夢の中の妖達

葉月

文字の大きさ
2 / 3

嘴をもつモノ

しおりを挟む
 次の夢もまた、不思議な夢であった。

 空が見える。空と言ってもあれは、僕たちの世界では、宇宙、または銀河を指すモノ。

 僕たちの世界とは違うモノ。何故なら月が二つある。星も瞬き、銀河が何個も見える。天文学に詳しい人なら興奮物だろう。
天文学に詳しくない僕でさえ、こんなにも胸が躍るのだから。
 
 川のせせらぎが聞こえ、昼間なのか夕刻なのかわからない。時間の感覚が此処にはないのかに思える。僕は時計を持っていない。

 遠くの方に、鳥居の様なものが見える。鳥居に続く道。またしても行列をなしたモノ達がいる。そして、僕はまた尋ねた。

「何処に行くの?」

「知識を貰いに行くんだ。僕たちは意識のやり取りは出来ても字が書けない。あのお山の麓には、神様がいるんだよ」

「神様??」

「そう神様だよ。」

 神様が知識を授ける!?どんな知識なのか興味が湧いてくるような内容だった。誰でも知識は貰えるのであろうか。

 知識を授かるには、何か対価が必要なのでは。僕は、また尋ねることにした。

「知識といってもどんな知識をもらうの」

「それは、ヒトそれぞれのもの。願いを叶えてもらうのには代償を払う必要があるんだ。オレは、この羽根を代償に知識を貰うんだ。」

 そのヒトは、大きな嘴に大きな羽根を持つ鳥のようなヒト。羽根を広げれば2Mくらいある。羽根も手入れが行き届いており、大事にしているのが、一目で分かった。

 「彼奴は、脚。彼奴は、無数にあるうちの一つの眼・・・・。だが、自分の大事なモノを差し出した所で、神様が気に入ってくれないとイミがないんだ。」

 今まで元気溌剌に話していたヒトの眼が、真剣なことだと物語っているようだった。

「軽い気持ちで、近づいては火傷をみるってことかな。」

「お前は、ナニを代償にして知識を貰うんだ!?」

 そこでまたしても目が醒めた。夢から醒めたが頭が痛い。ズキズキと拍動するように痛みが増してくる。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...