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第1章・辺境へ追放されたのはメインヒロイン。
07全ての行動はこの為に。
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医者の家系であるローゼンバーグ公爵家は国政に対する影響力も大きい。
それに今のローゼンバーグ公爵はそれほどでもないけれど、次代の公爵であるロートは医療福祉に力を入れて身分関係なく命を天秤にかけることなく国民に適切な医療を届けたいという思想を持っている。
その思想と熱意を父親に伝えて、認めてもらうっていうのがロートルートの大筋だ。
ノンプリⅡで起こる内乱の原因には、急速な工業化による公害なども含まれている。
だとすれば、医療福祉に力を入れることは確実にこの国へ影響を与えることになる。
さらにメリィベルがロートを支えるよりも、優秀すぎるイザベラがローゼンバーグ公爵家の地位を得て活動した方が医療福祉を発展させることが出来るだろう。
ノンプリにおけるイザベラは、劇中最高スペックの頭脳と行動力。
学園での成績は常にトップ、人望もあって奉仕活動などにも意欲的。
他者から評価を得る為の働きに、抜かりがない。
そんなイザベラがロートルートで、本来失敗に終わるはずの私への毒殺冤罪を成立させてロートと結ばれることが出来れば。
間違いなく、この国は医療福祉に力を入れる政策へと移るだろう。
SF考証的に無理のある技術発展は起こらない。
つまり、ノンプリⅡの世界観に辿り着けないということだ。
でも。
そう簡単にイザベラを勝たすことは出来ないというか……、イザベラの不運とメリィベルの幸運の差が凄まじ過ぎる。
私の執事であるブラウ・バルトの勘が鋭すぎるというか……奇跡的なミスで偶然にイザベラの策略を潰してしまうパターンが多い。
アダムスキールートも、アダムスキーの超人的な悪への嗅覚と超パワープレイで覆されてしまう。
基本的にノンプリのシナリオには隙がないが、唯一ロートルートには隙がある。
ロートルートでイザベラが私に殺人未遂冤罪をかける策略は、ブラウを起点に突破することになる。
だから私はブラウに休暇を与えた。
ブラウルートで、ブラウの実家の問題が起こる部分を解決させる為にも本来離脱するタイミングよりかも早くブラウを田舎に帰らせた。
ブラウの居ないロートルートは、完全にイザベラの独壇場だ。
こうして私はロートに近づく成績優秀な友人に嫉妬して、毒殺を目論んだ殺人未遂犯としてこの辺境の地へと追放されたのだった。
後は王都でイザベラがローゼンバーグ公爵夫人として、医療福祉を充実させて技術発展推進を抑え込むことが出来れば……ノンプリⅡの悪夢は訪れない。
私が前世を思い出してから五年、私がバナナの皮で死んで五年。
全ての行動はこの為に、負けヒロインとして私は生きてきた。
そして私は達成した。
私のノンプリは最高のかたちで完結したんだ。
なんて。
物思いにふけっているところで。
「……何を作っているんだ? かなり精巧な作りだが」
私はネモ氏に声をかけられる。
「え、ああ。人形というか……ちっちゃい石膏像というか。ギプスで使った石膏の余りを接着剤とか薬剤と混ぜて作った石粉粘土で造形してる感じ」
趣味で作っていたフィギュアを見せながら、私は淡々と説明する。
作っていたのはイザベラのフィギュア。
まあだからイザベラのことを考えていたっていうね。
ノンプリは全四話のOVAにはなってはいるもののTVAにはなっていない為、グッズの幅が広くない。ただでさえ乙女ゲーだしね、店舗くじやらクレーンゲームのプライズにもならない。
公式からのフィギュアは出てても主要キャラのみでイザベラの立体物は一種類のみだった。
なので、即売会での組み立て式のレジンキットを自分で組む機会が多くなって最終的にはフルスクラッチで造形するに至った。
ちなみに私は自作したキッドマンのレジンキットをシリコン型で複製してノンプリオンリーイベントで販売したこともあるし、それ以外にも色々な作品のキャラクターやロボットアニメの追加武装なんかも造形して販売したこともある。
まあ、ただの趣味よ。
それに今のローゼンバーグ公爵はそれほどでもないけれど、次代の公爵であるロートは医療福祉に力を入れて身分関係なく命を天秤にかけることなく国民に適切な医療を届けたいという思想を持っている。
その思想と熱意を父親に伝えて、認めてもらうっていうのがロートルートの大筋だ。
ノンプリⅡで起こる内乱の原因には、急速な工業化による公害なども含まれている。
だとすれば、医療福祉に力を入れることは確実にこの国へ影響を与えることになる。
さらにメリィベルがロートを支えるよりも、優秀すぎるイザベラがローゼンバーグ公爵家の地位を得て活動した方が医療福祉を発展させることが出来るだろう。
ノンプリにおけるイザベラは、劇中最高スペックの頭脳と行動力。
学園での成績は常にトップ、人望もあって奉仕活動などにも意欲的。
他者から評価を得る為の働きに、抜かりがない。
そんなイザベラがロートルートで、本来失敗に終わるはずの私への毒殺冤罪を成立させてロートと結ばれることが出来れば。
間違いなく、この国は医療福祉に力を入れる政策へと移るだろう。
SF考証的に無理のある技術発展は起こらない。
つまり、ノンプリⅡの世界観に辿り着けないということだ。
でも。
そう簡単にイザベラを勝たすことは出来ないというか……、イザベラの不運とメリィベルの幸運の差が凄まじ過ぎる。
私の執事であるブラウ・バルトの勘が鋭すぎるというか……奇跡的なミスで偶然にイザベラの策略を潰してしまうパターンが多い。
アダムスキールートも、アダムスキーの超人的な悪への嗅覚と超パワープレイで覆されてしまう。
基本的にノンプリのシナリオには隙がないが、唯一ロートルートには隙がある。
ロートルートでイザベラが私に殺人未遂冤罪をかける策略は、ブラウを起点に突破することになる。
だから私はブラウに休暇を与えた。
ブラウルートで、ブラウの実家の問題が起こる部分を解決させる為にも本来離脱するタイミングよりかも早くブラウを田舎に帰らせた。
ブラウの居ないロートルートは、完全にイザベラの独壇場だ。
こうして私はロートに近づく成績優秀な友人に嫉妬して、毒殺を目論んだ殺人未遂犯としてこの辺境の地へと追放されたのだった。
後は王都でイザベラがローゼンバーグ公爵夫人として、医療福祉を充実させて技術発展推進を抑え込むことが出来れば……ノンプリⅡの悪夢は訪れない。
私が前世を思い出してから五年、私がバナナの皮で死んで五年。
全ての行動はこの為に、負けヒロインとして私は生きてきた。
そして私は達成した。
私のノンプリは最高のかたちで完結したんだ。
なんて。
物思いにふけっているところで。
「……何を作っているんだ? かなり精巧な作りだが」
私はネモ氏に声をかけられる。
「え、ああ。人形というか……ちっちゃい石膏像というか。ギプスで使った石膏の余りを接着剤とか薬剤と混ぜて作った石粉粘土で造形してる感じ」
趣味で作っていたフィギュアを見せながら、私は淡々と説明する。
作っていたのはイザベラのフィギュア。
まあだからイザベラのことを考えていたっていうね。
ノンプリは全四話のOVAにはなってはいるもののTVAにはなっていない為、グッズの幅が広くない。ただでさえ乙女ゲーだしね、店舗くじやらクレーンゲームのプライズにもならない。
公式からのフィギュアは出てても主要キャラのみでイザベラの立体物は一種類のみだった。
なので、即売会での組み立て式のレジンキットを自分で組む機会が多くなって最終的にはフルスクラッチで造形するに至った。
ちなみに私は自作したキッドマンのレジンキットをシリコン型で複製してノンプリオンリーイベントで販売したこともあるし、それ以外にも色々な作品のキャラクターやロボットアニメの追加武装なんかも造形して販売したこともある。
まあ、ただの趣味よ。
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