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第四章 東への旅
4ー8 初めてのクエスト
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冒険者ギルドに登録して魔木クラスの冒険者になったマルコですけれど、クエストを受けないと一月で失効してしまいます。
ですからこの一月以内に、二つのクエストを完了しないといけないのです。
特にリーベンまでは、普通の帆船だと70日以上もかかる距離なので、場合により三か月の期限を過ぎてしまう可能性もあります。
登録証の再発行自体はそれほど難しくはないのですけれど、登録したギルドと再登録のギルドが異なると面倒な手続きもあるようですので、アルビラで有効期間を延ばしておく必要はあるのです。
マルコは、カラガンダ翁とステラ媼に相談をしてアルビラで少なくとも二つのクエストを受けることにしました。
ニオルカンを出立した当初は、アルビラで船を造る予定でしたが、途中で暇に飽かせて作り始め、現状ではほとんど完工状態で、残りは試運転をしながら各部の微調整や修正に入る作業だけになっているので、ある意味マルコはとても暇なのです。
マルコ自身はすぐにアルビラを出てリーベンに向かっても差し支えないのですけれど、カラガンダ翁は知人への挨拶廻りや会食への招待などが多くて忙しく、出発は7ビセットの6日という予定になっているのです。
7ビセットに入ると一般に海象模様も穏やかになると言われているので船旅をするには最適な季節になるのです。
従って、出発までの間に少なくとも二つのクエストを完了しておきたいところなのです。
クエストは、ギルドの受付前の壁に提示してある中から選ぶのです。
マルコは、登録した翌日の朝の繁忙時期を過ぎた時間帯にギルドに赴き、掲示板を見ましたが、残っているクエストは余りお金にならない割に手間暇のかかる仕事ばかりのようでした。
常設で薬草採取もありますけれど、取り敢えず最初のクエストは、街中での雑用を受けることにしました。
マルコが目ざとく見つけたのは下水道の掃除です。
この下水道の掃除のクエストについてナンシー嬢に聞いてみました。
ナンシー嬢は少し困り顔をしながらも教えてくれました。
「アルビラは古い街だけれど、計画的に造られた街なので地下に下水道が整備されているのよ。
もう二百年も前に造られたものだけれど、下水道は石造りであって、それはそれは立派なものなのなの。
でも、この下水道が最近になって長年の堆積物により水路があちらこちらで詰まり始めたの。
そうして大雨の際には、市中に汚水が溢れるようになってきたのが今年の5ビセットに入ってからなの。
この為に、アルビラ市内でも窪地になっているようなサルマンド地区やボールディン地区などではこの春先以降たびたび浸水騒ぎが起きているんです。
そこで領主様から冒険者ギルドにご用命がかかったのだけれど、生憎と「汚い」、「キツい」、「危険」の三つが揃った仕事なので誰も受けてはくれないのよ。
見習いを脱した会員はそんな仕事は受けないし、見習いクラスは汚れ作業を嫌がる上に、報酬が少ないから、やっぱり見向きもしない。
だって薬草採取の方が余程割の良い仕事になるものね。
おそらく一人の見習い冒険者で作業をすれば二日かかって最低限のクエスト完了と見做されるぐらいかしら。
最初の三日間ぐらいはクエストを受ける者も居たけれど、挑戦者は最初だけね。
二回目を受けようとするものは居なかったわ。
その話がすぐに見習い冒険者の間で広まったから、今ではもう29日以上もタナ晒し状態で、10日前には報酬も倍に上がったのだけれど、やっぱり誰も受け手が無い状態ね。
下水道では汚物が堆積して鼻が曲がるほどの臭気を発生しているから、雨上がりには市内に嫌な匂いがするのも悩みどころね。
市民たちは、もう匂いには慣れてしまったようだけれど浸水は別。
家の中まで汚水と汚泥が侵入してくると後の掃除が大変なの。
だから喫緊の問題として領主さまも領軍をこの作業にあてるかどうかを検討中と聞いているわ。
だから、マルコ君がクエストを受けてくれる意思があるのは嬉しいけれど、多分大勢の人が何日もかけてようやくできるような仕事だから、余りお薦めはできないわね。
それに歩合制になっているから、水路5ブーツごとに銀貨1枚の報酬しかもらえないし、作業完了時にギルドから検査員が確認を行ってようやくお金がもらえる仕組みなの。
作業自体は、水路の基礎が見えるところまで汚泥や堆積物を取り除くことが要求されているから、河への放流口から入って、堆積物を河に流すのが主になるわね。
マルコ君の体格じゃちょっと無理・・・。
あ・・・、ン?
そうでもないか?
ペドロさんの報告では、かなりの力があると言っていたものね。
で、どうする?
最低限5ブーツの汚泥処理をしないといけないし、途中で放棄したらクエスト完了にはならないけれど、・・・。
まぁ、途中で投げ出しても誰も文句は言わないけれどね。」
「では、一応挑戦させてください。
できる範囲でやってみます。」
「ん、わかった。
じゃぁ担当は、ベリングスさんなので、紹介するわ。
作業に必要な用具も彼から借りられるから。」
マルコはナンシー嬢に連れられて別の奥まった場所に行き、そこでベリングスさんという中年男性に引き合わされた。
「俺のところに来たということは、下水道掃除のクエストを受けるんだな?
言っておくけど、仕事は汚いし、キツいし、危険も伴うぞ。
ずいぶん前の話じゃあるんだが、あそこで掃除をしていた爺さんがばったり倒れたことがある。
治癒師の話では呼吸ができなくなって窒息したという話だが、俺にはよくわからねぇ。
臭気でもって倒れたんなら話が分かるが、呼吸ができなくて窒息ってのはなぁ・・・。
首を絞められたわけでもあるめぇに・・・。
まぁ、身の危険を感じたらさっさと引き上げろよ。
冒険者ってのは命あってなんぼの世界だ。
無駄なことで命を捨てる必要はねぇぞ。」
ベリングスさんはひげもじゃの大男だが、あるいは冒険者を引退した人かもしれない。
左腕の関節の動きが悪いように見えるのだ。
まぁ、見た目には強面のようだが、面倒見の良い叔父さんのようだね。
ベリングスさんは掃除に必要な道具を一揃い貸してくれました。
木桶、スコップのような形状の木製道具、それに鉄製の鍬のような形状の道具の三つでした。
マルコには余り必要のなさそうな道具のようですけれど、それでもお礼を言って受け取りました。
ベリングスさんに連れられて、下水道の放流口に移動、入り口付近の10ブーツほどは多少綺麗になっていましたけれど、その奥は酷いですね。
堆積物がマルコの身長の半ば以上の高さになっており、下水がその上から流れて来る状況です。
少なく見積もっても、幅が3ブーツ、高さが1・3ブーツほどの堆積物を少しずつ除去しなければならないようです。
臭気は酷いですね。
鼻が曲がりそうという範囲をとうに超えていそうです。
マルコは入る前から危険を感じて結界を自分の周囲に張っています。
呼吸する空気は亜空間に貯めこんだ圧縮空気を調整して吸うようにしていますし、排気も亜空間経由で外に放出しています。
ベリングスさんも臭気が嫌なのか、掃除の開始点を示す場所に印をつけて、すぐに引き上げて行きました。
さてさて、このお掃除、体力だけでやるとしたなら5ブーツ分はかなりきついことになりそうです。
マルコが最初に行ったのは、広範囲に鑑定をかけて有用物が含まれていないかどうかを調べることでした。
意外と下水道には有用物が含まれていることが多いんです。
奥行き30ブーツほどの堆積物(概ね120立方ブーツ)の中に、金、銀、鉄、銅、魔鋼、魔銀などの素材が含まれています。
それぞれ単体では微量なのですけれど塵も積もれば山となるでしょうか。
マルコは錬金術で抽出ができますので、堆積物の中から有用物を抽出して行きます。
中には首飾りや指輪などの宝石類も含まれていました。
落とし主は別にいるのでしょうけれど、ベリングスさん曰く、この掃除で銀貨などの有用物を拾ってもそれは掃除人の余禄だと言っていましたので、拾得したものは全てマルコの副収入になりそうです。
金属類などの重量物は堆積物の中でも底に貯まっていますし、奥に行くほど含有量が増えそうな気配です。
そうした有用物を仕分けして抽出した後は、堆積物を一気に亜空間に収容します。
マルコは、念のため、掃除専用の亜空間を作り、そこに汚泥を放り込みました。
一度に30ブーツの奥行きだけを掃除し、一旦はその場を離れます。
これ以上の作業をするとマルコの能力が疑われてしまいます。
放流口付近に監視用の虫ゴーレムを配置して、誰かが近寄る気配があれば、作業場所に戻りますけれど、そうでなければ、アルビラ市外の様子を空中から隠形のままで観察です。
鑑定を掛けながら周辺をサーチすると、薬草の群生場所などが一目でわかります。
冒険者が城壁の外で活動しているのが良く見えますね。
周辺をサーチしましたけれど、多少の魔物は居ますけれど本当に危険なものは近くには居ないようです。
先輩冒険者が魔物退治に日々頑張っていてくれるからでしょうね。
その日は陽が高い内にギルドに戻り、ベリングスさんに報告、作業状況を確認してもらいました。
掃除した箇所は明確にわかるように、壁面まできれいにしてます。
ベリングスさんが驚きながらも検査して言いました。
「ほう、こりゃぁ大したものだ。
それに壁まで新品同様だな。
本当は色を付けてやりたいが、決まりなんでな。
報酬は、30ブーツ分の銀貨6枚だ」
初めてのお仕事で、実質は半時もかかっていませんけれど、銀貨6枚(約6千円程度の価値?)の報酬を戴きました。
こうして初めてのクエストは無事に完了しました。
明日は、天気が良ければ薬草採取に出かける予定です。
その次はまた下水道の掃除でしょうか。
街の衛生状態も気になりますので、アルビラ出発の前日までは、薬草採取と下水道掃除のクエストを交互に続けましょう。
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1月4日、一部の字句修正を行いました。
By サクラ近衛将監
ですからこの一月以内に、二つのクエストを完了しないといけないのです。
特にリーベンまでは、普通の帆船だと70日以上もかかる距離なので、場合により三か月の期限を過ぎてしまう可能性もあります。
登録証の再発行自体はそれほど難しくはないのですけれど、登録したギルドと再登録のギルドが異なると面倒な手続きもあるようですので、アルビラで有効期間を延ばしておく必要はあるのです。
マルコは、カラガンダ翁とステラ媼に相談をしてアルビラで少なくとも二つのクエストを受けることにしました。
ニオルカンを出立した当初は、アルビラで船を造る予定でしたが、途中で暇に飽かせて作り始め、現状ではほとんど完工状態で、残りは試運転をしながら各部の微調整や修正に入る作業だけになっているので、ある意味マルコはとても暇なのです。
マルコ自身はすぐにアルビラを出てリーベンに向かっても差し支えないのですけれど、カラガンダ翁は知人への挨拶廻りや会食への招待などが多くて忙しく、出発は7ビセットの6日という予定になっているのです。
7ビセットに入ると一般に海象模様も穏やかになると言われているので船旅をするには最適な季節になるのです。
従って、出発までの間に少なくとも二つのクエストを完了しておきたいところなのです。
クエストは、ギルドの受付前の壁に提示してある中から選ぶのです。
マルコは、登録した翌日の朝の繁忙時期を過ぎた時間帯にギルドに赴き、掲示板を見ましたが、残っているクエストは余りお金にならない割に手間暇のかかる仕事ばかりのようでした。
常設で薬草採取もありますけれど、取り敢えず最初のクエストは、街中での雑用を受けることにしました。
マルコが目ざとく見つけたのは下水道の掃除です。
この下水道の掃除のクエストについてナンシー嬢に聞いてみました。
ナンシー嬢は少し困り顔をしながらも教えてくれました。
「アルビラは古い街だけれど、計画的に造られた街なので地下に下水道が整備されているのよ。
もう二百年も前に造られたものだけれど、下水道は石造りであって、それはそれは立派なものなのなの。
でも、この下水道が最近になって長年の堆積物により水路があちらこちらで詰まり始めたの。
そうして大雨の際には、市中に汚水が溢れるようになってきたのが今年の5ビセットに入ってからなの。
この為に、アルビラ市内でも窪地になっているようなサルマンド地区やボールディン地区などではこの春先以降たびたび浸水騒ぎが起きているんです。
そこで領主様から冒険者ギルドにご用命がかかったのだけれど、生憎と「汚い」、「キツい」、「危険」の三つが揃った仕事なので誰も受けてはくれないのよ。
見習いを脱した会員はそんな仕事は受けないし、見習いクラスは汚れ作業を嫌がる上に、報酬が少ないから、やっぱり見向きもしない。
だって薬草採取の方が余程割の良い仕事になるものね。
おそらく一人の見習い冒険者で作業をすれば二日かかって最低限のクエスト完了と見做されるぐらいかしら。
最初の三日間ぐらいはクエストを受ける者も居たけれど、挑戦者は最初だけね。
二回目を受けようとするものは居なかったわ。
その話がすぐに見習い冒険者の間で広まったから、今ではもう29日以上もタナ晒し状態で、10日前には報酬も倍に上がったのだけれど、やっぱり誰も受け手が無い状態ね。
下水道では汚物が堆積して鼻が曲がるほどの臭気を発生しているから、雨上がりには市内に嫌な匂いがするのも悩みどころね。
市民たちは、もう匂いには慣れてしまったようだけれど浸水は別。
家の中まで汚水と汚泥が侵入してくると後の掃除が大変なの。
だから喫緊の問題として領主さまも領軍をこの作業にあてるかどうかを検討中と聞いているわ。
だから、マルコ君がクエストを受けてくれる意思があるのは嬉しいけれど、多分大勢の人が何日もかけてようやくできるような仕事だから、余りお薦めはできないわね。
それに歩合制になっているから、水路5ブーツごとに銀貨1枚の報酬しかもらえないし、作業完了時にギルドから検査員が確認を行ってようやくお金がもらえる仕組みなの。
作業自体は、水路の基礎が見えるところまで汚泥や堆積物を取り除くことが要求されているから、河への放流口から入って、堆積物を河に流すのが主になるわね。
マルコ君の体格じゃちょっと無理・・・。
あ・・・、ン?
そうでもないか?
ペドロさんの報告では、かなりの力があると言っていたものね。
で、どうする?
最低限5ブーツの汚泥処理をしないといけないし、途中で放棄したらクエスト完了にはならないけれど、・・・。
まぁ、途中で投げ出しても誰も文句は言わないけれどね。」
「では、一応挑戦させてください。
できる範囲でやってみます。」
「ん、わかった。
じゃぁ担当は、ベリングスさんなので、紹介するわ。
作業に必要な用具も彼から借りられるから。」
マルコはナンシー嬢に連れられて別の奥まった場所に行き、そこでベリングスさんという中年男性に引き合わされた。
「俺のところに来たということは、下水道掃除のクエストを受けるんだな?
言っておくけど、仕事は汚いし、キツいし、危険も伴うぞ。
ずいぶん前の話じゃあるんだが、あそこで掃除をしていた爺さんがばったり倒れたことがある。
治癒師の話では呼吸ができなくなって窒息したという話だが、俺にはよくわからねぇ。
臭気でもって倒れたんなら話が分かるが、呼吸ができなくて窒息ってのはなぁ・・・。
首を絞められたわけでもあるめぇに・・・。
まぁ、身の危険を感じたらさっさと引き上げろよ。
冒険者ってのは命あってなんぼの世界だ。
無駄なことで命を捨てる必要はねぇぞ。」
ベリングスさんはひげもじゃの大男だが、あるいは冒険者を引退した人かもしれない。
左腕の関節の動きが悪いように見えるのだ。
まぁ、見た目には強面のようだが、面倒見の良い叔父さんのようだね。
ベリングスさんは掃除に必要な道具を一揃い貸してくれました。
木桶、スコップのような形状の木製道具、それに鉄製の鍬のような形状の道具の三つでした。
マルコには余り必要のなさそうな道具のようですけれど、それでもお礼を言って受け取りました。
ベリングスさんに連れられて、下水道の放流口に移動、入り口付近の10ブーツほどは多少綺麗になっていましたけれど、その奥は酷いですね。
堆積物がマルコの身長の半ば以上の高さになっており、下水がその上から流れて来る状況です。
少なく見積もっても、幅が3ブーツ、高さが1・3ブーツほどの堆積物を少しずつ除去しなければならないようです。
臭気は酷いですね。
鼻が曲がりそうという範囲をとうに超えていそうです。
マルコは入る前から危険を感じて結界を自分の周囲に張っています。
呼吸する空気は亜空間に貯めこんだ圧縮空気を調整して吸うようにしていますし、排気も亜空間経由で外に放出しています。
ベリングスさんも臭気が嫌なのか、掃除の開始点を示す場所に印をつけて、すぐに引き上げて行きました。
さてさて、このお掃除、体力だけでやるとしたなら5ブーツ分はかなりきついことになりそうです。
マルコが最初に行ったのは、広範囲に鑑定をかけて有用物が含まれていないかどうかを調べることでした。
意外と下水道には有用物が含まれていることが多いんです。
奥行き30ブーツほどの堆積物(概ね120立方ブーツ)の中に、金、銀、鉄、銅、魔鋼、魔銀などの素材が含まれています。
それぞれ単体では微量なのですけれど塵も積もれば山となるでしょうか。
マルコは錬金術で抽出ができますので、堆積物の中から有用物を抽出して行きます。
中には首飾りや指輪などの宝石類も含まれていました。
落とし主は別にいるのでしょうけれど、ベリングスさん曰く、この掃除で銀貨などの有用物を拾ってもそれは掃除人の余禄だと言っていましたので、拾得したものは全てマルコの副収入になりそうです。
金属類などの重量物は堆積物の中でも底に貯まっていますし、奥に行くほど含有量が増えそうな気配です。
そうした有用物を仕分けして抽出した後は、堆積物を一気に亜空間に収容します。
マルコは、念のため、掃除専用の亜空間を作り、そこに汚泥を放り込みました。
一度に30ブーツの奥行きだけを掃除し、一旦はその場を離れます。
これ以上の作業をするとマルコの能力が疑われてしまいます。
放流口付近に監視用の虫ゴーレムを配置して、誰かが近寄る気配があれば、作業場所に戻りますけれど、そうでなければ、アルビラ市外の様子を空中から隠形のままで観察です。
鑑定を掛けながら周辺をサーチすると、薬草の群生場所などが一目でわかります。
冒険者が城壁の外で活動しているのが良く見えますね。
周辺をサーチしましたけれど、多少の魔物は居ますけれど本当に危険なものは近くには居ないようです。
先輩冒険者が魔物退治に日々頑張っていてくれるからでしょうね。
その日は陽が高い内にギルドに戻り、ベリングスさんに報告、作業状況を確認してもらいました。
掃除した箇所は明確にわかるように、壁面まできれいにしてます。
ベリングスさんが驚きながらも検査して言いました。
「ほう、こりゃぁ大したものだ。
それに壁まで新品同様だな。
本当は色を付けてやりたいが、決まりなんでな。
報酬は、30ブーツ分の銀貨6枚だ」
初めてのお仕事で、実質は半時もかかっていませんけれど、銀貨6枚(約6千円程度の価値?)の報酬を戴きました。
こうして初めてのクエストは無事に完了しました。
明日は、天気が良ければ薬草採取に出かける予定です。
その次はまた下水道の掃除でしょうか。
街の衛生状態も気になりますので、アルビラ出発の前日までは、薬草採取と下水道掃除のクエストを交互に続けましょう。
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1月4日、一部の字句修正を行いました。
By サクラ近衛将監
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