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5.事後
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想像通りに慌てて戻ってきた雅に、壱琉は思わず笑いそうになった。
CDを止めて雅の方へ向き直る。
「それ⋯」
「ん? ああ、このCD、妹から俺に声がそっくりな声優さんが出てるって聞いて。似てたでしょ?」
「え? や⋯」
同意を求めるように小首を傾げると、雅は顔をそらして目を泳がせる。これはもう、嵌められたことに気付いている様子だ。
壱琉は、ヘッドボードに取り付けられていた盗聴器を外して雅に見せた。
「これ」
「っ!」
「なんで、こんなことしたの?」
「⋯⋯ごめん」
雅は青い顔をして俯いた。想像通りの反応に再び笑いが漏れそうになるが、なんとかこらえて真面目な表情をキープする。
「壱琉が、俺がいない間に、家でどう過ごしてるのか聞きたくて」
「変態か」
「すみません⋯」
「いつも聞いてたの? 夜中とかも?」
「いや、平日、俺がここ出た後の数分だけだよ」
「⋯⋯」
弁明するみたいに言うが、そこは壱琉が1番聞かれたくなかった数分間だ。
大きく溜息を吐くと、雅はバッと床に手をつき頭を下げた。
「すみませんでした!」
「⋯まあ、俺もそこまで怒ってるわけじゃないけど」
「怒ってないのか?」
「本気で怒ってたら、さっき来た時に真面目にお説教してるよ」
こんな、ドラマCDを流してイタズラするようなことはせずに。
顔を上げた雅に手招きしてベッドに上がるよう促すと、正面から抱きついた。おずおずと背中に腕が回ってくる。
「いつから?」
「⋯2ヶ月くらい前」
「そんなに?」
では、結構な回数、自慰をしていたのを聞かれていたことになる。その間全く気が付かなかった自分も大概だが。
腕の力が強まり、耳許に吐息が触れる。
「今日、いきなり知らない男の声が聞こえてきて、すげー焦った」
「浮気されたと思った?」
「あぁ」
「信じてくれてないの?」
「信じてる、けど⋯」
ふふっと壱琉は小さく笑う。
わかっている。いくら信じていても、実際にそういうシーンを聞いてしまったら、それでも信じ続けることはなかなか出来ないだろう。壱琉の声だけなら、盗聴器に気付いてわざと別の名前を呼んでいるだけかもと思えるだろうが、他の男の声まで聞こえてきてしまったら、自分だって疑ってしまうと思う。
「俺が好きなのは、雅だけだよ」
「うん。俺も、壱琉だけだ。いつもごめんな。寂しい思いさせてたか?」
「ううん。平日だし、しょうがないよ」
唇を触れ合わせると、ゆっくりとベッドに横たえられた。シャツの裾から潜り込んできた手の平に素肌を撫でられ、溜息を漏らす。
「ん、雅⋯、帰らなくていいの?」
誘うような、とびきり甘い声で壱琉は囁く。
雅は眉を寄せると、肩口に顔を埋めてくる。
「明日は休む。壱琉も休め」
「ふふ。うん」
こうなるだろうと予想はついていたので、壱琉は最初から、明日は有給を申請していた。
再びキスが降りてきて、壱琉はそっと目を閉じると、それに身を委ねた。
✦✦✦
「あっ、や、あ⋯、み、やびぃ⋯」
開かされた脚がビクビクと震え、壱琉は感覚を逃すように左右に首を振った。
雅はその痴態に目を細めながら、脚の間で震える壱琉のものをそっと撫で上げる。
「やあぁっ!」
「可愛いな。焦れったい?」
「んっ、ぁ、もっとぉ⋯」
「まだだ。もう少し我慢してな」
「やっ、んあぁあっ」
雅の指が後ろにふれ、浅いところを搔き回す。
壱琉は頭上で縛られた両手を握り締め、嫌々と身を捩った。
「ここ、まだ柔らかい」
「あっ、だって、さっき⋯、したばっか⋯、んあ、」
中に突き入れられる指をきゅうきゅう締め付ける。前に触れる指先は、触れるか触れないか程度の強さで裏筋を撫で、根元や足の付け根をくすぐってくる。
「ああぁっ!」
焦れったい刺激に頭が沸騰し、ぽろぽろと涙が溢れる。我慢させられる快楽に喘いでいると、指が抜かれ代わりに雅のものが挿入ってきた。
「んあ、あ⋯、雅⋯っ」
全てを収めきると、胸の先からピリッと痺れるような快感が広がった。雅の指先が、今度は乳首を弄ってくる。
「あっ、そこだめっ」
「だめじゃなくて、イイだろ?」
「んやぁ⋯」
周りの色の付いたところを優しく撫で回していたかと思うと、親指で突起をくりくりと弄りながら無防備な腋下をくすぐってくる。
「はあぁ、やっ、ああっ!」
くすぐったいはずの刺激も、不思議と今は快感の方が強い。
「壱琉、気持ちいいって言ってみな?」
「やっ⋯」
「言わないんだ? じゃあこっちは?」
雅の手が、勃ち上がり蜜を溢す先端そっと撫でる。
「ああっ! き、もちい⋯っ」
「――ふ、」
小さく笑った雅は、そのまま手で壱琉のものを包みこんで扱いてくる。ようやく直接的な刺激を与えられて、壱琉は促されるように雅の手の中に放った。
「あぁあーっ」
「っ――!」
達する際に後ろを強く締め付けてしまい、道連れにされた雅が壱琉の中に放つ。
それに微かに微笑んで雅の顔を見つめると、噛みつくようなキスをされた。
CDを止めて雅の方へ向き直る。
「それ⋯」
「ん? ああ、このCD、妹から俺に声がそっくりな声優さんが出てるって聞いて。似てたでしょ?」
「え? や⋯」
同意を求めるように小首を傾げると、雅は顔をそらして目を泳がせる。これはもう、嵌められたことに気付いている様子だ。
壱琉は、ヘッドボードに取り付けられていた盗聴器を外して雅に見せた。
「これ」
「っ!」
「なんで、こんなことしたの?」
「⋯⋯ごめん」
雅は青い顔をして俯いた。想像通りの反応に再び笑いが漏れそうになるが、なんとかこらえて真面目な表情をキープする。
「壱琉が、俺がいない間に、家でどう過ごしてるのか聞きたくて」
「変態か」
「すみません⋯」
「いつも聞いてたの? 夜中とかも?」
「いや、平日、俺がここ出た後の数分だけだよ」
「⋯⋯」
弁明するみたいに言うが、そこは壱琉が1番聞かれたくなかった数分間だ。
大きく溜息を吐くと、雅はバッと床に手をつき頭を下げた。
「すみませんでした!」
「⋯まあ、俺もそこまで怒ってるわけじゃないけど」
「怒ってないのか?」
「本気で怒ってたら、さっき来た時に真面目にお説教してるよ」
こんな、ドラマCDを流してイタズラするようなことはせずに。
顔を上げた雅に手招きしてベッドに上がるよう促すと、正面から抱きついた。おずおずと背中に腕が回ってくる。
「いつから?」
「⋯2ヶ月くらい前」
「そんなに?」
では、結構な回数、自慰をしていたのを聞かれていたことになる。その間全く気が付かなかった自分も大概だが。
腕の力が強まり、耳許に吐息が触れる。
「今日、いきなり知らない男の声が聞こえてきて、すげー焦った」
「浮気されたと思った?」
「あぁ」
「信じてくれてないの?」
「信じてる、けど⋯」
ふふっと壱琉は小さく笑う。
わかっている。いくら信じていても、実際にそういうシーンを聞いてしまったら、それでも信じ続けることはなかなか出来ないだろう。壱琉の声だけなら、盗聴器に気付いてわざと別の名前を呼んでいるだけかもと思えるだろうが、他の男の声まで聞こえてきてしまったら、自分だって疑ってしまうと思う。
「俺が好きなのは、雅だけだよ」
「うん。俺も、壱琉だけだ。いつもごめんな。寂しい思いさせてたか?」
「ううん。平日だし、しょうがないよ」
唇を触れ合わせると、ゆっくりとベッドに横たえられた。シャツの裾から潜り込んできた手の平に素肌を撫でられ、溜息を漏らす。
「ん、雅⋯、帰らなくていいの?」
誘うような、とびきり甘い声で壱琉は囁く。
雅は眉を寄せると、肩口に顔を埋めてくる。
「明日は休む。壱琉も休め」
「ふふ。うん」
こうなるだろうと予想はついていたので、壱琉は最初から、明日は有給を申請していた。
再びキスが降りてきて、壱琉はそっと目を閉じると、それに身を委ねた。
✦✦✦
「あっ、や、あ⋯、み、やびぃ⋯」
開かされた脚がビクビクと震え、壱琉は感覚を逃すように左右に首を振った。
雅はその痴態に目を細めながら、脚の間で震える壱琉のものをそっと撫で上げる。
「やあぁっ!」
「可愛いな。焦れったい?」
「んっ、ぁ、もっとぉ⋯」
「まだだ。もう少し我慢してな」
「やっ、んあぁあっ」
雅の指が後ろにふれ、浅いところを搔き回す。
壱琉は頭上で縛られた両手を握り締め、嫌々と身を捩った。
「ここ、まだ柔らかい」
「あっ、だって、さっき⋯、したばっか⋯、んあ、」
中に突き入れられる指をきゅうきゅう締め付ける。前に触れる指先は、触れるか触れないか程度の強さで裏筋を撫で、根元や足の付け根をくすぐってくる。
「ああぁっ!」
焦れったい刺激に頭が沸騰し、ぽろぽろと涙が溢れる。我慢させられる快楽に喘いでいると、指が抜かれ代わりに雅のものが挿入ってきた。
「んあ、あ⋯、雅⋯っ」
全てを収めきると、胸の先からピリッと痺れるような快感が広がった。雅の指先が、今度は乳首を弄ってくる。
「あっ、そこだめっ」
「だめじゃなくて、イイだろ?」
「んやぁ⋯」
周りの色の付いたところを優しく撫で回していたかと思うと、親指で突起をくりくりと弄りながら無防備な腋下をくすぐってくる。
「はあぁ、やっ、ああっ!」
くすぐったいはずの刺激も、不思議と今は快感の方が強い。
「壱琉、気持ちいいって言ってみな?」
「やっ⋯」
「言わないんだ? じゃあこっちは?」
雅の手が、勃ち上がり蜜を溢す先端そっと撫でる。
「ああっ! き、もちい⋯っ」
「――ふ、」
小さく笑った雅は、そのまま手で壱琉のものを包みこんで扱いてくる。ようやく直接的な刺激を与えられて、壱琉は促されるように雅の手の中に放った。
「あぁあーっ」
「っ――!」
達する際に後ろを強く締め付けてしまい、道連れにされた雅が壱琉の中に放つ。
それに微かに微笑んで雅の顔を見つめると、噛みつくようなキスをされた。
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