203 / 377
第一部23・この物語の主人公は世界を顧みない。【全18節】
13これが一番かっこいい。
しおりを挟む
流石ビリーバーの娘ということもあり、セツナの作った魔道具を量産して貰えることになった。
あとは帝国軍に公都侵攻をガクラが上手いこと通してくれれば話が進む。
打ち合わせや親睦会も兼ねて、ガクラの家で食事をご馳走になっていると。
クリア・クラックは、現れた。
僕が見間違えるはずもない、あの日、あの時の『無効化』少女が現れた。
僕は『超加速』で接近したと同時に『無効化』を使われたので擬似加速へと切り替えた。
その隙にジャンポール君が擬似加速を使って割って入る、凄まじい反応速度だし優秀だがまだ甘い。
天井に向けてぶん投げて『無効化』少女の記憶を読み取る。
あの日、あの後、何があったのか。
僕は知りたかった。
彼女の記憶からあの日、クロス先生が僕を助けに来てくれたこと、討伐隊や父上を圧倒的に畳んで現れた魔物から討伐隊や僕らを転移で救ってくれたこと。
何度も夢想し、想像した通り、いや感動はそれ以上。
ずっと知りたかった光景を僕は見た。
確信した、先生は僕にトーンで待たせるために跳ばしたんだ。
あの程度の魔物に世界最強の異世界転生者ジョージ・クロスが遅れをとるわけがない。
きっとどこかで生きていて、なんかしらの事情や単純に忘れているだけなんだ。
僕の行動は間違っていない、それが確信に変わる。
そこからは公都強襲制圧の準備を進めた。
魔動結社デイドリームでの魔道具量産。
魔道具を用いた戦術と作戦、部隊編成。
連携や技量を底上げする為の訓練。
とにかく僕は働いた。
待っているだけの時と違って、前に進む為の労働は充実していた。
セツナは自身の開発した魔道具や魔動兵器を組み合わせて、魔動結社デイドリームと共同開発で専用の新兵器を造り出し。
僕は基本的に戦闘には参加しないけど、もしもの為に専用武装の『棒ヤスリ』を大量生産してもらって空間魔法にぶち込んでおいた。
それと『魔法抵抗剤外装』を編み込んだコートを貰った。
色はもちろん黒、これが一番かっこいい。
キャミィとクリア嬢には衛生治療に加わってもらい。
山岳攻略部隊はグリオン君たち魔族小隊と組んで、公国最大戦力である対勇者パーティ用の部隊として再編成した。
そもそも山岳攻略部隊はかなり強い、ガクラの視る力は凄まじいしジャンポール君の個人技量はトーンのベテラン勢にも匹敵するし連携も凄まじい。
そんな準備期間を経て、作戦決行の日。
「さて……、そろそろ僕も出ようかな」
僕は伸びをしながらリーライ辺境伯拠点作戦本部で呟く。
通信網からの情報共有で既に、転移を使って公都内の軍事拠点や貴族の強襲制圧は開始されている。
この隙に僕は公都の中心部、旧王城へと向かう。
だが、丁度出ようとしたタイミングでギルド本部を担当している第二十強襲制圧部隊隊長のディアールから、援軍要請が入る。
第二十強襲制圧部隊は元々音楽隊上がりの連中を中心に編成されていて、連携の練度は相当高い。
冒険者という民間人相手に極力魔法を使わないように動いてはいるが、公都のぬるい冒険者たちに遅れをとるようなことはないはず……。
しかし報告にあった、強すぎる盾使いの女に僕は心当たりがあった。
「あー、僕が行くよ。通り道だしね」
そう言って転移でギルド本部まで跳んだ。
そこに居たのは予想通り、完全鉄壁の大盾使いリコーだった。
なんでリコーが公都にいるかは知らないが、これは荷が重い。
その気になれば三日三晩ぶっ通しで戦い続けるほどの戦闘持久力を誇るし、盾を使った防御戦闘はブラキスでも簡単には破れない。
でも、申し訳ないが僕の速さにリコーは着いてこられない。
丁寧にお願いをして武装を解除して家に帰って貰うことにした。
拘束するとバリィを怒らせそうだし、バリィが動いたらこの公都強襲制圧作戦自体に影響が出る可能性がある。
バリィは無意識ではあるが『狙撃』で、あらゆる策を狙い通りに動かす力を持っている。
そんなバリィを動かすのは良くない。
なんて考えつつ、僕が旧王城へ向かおうとしたところで。
「あんたが何をしたいのかは私にはわからないけどさ、多分簡単にはいかないよ」
と、リコーは不敵な笑みを浮かべて僕に言う。
頭の中で色々な起こりうる問題を考えそうになったが。
「んー……、まあ何とかするよ。僕は何とかしなくちゃならないことを何とか出来なかったことがない」
考えるのは止めて、適当にそう答える。
まあかつての仲間からの激励として受け取っておこう。
その足で僕は旧王城の裏へと向かった。
本来、旧王城には軍による警備がいるが既に第三騎兵団がこの辺りは制圧を終えている。
当初は斜めに消滅魔法で掘り進む予定だったけど、直下掘りでいいか。
リコーの不穏な激励が少し気になる。
タヌー氏に聞いた座標が……えーっと。
なんて僕が掘る場所を探してうろうろしていると。
「こんなところで何を生きている、早く死んでこの世から去れ」
耳を疑いたくなるような言葉を向けられる。
あとは帝国軍に公都侵攻をガクラが上手いこと通してくれれば話が進む。
打ち合わせや親睦会も兼ねて、ガクラの家で食事をご馳走になっていると。
クリア・クラックは、現れた。
僕が見間違えるはずもない、あの日、あの時の『無効化』少女が現れた。
僕は『超加速』で接近したと同時に『無効化』を使われたので擬似加速へと切り替えた。
その隙にジャンポール君が擬似加速を使って割って入る、凄まじい反応速度だし優秀だがまだ甘い。
天井に向けてぶん投げて『無効化』少女の記憶を読み取る。
あの日、あの後、何があったのか。
僕は知りたかった。
彼女の記憶からあの日、クロス先生が僕を助けに来てくれたこと、討伐隊や父上を圧倒的に畳んで現れた魔物から討伐隊や僕らを転移で救ってくれたこと。
何度も夢想し、想像した通り、いや感動はそれ以上。
ずっと知りたかった光景を僕は見た。
確信した、先生は僕にトーンで待たせるために跳ばしたんだ。
あの程度の魔物に世界最強の異世界転生者ジョージ・クロスが遅れをとるわけがない。
きっとどこかで生きていて、なんかしらの事情や単純に忘れているだけなんだ。
僕の行動は間違っていない、それが確信に変わる。
そこからは公都強襲制圧の準備を進めた。
魔動結社デイドリームでの魔道具量産。
魔道具を用いた戦術と作戦、部隊編成。
連携や技量を底上げする為の訓練。
とにかく僕は働いた。
待っているだけの時と違って、前に進む為の労働は充実していた。
セツナは自身の開発した魔道具や魔動兵器を組み合わせて、魔動結社デイドリームと共同開発で専用の新兵器を造り出し。
僕は基本的に戦闘には参加しないけど、もしもの為に専用武装の『棒ヤスリ』を大量生産してもらって空間魔法にぶち込んでおいた。
それと『魔法抵抗剤外装』を編み込んだコートを貰った。
色はもちろん黒、これが一番かっこいい。
キャミィとクリア嬢には衛生治療に加わってもらい。
山岳攻略部隊はグリオン君たち魔族小隊と組んで、公国最大戦力である対勇者パーティ用の部隊として再編成した。
そもそも山岳攻略部隊はかなり強い、ガクラの視る力は凄まじいしジャンポール君の個人技量はトーンのベテラン勢にも匹敵するし連携も凄まじい。
そんな準備期間を経て、作戦決行の日。
「さて……、そろそろ僕も出ようかな」
僕は伸びをしながらリーライ辺境伯拠点作戦本部で呟く。
通信網からの情報共有で既に、転移を使って公都内の軍事拠点や貴族の強襲制圧は開始されている。
この隙に僕は公都の中心部、旧王城へと向かう。
だが、丁度出ようとしたタイミングでギルド本部を担当している第二十強襲制圧部隊隊長のディアールから、援軍要請が入る。
第二十強襲制圧部隊は元々音楽隊上がりの連中を中心に編成されていて、連携の練度は相当高い。
冒険者という民間人相手に極力魔法を使わないように動いてはいるが、公都のぬるい冒険者たちに遅れをとるようなことはないはず……。
しかし報告にあった、強すぎる盾使いの女に僕は心当たりがあった。
「あー、僕が行くよ。通り道だしね」
そう言って転移でギルド本部まで跳んだ。
そこに居たのは予想通り、完全鉄壁の大盾使いリコーだった。
なんでリコーが公都にいるかは知らないが、これは荷が重い。
その気になれば三日三晩ぶっ通しで戦い続けるほどの戦闘持久力を誇るし、盾を使った防御戦闘はブラキスでも簡単には破れない。
でも、申し訳ないが僕の速さにリコーは着いてこられない。
丁寧にお願いをして武装を解除して家に帰って貰うことにした。
拘束するとバリィを怒らせそうだし、バリィが動いたらこの公都強襲制圧作戦自体に影響が出る可能性がある。
バリィは無意識ではあるが『狙撃』で、あらゆる策を狙い通りに動かす力を持っている。
そんなバリィを動かすのは良くない。
なんて考えつつ、僕が旧王城へ向かおうとしたところで。
「あんたが何をしたいのかは私にはわからないけどさ、多分簡単にはいかないよ」
と、リコーは不敵な笑みを浮かべて僕に言う。
頭の中で色々な起こりうる問題を考えそうになったが。
「んー……、まあ何とかするよ。僕は何とかしなくちゃならないことを何とか出来なかったことがない」
考えるのは止めて、適当にそう答える。
まあかつての仲間からの激励として受け取っておこう。
その足で僕は旧王城の裏へと向かった。
本来、旧王城には軍による警備がいるが既に第三騎兵団がこの辺りは制圧を終えている。
当初は斜めに消滅魔法で掘り進む予定だったけど、直下掘りでいいか。
リコーの不穏な激励が少し気になる。
タヌー氏に聞いた座標が……えーっと。
なんて僕が掘る場所を探してうろうろしていると。
「こんなところで何を生きている、早く死んでこの世から去れ」
耳を疑いたくなるような言葉を向けられる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
571
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる