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第一部22・愛する者がいる方が強いとかじゃなくていないのが弱すぎる。【全10節】
01目を見張る成長。
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俺、バリィ・バルーンは魔法使いで魔法学校の教員も勤めている。
と、言っても現在は勇者パーティの武術指南というか……。
冒険者時代の仲間たちと一緒に冒険者時代の後輩が率いるパーティを鍛え直してる。
ちゃんと学校の方も休職扱いになってるし、満足すぎる給金とわりと良い家を借りれているので問題もない。
そして、父でもある。
「よーし見てろよ~……ほいっ!」
俺は紙ヒコーキを飛ばして偽無詠唱の風魔法でふわりと揚力を与え続ける。
「おー……きゃきゃきゃっ」
紙ヒコーキに手を伸ばし宇宙で一番可愛らしいライラは嬉々として笑う。
今日は宇宙一尊敬をしている妻のリコーに、少し休めと言われ今日は一日ライラと一緒にいることにした。
既に洗濯は終え、食事と洗い物も終わり今はつかの間のお遊びタイムだ。
確かに最近ちょいとばかし忙し気味だった。
昔の仲間たちと仕事が出来んのが楽しかったってのもあるが、才能のある奴らを教えるのもなかなかどうして面白い。
実際目に見えてメキメキと成長するのは、教えがいがある。
だが、勇者パーティより目を見張る成長を見せるのが。
「ぱーぱ、あーい」
落ちた紙ヒコーキを掴んでライラはそう言って俺に紙ヒコーキを渡す。
いんや育ちすぎだし可愛すぎだろう。
ついこの間までリコーの乳を吸っていたと思ったら、離乳食をパクパク食べるし結構喋るし掴まり立ちもするし。
こりゃあ仕事にかまけてたらダメだ……。
気づいたら大人になっちまう。
リコーには感謝しかない。
今はリコーも息抜きに公都を散策がてら買い物をして回っている。
せっかくなので羽を伸ばしてきてほしいところだ。
「ありがとー! ……ほいっ!」
俺はライラから紙ヒコーキを受け取って、羽を整えてまた飛ばし風魔法で揚力を与える。
部屋の中をふわふわと飛ぶ紙ヒコーキを見ながらきゃっきゃと笑うライラの頭を撫でていると。
突然、壁に掛けていたリコーの盾が消える。
リコーが武具召喚を使った……?
街中で交戦……、魔物ってことはないだろうし……、輩にでも絡まれたか……?
いや、リコーならそんじょそこらのチンピラ相手なら素手でも畳める。
引退して衰えたとはいえリコーがその辺の輩に遅れをとることは有り得ない。
武装した相手……それも集団相手じゃないとリコーが盾を持ち出すなんてことはない。
魔法使い相手か? 街中で魔法をぶっぱなすような奴が出たみたいな、やべえ事件に巻き込まれた?
流石にリコーを落とせるような野良の魔法使いやチンピラがいるとは思えないし、そんなやばい事件ならすぐに軍やら冒険者が動くはずだ。
そこまで心配する必要はないが……、念の為メリッサに連絡してポピー嬢に魔力感知でリコーを探索して跳ばしてもらうか?
ライラは一旦…………、クライス君あたりに預けるか?
だが、そんなことをしている間にリコーの戦闘は終わる……。
まあ動くだけ動くか、念には念を、先の先まで読んでおく、それが俺のポリシーでもある。
なんて『置型通信結晶』に手をかけたところで。
二枚目の盾が消える。
嘘だろ? 一枚目が破られたのか?
ブライの連撃でもブラキスの一撃でも捌いてきて、魔物討伐でも二枚目を使ったのは十回に満たない。
急いで勇者訓練場に通信を繋ぐが。
「…………出ねえ」
何度呼び出しても、誰も出ねえ。
訓練場には管理の人間やらそれなりに人がいるから通信番くらいは居るはずだ。
一応公都内の軍施設にも連絡してみるが、同じく繋がらない。
と、言っても現在は勇者パーティの武術指南というか……。
冒険者時代の仲間たちと一緒に冒険者時代の後輩が率いるパーティを鍛え直してる。
ちゃんと学校の方も休職扱いになってるし、満足すぎる給金とわりと良い家を借りれているので問題もない。
そして、父でもある。
「よーし見てろよ~……ほいっ!」
俺は紙ヒコーキを飛ばして偽無詠唱の風魔法でふわりと揚力を与え続ける。
「おー……きゃきゃきゃっ」
紙ヒコーキに手を伸ばし宇宙で一番可愛らしいライラは嬉々として笑う。
今日は宇宙一尊敬をしている妻のリコーに、少し休めと言われ今日は一日ライラと一緒にいることにした。
既に洗濯は終え、食事と洗い物も終わり今はつかの間のお遊びタイムだ。
確かに最近ちょいとばかし忙し気味だった。
昔の仲間たちと仕事が出来んのが楽しかったってのもあるが、才能のある奴らを教えるのもなかなかどうして面白い。
実際目に見えてメキメキと成長するのは、教えがいがある。
だが、勇者パーティより目を見張る成長を見せるのが。
「ぱーぱ、あーい」
落ちた紙ヒコーキを掴んでライラはそう言って俺に紙ヒコーキを渡す。
いんや育ちすぎだし可愛すぎだろう。
ついこの間までリコーの乳を吸っていたと思ったら、離乳食をパクパク食べるし結構喋るし掴まり立ちもするし。
こりゃあ仕事にかまけてたらダメだ……。
気づいたら大人になっちまう。
リコーには感謝しかない。
今はリコーも息抜きに公都を散策がてら買い物をして回っている。
せっかくなので羽を伸ばしてきてほしいところだ。
「ありがとー! ……ほいっ!」
俺はライラから紙ヒコーキを受け取って、羽を整えてまた飛ばし風魔法で揚力を与える。
部屋の中をふわふわと飛ぶ紙ヒコーキを見ながらきゃっきゃと笑うライラの頭を撫でていると。
突然、壁に掛けていたリコーの盾が消える。
リコーが武具召喚を使った……?
街中で交戦……、魔物ってことはないだろうし……、輩にでも絡まれたか……?
いや、リコーならそんじょそこらのチンピラ相手なら素手でも畳める。
引退して衰えたとはいえリコーがその辺の輩に遅れをとることは有り得ない。
武装した相手……それも集団相手じゃないとリコーが盾を持ち出すなんてことはない。
魔法使い相手か? 街中で魔法をぶっぱなすような奴が出たみたいな、やべえ事件に巻き込まれた?
流石にリコーを落とせるような野良の魔法使いやチンピラがいるとは思えないし、そんなやばい事件ならすぐに軍やら冒険者が動くはずだ。
そこまで心配する必要はないが……、念の為メリッサに連絡してポピー嬢に魔力感知でリコーを探索して跳ばしてもらうか?
ライラは一旦…………、クライス君あたりに預けるか?
だが、そんなことをしている間にリコーの戦闘は終わる……。
まあ動くだけ動くか、念には念を、先の先まで読んでおく、それが俺のポリシーでもある。
なんて『置型通信結晶』に手をかけたところで。
二枚目の盾が消える。
嘘だろ? 一枚目が破られたのか?
ブライの連撃でもブラキスの一撃でも捌いてきて、魔物討伐でも二枚目を使ったのは十回に満たない。
急いで勇者訓練場に通信を繋ぐが。
「…………出ねえ」
何度呼び出しても、誰も出ねえ。
訓練場には管理の人間やらそれなりに人がいるから通信番くらいは居るはずだ。
一応公都内の軍施設にも連絡してみるが、同じく繋がらない。
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