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第一部23・この物語の主人公は世界を顧みない。【全18節】
12人なのだから当然だ。
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とりあえず父上には会えなかったが、姉さんを見て改めて覚悟が決まった。
この世界にスキルは要らない。
さっさと終わらせる。
と、その前にセツナを攫うことにした。
僕との関係で軍や騎士に捕らえられても困るしセツナに何かあった時、僕は多分想像以上に暴れてしまう。
光学迷彩と気配隠蔽などを使ってセツナに会いに戻り、攫った。
セツナは快く着いてきてくれて、しばらく二人でのんびり過ごした。
久しぶりの恋人が二人きり、まあ語ることもない。
服を着ている時間の方が短い二週間を過ごし、僕らはトーンへと戻った。
トーンに戻って一旦ガクラたちにセツナを預けることにしたが、そこでまさかのキャミィと再会、しかもジャンポール君と恋仲になっていた。
これは……、ジャンポール君はしっかりと鍛え直す必要がある。
キャミィを幸せにする為に、みっちり鍛えてやろうと思った。
まあ、ここからエネミーシステムやサポートシステムの装置を探すことにしたのだが流石にどんなものかもわからないものを世界のどこかから見つけ出すのは『超加速』を用いても途方もない。
それにわりと、宇宙空間の衛星軌道上に人工衛星として存在しているとか月にあるとかも有り得る。
なので思考を加速させて、考えた。
……やはりビリーバーに聞くしかない。
だがクロス先生は消息不明、そもそもクロス先生が見つかるのならスキルも魔物も消す必要はない。
でも……、最後のビリーバーがクロス先生だけだったとは限らない。
サプライズモア株式会社の内部告発からの一斉検挙の際、自決方法にGISを用いてビリーバーとなった人間が居てもおかしくない。
ではビリーバーが居るとしたらどこだ?
僕の頭の中にある記憶を片っ端からひっくり返して思考する。
脳が悲鳴をあげ、回復速度を上回り鼻血が垂れたところで。
「……魔族だ」
僕は鼻血を拭いながら呟く。
まあそこに至るまでの思考回路は一旦置いておこう『超加速』による総当りでの力技なので語れることはない。
ざっくりいうとサウシスに現れた魔族は魔力増幅装置である『賢者の石』を狙っていた。
だがそもそも膨大な魔力を有する魔族がそんなものを欲しがる理由を考えた。使い道を考えた。
魔力増幅装置は魔力との親和率をあげる為に使える。
と、すれば。
親和率理論を持ち込んだ者が存在する。
そもそも今の人類が魔力との親和率が下がっていることを知っている者がいない。
居るとすれば異世界転生者だ。
僕はトーンから魔族領、魔法国家ダウンへと向かった。
そこでサウシスで会った魔族、グリオン・ガーラ君に再会し。
丁寧なお願いと、美味い酒と魚の燻製を振舞って。
ビリーバーであり魔法国家ダウン前国王、タヌー・マッケンジィと出会った。
タヌー氏よりエネミーシステムとサポートシステムの場所と仕様を聞き。
セブン公国中心部、地下二万メートルに一万二千の魔法障壁と二十八億桁のパスコードに守られた扉が三枚。
各扉を開くにはビリーバー特有のスキル『第〇種管理者権限』が必要になり、種別によって各装置の扉に対応する。
そのまま魔力との親和率や、株式会社デイドリームの話でなんとか扉を開けるまでの協力を取り次いだ。
だが直接的な破壊は嫌がった。
これは恐らく過干渉避けるためだろう。
クロス先生もビリーバーとしての過干渉を避けていた。
まあ方向性としては、公国落としの隙に僕が掘ってぶっ壊すことに固まった。
グリオン君を連れて、トーンに戻り今度は公国落とし……まあ正確には公都制圧の為、帝国に協力を仰いだ。
セツナの作った超高性能魔道具を用いてプレゼンし、何とか話を通した。
そこから帝国側にもビリーバーがいる可能性を探るために軽くガクラたちに話を振ったら。
居た。
魔動結社デイドリーム。
帝国の発展させた最大手魔道具メーカー。
出てきたのが女社長リョーコ・タイラー=ジャストランだった。
美女だが若かった。
最終世代のビリーバーとは年齢が合致しない為、警戒していたがどうにもビリーバーの娘だった。
父親を呼んでもらうように頼んだが。
ビリーバー、リョーヘェ・タイラーは既に逝去されていた。
僕は衝撃を受ける。
ビリーバーも……、あの卓越した世界最強の異世界転生者たちも、死ぬ。
いや……、それはそうだ、人なのだから当然だ。
この世界にスキルは要らない。
さっさと終わらせる。
と、その前にセツナを攫うことにした。
僕との関係で軍や騎士に捕らえられても困るしセツナに何かあった時、僕は多分想像以上に暴れてしまう。
光学迷彩と気配隠蔽などを使ってセツナに会いに戻り、攫った。
セツナは快く着いてきてくれて、しばらく二人でのんびり過ごした。
久しぶりの恋人が二人きり、まあ語ることもない。
服を着ている時間の方が短い二週間を過ごし、僕らはトーンへと戻った。
トーンに戻って一旦ガクラたちにセツナを預けることにしたが、そこでまさかのキャミィと再会、しかもジャンポール君と恋仲になっていた。
これは……、ジャンポール君はしっかりと鍛え直す必要がある。
キャミィを幸せにする為に、みっちり鍛えてやろうと思った。
まあ、ここからエネミーシステムやサポートシステムの装置を探すことにしたのだが流石にどんなものかもわからないものを世界のどこかから見つけ出すのは『超加速』を用いても途方もない。
それにわりと、宇宙空間の衛星軌道上に人工衛星として存在しているとか月にあるとかも有り得る。
なので思考を加速させて、考えた。
……やはりビリーバーに聞くしかない。
だがクロス先生は消息不明、そもそもクロス先生が見つかるのならスキルも魔物も消す必要はない。
でも……、最後のビリーバーがクロス先生だけだったとは限らない。
サプライズモア株式会社の内部告発からの一斉検挙の際、自決方法にGISを用いてビリーバーとなった人間が居てもおかしくない。
ではビリーバーが居るとしたらどこだ?
僕の頭の中にある記憶を片っ端からひっくり返して思考する。
脳が悲鳴をあげ、回復速度を上回り鼻血が垂れたところで。
「……魔族だ」
僕は鼻血を拭いながら呟く。
まあそこに至るまでの思考回路は一旦置いておこう『超加速』による総当りでの力技なので語れることはない。
ざっくりいうとサウシスに現れた魔族は魔力増幅装置である『賢者の石』を狙っていた。
だがそもそも膨大な魔力を有する魔族がそんなものを欲しがる理由を考えた。使い道を考えた。
魔力増幅装置は魔力との親和率をあげる為に使える。
と、すれば。
親和率理論を持ち込んだ者が存在する。
そもそも今の人類が魔力との親和率が下がっていることを知っている者がいない。
居るとすれば異世界転生者だ。
僕はトーンから魔族領、魔法国家ダウンへと向かった。
そこでサウシスで会った魔族、グリオン・ガーラ君に再会し。
丁寧なお願いと、美味い酒と魚の燻製を振舞って。
ビリーバーであり魔法国家ダウン前国王、タヌー・マッケンジィと出会った。
タヌー氏よりエネミーシステムとサポートシステムの場所と仕様を聞き。
セブン公国中心部、地下二万メートルに一万二千の魔法障壁と二十八億桁のパスコードに守られた扉が三枚。
各扉を開くにはビリーバー特有のスキル『第〇種管理者権限』が必要になり、種別によって各装置の扉に対応する。
そのまま魔力との親和率や、株式会社デイドリームの話でなんとか扉を開けるまでの協力を取り次いだ。
だが直接的な破壊は嫌がった。
これは恐らく過干渉避けるためだろう。
クロス先生もビリーバーとしての過干渉を避けていた。
まあ方向性としては、公国落としの隙に僕が掘ってぶっ壊すことに固まった。
グリオン君を連れて、トーンに戻り今度は公国落とし……まあ正確には公都制圧の為、帝国に協力を仰いだ。
セツナの作った超高性能魔道具を用いてプレゼンし、何とか話を通した。
そこから帝国側にもビリーバーがいる可能性を探るために軽くガクラたちに話を振ったら。
居た。
魔動結社デイドリーム。
帝国の発展させた最大手魔道具メーカー。
出てきたのが女社長リョーコ・タイラー=ジャストランだった。
美女だが若かった。
最終世代のビリーバーとは年齢が合致しない為、警戒していたがどうにもビリーバーの娘だった。
父親を呼んでもらうように頼んだが。
ビリーバー、リョーヘェ・タイラーは既に逝去されていた。
僕は衝撃を受ける。
ビリーバーも……、あの卓越した世界最強の異世界転生者たちも、死ぬ。
いや……、それはそうだ、人なのだから当然だ。
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