
俺もそれに合わせて学生服でエスコート。
我が家の場合、家族は裏口から出入りすることが多いんだが、今日ばかりは正面玄関から入る。
午前も少し早い時間なので、お袋のお弟子さんたちは、まだ来ない時間帯なんだ。
俺もさすがにお弟子さんたちがいっぱい居る中で、梓ちゃんと二人で玄関を潜るのはちょっとやりにくいよな。
別に悪いことをしているわけじゃないんだから、こそこそ隠れる必要はないんだが、やっぱり公然と目立つことはしにくい場合もあるだろう?
いずれにしろ、予告しておいたから、この日ばかりは家族全員が家にいた。
で、俺の家族への紹介だな。
茶の間に全員揃ったので、俺が年長者から順に紹介してゆく。
祖父母、次いで両親、それに妹二人だな。
梓ちゃんは自分で自己紹介をした。
その後は家族との団らん。
梓ちゃんに色々と質問が集中したが、梓ちゃん臆することなく難なくさばいて行く。
やっぱり、梓ちゃん頭の回転が速いと思うし、笑顔がいい。
妹二人は、すっかり気に入ったようで、1時間もすると梓姉ちゃんと言って懐いていたな。
両親に祖父母も、普段以上にニコニコとしているぜ。
なにせ、俺が初めて家に連れて来たガールフレンドだからな。
ある意味で、息子(孫)も人並みになったと安心しているのかもしれない。
その日は、我が家での昼食を挟んで色々と家の中を案内した。
俺の家は、お袋がやっている華道の稽古場もあって結構広いから、見て回るところは結構あるんだ。
但し、お弟子さんたちが稽古をやっているところは邪魔しちゃいけないから、障子の陰などからちょっとのぞくだけだな。
俺の部屋にも案内したよ。
普段は何かと散らかっているんだが、昨日から一生懸命に片づけてあるから意外ときれいになっているはずだ。
見られちゃいけないものは・・・、うん、無いはずだ。
取り敢えず午後三時には一大行事が済んで、梓ちゃんを小林家のすぐ近くまで送り届けたよ。
二日後にはお邪魔しなけりゃいけないからな、その下見を兼ねているんだが、別に転居もしていないので俺が前から知っている家に間違いはなかったな。
◇◇◇◇
そうして9月25日、俺はJR駅前で梓ちゃんと合流して、小林家へと向かった。
服装は打ち合わせ通り学生服だぜ。
梓ちゃんの家は、江戸時代の初め頃まで遡れる旧家らしい。
家は建て替えられているんだが、敷地は結構広くって300坪ぐらいある。
家は和風建築の昔の家を踏襲しているらしいが、どこがそうなのかは俺も良くわからない。
梓ちゃんのご両親、それに父方の祖父母、近所に住んでいる母方の祖父母もやってきて、二時間ほど洋室の居間で品定めの質問をされたな。
まぁ、俺の家でも梓ちゃんが受けた禊でもある。
これを無事に通過せんことには、以後のお付き合いができんのだ。
話題の中心は、夏休みの自由研究の話が7割ほどだった。
報道関係に聞かれたようなことを繰り返して、何とか質問の嵐の峠を越えたようだ。
お姉さんは別の高校の三年生で、来年は大学を受験するらしい。
勉強中だったのに、ちょっとだけお邪魔して挨拶だけはしたよ。
お兄さんは大学生で不在。
八月末までは帰省していたらしいけれど、クラブ活動が有って早目に戻ったようだ。
昼食は大家族で食べました。
チラシ寿司がメインで、とてもおいしくいただきました。
昼食後、家の中を案内してもらい、梓ちゃんの部屋にも入れてもらったよ。
俺の部屋とは違って、どこもかしこもきれいに片付いていて、女の子らしい部屋という印象を受けた。
家で目立ったのは、十畳和室にある大黒柱と梁が、とても大きなものを使っていたことだった。
古い家の使える材料を再利用しているらしい。
他にも特徴的なのは、なまこ壁の土蔵が三つも敷地内にあることかな。
そのうち二つは現在も使われているらしいんだが、もう一つは開かずの土蔵になっているらしい。
鍵が無くって、土蔵の外側の厚い扉が開けられないらしい。
色々錠前師を当たってみたものの駄目で、取り壊すのもご先祖様に申し訳ないと、そのまま開かずの土蔵になっているようだ。
庭を歩いているとその三つの土蔵も当然に目につくことになる。
流石に土蔵の中を見るのは失礼に当たりそうだから遠慮したけれど、梓ちゃんはいいから見て行きなさいよと俺を誘ってくれた。
土蔵の中もきれいに整理されていた。
きっと小林家の人々はみんな綺麗好きなんだろうな。
これを見ると、ウチの物置はかなり乱雑になっているように思えるよ。
土蔵の中は木箱やら段ボールの箱が積み重ねられており、内容物、入れた日、出した日がきちんとメモ書きされているんだ。
スゲぇよな。
で、開かずの土蔵の前にも行った。
俺が何とはなしに空間把握を行うと、鍵の構造が分かってしまった。
構造が分かれば開けるのは可能?
そういうわけで梓ちゃんに了解を得てやってみることにする。
但し、鍵になるモノが要る。
梓ちゃんにお願いして少し長めの+(プラス)ドライバーを持ってきてもらった。
まっすぐなものだから鍵穴には入る。
他の土蔵の鍵も結構太めの鉄製のもので色々ギザギザのついている奴なんだ
だが、俺には必要に応じて鉄成分の形も変えられるようになっていた。
他の成分はごみになってしまうけれど、主成分が鉄であれば問題はない。
後で炭素をぶち込んでやれば相応に硬くなるからね。
まぁ、チョット調整を間違えてとんでもない硬く強靭な鉄を生み出してしまったのは内緒の話だ。
でも、俺さえ黙っていれば問題はない。
とにかく空間把握で分かった状態にドライバーの形を変えて行く。
何しろお手本になる別の土蔵の鍵二本を梓ちゃんが持っているのだから、鍵穴に合わせて変化させるのはさほど難しいことじゃない。
で、色々カチャカチャやっているように見せかけて、一分もかけずに開けて見せた。
取っ手を引っ張るとギシギシ鳴りながらもすんなり開いたが、実はかなり重いはずだ。
俺の馬鹿力で開けられたけれど、こいつはヒンジのところに油をささなければ本来は開けられなかったかもしれないな。
今のところは放置して置き、家人が来たら油を頼んでみよう。
潤滑油かグリースでも構わない。
それを注いでから、俺が抵抗をやや弱めれば梓ちゃんでも開けられるはずだ。
但し、それから小林家が大騒ぎになった。
何せ、ここ百五十年から二百年程は開けたことの無い土蔵が開いたのだ。
大きな扉の中には木製の扉が有ったが、そちらの錠前は錆びて壊れていたな。
いずれにしろ小林家の人が総出で蔵の中を点検して行った。
但し、ほこりが凄まじい。
明かり取りが閉めてあっても多少の自然換気はあるようで、どうしても外気は入ってくることになり、ほこりがたまるものらしい。
だが湿気はない。
土蔵の漆喰が適度な湿度を保ってくれるらしい。
だから昔の人は大切な物を木箱や茶櫃に入れて土蔵に保管したんだな。
この土蔵もきれいに整理されていたが、張られている紙が風化して読めないものが結構あるみたいだ。
掃除機をかけるとそれらの紙も吸い込んでしまいそうなので、昔ながらの「はたき」と「ほうき」とそれに筆とか刷毛の出番、みんなして手拭いで口を覆って掃除をしたよ。
俺も手伝った。
そんな作業中に俺は内容物に鑑定をかけた。
うん、すごいよね。
宝物がいっぱいだった。
所謂、骨とう品という奴なんだけれど。
例によって、俺には鑑定で時価が分かる。
江戸時代の浮世絵の原画や版木などは8桁の金額が付いている物がある。
梓ちゃんが我が家に来るのは9月23日の土曜日で、俺が梓ちゃんの家を訪問するのは25日の月曜日(祭日)にした。
9月23日、JR駅前で待ち合わせ、梓ちゃんをエスコートして我が家へ連れて来た。
打ち合わせ通り、梓ちゃんの服装はセーラー服だ。
俺もそれに合わせて学生服でエスコート。
我が家の場合、家族は裏口から出入りすることが多いんだが、今日ばかりは正面玄関から入る。
午前も少し早い時間なので、お袋のお弟子さんたちは、まだ来ない時間帯なんだ。
俺もさすがにお弟子さんたちがいっぱい居る中で、梓ちゃんと二人で玄関を潜るのはちょっとやりにくいよな。
別に悪いことをしているわけじゃないんだから、こそこそ隠れる必要はないんだが、やっぱり公然と目立つことはしにくい場合もあるだろう?
いずれにしろ、予告しておいたから、この日ばかりは家族全員が家にいた。
で、俺の家族への紹介だな。
茶の間に全員揃ったので、俺が年長者から順に紹介してゆく。
祖父母、次いで両親、それに妹二人だな。
梓ちゃんは自分で自己紹介をした。
その後は家族との団らん。
梓ちゃんに色々と質問が集中したが、梓ちゃん臆することなく難なくさばいて行く。
やっぱり、梓ちゃん頭の回転が速いと思うし、笑顔がいい。
妹二人は、すっかり気に入ったようで、1時間もすると梓姉ちゃんと言って懐いていたな。
両親に祖父母も、普段以上にニコニコとしているぜ。
なにせ、俺が初めて家に連れて来たガールフレンドだからな。
ある意味で、息子(孫)も人並みになったと安心しているのかもしれない。
その日は、我が家での昼食を挟んで色々と家の中を案内した。
俺の家は、お袋がやっている華道の稽古場もあって結構広いから、見て回るところは結構あるんだ。
但し、お弟子さんたちが稽古をやっているところは邪魔しちゃいけないから、障子の陰などからちょっとのぞくだけだな。
俺の部屋にも案内したよ。
普段は何かと散らかっているんだが、昨日から一生懸命に片づけてあるから意外ときれいになっているはずだ。
見られちゃいけないものは・・・、うん、無いはずだ。
取り敢えず午後三時には一大行事が済んで、梓ちゃんを小林家のすぐ近くまで送り届けたよ。
二日後にはお邪魔しなけりゃいけないからな、その下見を兼ねているんだが、別に転居もしていないので俺が前から知っている家に間違いはなかったな。
◇◇◇◇
そうして9月25日、俺はJR駅前で梓ちゃんと合流して、小林家へと向かった。
服装は打ち合わせ通り学生服だぜ。
梓ちゃんの家は、江戸時代の初め頃まで遡れる旧家らしい。
家は建て替えられているんだが、敷地は結構広くって300坪ぐらいある。
家は和風建築の昔の家を踏襲しているらしいが、どこがそうなのかは俺も良くわからない。
梓ちゃんのご両親、それに父方の祖父母、近所に住んでいる母方の祖父母もやってきて、二時間ほど洋室の居間で品定めの質問をされたな。
まぁ、俺の家でも梓ちゃんが受けた禊でもある。
これを無事に通過せんことには、以後のお付き合いができんのだ。
話題の中心は、夏休みの自由研究の話が7割ほどだった。
報道関係に聞かれたようなことを繰り返して、何とか質問の嵐の峠を越えたようだ。
お姉さんは別の高校の三年生で、来年は大学を受験するらしい。
勉強中だったのに、ちょっとだけお邪魔して挨拶だけはしたよ。
お兄さんは大学生で不在。
八月末までは帰省していたらしいけれど、クラブ活動が有って早目に戻ったようだ。
昼食は大家族で食べました。
チラシ寿司がメインで、とてもおいしくいただきました。
昼食後、家の中を案内してもらい、梓ちゃんの部屋にも入れてもらったよ。
俺の部屋とは違って、どこもかしこもきれいに片付いていて、女の子らしい部屋という印象を受けた。
家で目立ったのは、十畳和室にある大黒柱と梁が、とても大きなものを使っていたことだった。
古い家の使える材料を再利用しているらしい。
他にも特徴的なのは、なまこ壁の土蔵が三つも敷地内にあることかな。
そのうち二つは現在も使われているらしいんだが、もう一つは開かずの土蔵になっているらしい。
鍵が無くって、土蔵の外側の厚い扉が開けられないらしい。
色々錠前師を当たってみたものの駄目で、取り壊すのもご先祖様に申し訳ないと、そのまま開かずの土蔵になっているようだ。
庭を歩いているとその三つの土蔵も当然に目につくことになる。
流石に土蔵の中を見るのは失礼に当たりそうだから遠慮したけれど、梓ちゃんはいいから見て行きなさいよと俺を誘ってくれた。
土蔵の中もきれいに整理されていた。
きっと小林家の人々はみんな綺麗好きなんだろうな。
これを見ると、ウチの物置はかなり乱雑になっているように思えるよ。
土蔵の中は木箱やら段ボールの箱が積み重ねられており、内容物、入れた日、出した日がきちんとメモ書きされているんだ。
スゲぇよな。
で、開かずの土蔵の前にも行った。
俺が何とはなしに空間把握を行うと、鍵の構造が分かってしまった。
構造が分かれば開けるのは可能?
そういうわけで梓ちゃんに了解を得てやってみることにする。
但し、鍵になるモノが要る。
梓ちゃんにお願いして少し長めの+(プラス)ドライバーを持ってきてもらった。
まっすぐなものだから鍵穴には入る。
他の土蔵の鍵も結構太めの鉄製のもので色々ギザギザのついている奴なんだ
だが、俺には必要に応じて鉄成分の形も変えられるようになっていた。
他の成分はごみになってしまうけれど、主成分が鉄であれば問題はない。
後で炭素をぶち込んでやれば相応に硬くなるからね。
まぁ、チョット調整を間違えてとんでもない硬く強靭な鉄を生み出してしまったのは内緒の話だ。
でも、俺さえ黙っていれば問題はない。
とにかく空間把握で分かった状態にドライバーの形を変えて行く。
何しろお手本になる別の土蔵の鍵二本を梓ちゃんが持っているのだから、鍵穴に合わせて変化させるのはさほど難しいことじゃない。
で、色々カチャカチャやっているように見せかけて、一分もかけずに開けて見せた。
取っ手を引っ張るとギシギシ鳴りながらもすんなり開いたが、実はかなり重いはずだ。
俺の馬鹿力で開けられたけれど、こいつはヒンジのところに油をささなければ本来は開けられなかったかもしれないな。
今のところは放置して置き、家人が来たら油を頼んでみよう。
潤滑油かグリースでも構わない。
それを注いでから、俺が抵抗をやや弱めれば梓ちゃんでも開けられるはずだ。
但し、それから小林家が大騒ぎになった。
何せ、ここ百五十年から二百年程は開けたことの無い土蔵が開いたのだ。
大きな扉の中には木製の扉が有ったが、そちらの錠前は錆びて壊れていたな。
いずれにしろ小林家の人が総出で蔵の中を点検して行った。
但し、ほこりが凄まじい。
明かり取りが閉めてあっても多少の自然換気はあるようで、どうしても外気は入ってくることになり、ほこりがたまるものらしい。
だが湿気はない。
土蔵の漆喰が適度な湿度を保ってくれるらしい。
だから昔の人は大切な物を木箱や茶櫃に入れて土蔵に保管したんだな。
この土蔵もきれいに整理されていたが、張られている紙が風化して読めないものが結構あるみたいだ。
掃除機をかけるとそれらの紙も吸い込んでしまいそうなので、昔ながらの「はたき」と「ほうき」とそれに筆とか刷毛の出番、みんなして手拭いで口を覆って掃除をしたよ。
俺も手伝った。
そんな作業中に俺は内容物に鑑定をかけた。
うん、すごいよね。
宝物がいっぱいだった。
所謂、骨とう品という奴なんだけれど。
例によって、俺には鑑定で時価が分かる。
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