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27・過去から時空を超えた勇者、追放令嬢に恋をする。【全4話】
4.侮っていた。
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正直に言うなら、僕や魔王や竜の女王や研究者や探求者など、そもそも人ではなかったりとっくに人を辞めてしまっているような存在から見るのであれば残念ながら、弱い。
だけど、人の域で求められる強さでいうなら十分過ぎるというか人の域は確実に超えている。この時代の人がどこまで鍛えて極めているのかは知らないけど、少なくとも二千年前であれば彼女は人の中で最強格だろう。
しかして、彼女が求める答えはそう言うことではない。
どうも僕は彼女が持っていた自分の打に対する信頼に陰りを持たせてしまったようだ。
だったら今度は色男としてではなく、最強の人間兵器としての評価を伝えよう。
「僕を基準に考えるなら君は弱い、残念ながらその差を埋めることは困難だろう。しかしそれはあくまでも僕と比べた話であって人の域での強さならば君は最強格だ、まず負けることは無い。己の打への信頼を疑う必要はない、それに君はまだ強くなれる。技の冴え自体に僕との差は殆ど無い、あるのは出力の差くらいだ、技は細かい調整を行えば更に冴えるし、どうやったって出力に甘える僕より技は冴えるかもしれない」
僕は彼女の目を真っ直ぐに見つめて、真摯に答えた。
「……………………そうですか、ありがとうございます」
キャロライン嬢は僕の言葉をゆっくりと咀嚼するように飲み込みそう返した。
続けて。
「もしよろしければ、その……、私がこの国にいる間だけでも……稽古をつけていただけませんでしょうか……?」
頬を染めて、やや照れくさそうに彼女は言った。
え、ええー……ここで可愛げを発揮するのか……。
まあしかし、可愛いのだから仕方がない。
「……もちろん、僕が君をさらに強くしてみせよう」
さて、僕がこっちの線ならまだ脈ありそうだなと思ったところで僕の時空を超えた出会いと、変な女に惚れてしまう話はおおよそおしまいである。
この後のことを強いて語るなら、僕はキャロラインに稽古をつけた。
稽古と言っても、キャロラインに好き放題僕を消し飛ばすつもりで本気で叩かせ続けて、技に甘さがある部分を指摘して模範の動きを見せるというものの繰り返しだ。
残念ながら……いや安心したが、稽古の際にキャロラインはしっかりとズボンを着用していたのでパンツが丸見えになることはなかった。
あと僕は彼女の才能を侮っていた。
正直、ちょっと調整すれば十分だろうと思っていたのだが、指摘する度に彼女はすぐに技を修正し応用し「え、それ出来るんなら、じゃあこれも」と言ったように当初言わなくてもよかったような修正まで見事にこなしていった。
それに少しずつ技の威力も上がっている。
まだ僕にダメージを通すほどには至っていないが、このままの調子で威力を上げられるのであればその日も遠くはないだろう。
というか一番の懸念はこのまま強くなり続けてしまうと人間を辞めてしまうことになりかねないことだ。
そこはしっかりと見極めなくてはならない。
彼女を好きだからこそしっかりと線引きしなくてはならない。
「ダグラス、私が貴方を吹き飛ばせるほど強くなれたら、私とお付き合いしてもらえませんか、正直私は貴方を好きになっております」
「…………足運びが遅い! 踏み込みの強さは次だ! 身体全体の速度を向上して慣性を乗せろ! 全ての力を一ずつ向上すれば全体でかなりの向上となる! 基礎の一つ一つの精度と練度を上げるんだ!」
いやだって、好きになっちゃったのだから仕方がないでしょうに。
だけど、人の域で求められる強さでいうなら十分過ぎるというか人の域は確実に超えている。この時代の人がどこまで鍛えて極めているのかは知らないけど、少なくとも二千年前であれば彼女は人の中で最強格だろう。
しかして、彼女が求める答えはそう言うことではない。
どうも僕は彼女が持っていた自分の打に対する信頼に陰りを持たせてしまったようだ。
だったら今度は色男としてではなく、最強の人間兵器としての評価を伝えよう。
「僕を基準に考えるなら君は弱い、残念ながらその差を埋めることは困難だろう。しかしそれはあくまでも僕と比べた話であって人の域での強さならば君は最強格だ、まず負けることは無い。己の打への信頼を疑う必要はない、それに君はまだ強くなれる。技の冴え自体に僕との差は殆ど無い、あるのは出力の差くらいだ、技は細かい調整を行えば更に冴えるし、どうやったって出力に甘える僕より技は冴えるかもしれない」
僕は彼女の目を真っ直ぐに見つめて、真摯に答えた。
「……………………そうですか、ありがとうございます」
キャロライン嬢は僕の言葉をゆっくりと咀嚼するように飲み込みそう返した。
続けて。
「もしよろしければ、その……、私がこの国にいる間だけでも……稽古をつけていただけませんでしょうか……?」
頬を染めて、やや照れくさそうに彼女は言った。
え、ええー……ここで可愛げを発揮するのか……。
まあしかし、可愛いのだから仕方がない。
「……もちろん、僕が君をさらに強くしてみせよう」
さて、僕がこっちの線ならまだ脈ありそうだなと思ったところで僕の時空を超えた出会いと、変な女に惚れてしまう話はおおよそおしまいである。
この後のことを強いて語るなら、僕はキャロラインに稽古をつけた。
稽古と言っても、キャロラインに好き放題僕を消し飛ばすつもりで本気で叩かせ続けて、技に甘さがある部分を指摘して模範の動きを見せるというものの繰り返しだ。
残念ながら……いや安心したが、稽古の際にキャロラインはしっかりとズボンを着用していたのでパンツが丸見えになることはなかった。
あと僕は彼女の才能を侮っていた。
正直、ちょっと調整すれば十分だろうと思っていたのだが、指摘する度に彼女はすぐに技を修正し応用し「え、それ出来るんなら、じゃあこれも」と言ったように当初言わなくてもよかったような修正まで見事にこなしていった。
それに少しずつ技の威力も上がっている。
まだ僕にダメージを通すほどには至っていないが、このままの調子で威力を上げられるのであればその日も遠くはないだろう。
というか一番の懸念はこのまま強くなり続けてしまうと人間を辞めてしまうことになりかねないことだ。
そこはしっかりと見極めなくてはならない。
彼女を好きだからこそしっかりと線引きしなくてはならない。
「ダグラス、私が貴方を吹き飛ばせるほど強くなれたら、私とお付き合いしてもらえませんか、正直私は貴方を好きになっております」
「…………足運びが遅い! 踏み込みの強さは次だ! 身体全体の速度を向上して慣性を乗せろ! 全ての力を一ずつ向上すれば全体でかなりの向上となる! 基礎の一つ一つの精度と練度を上げるんだ!」
いやだって、好きになっちゃったのだから仕方がないでしょうに。
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