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3章 白雪くんは森へと迷い込み
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「ごめん、由起也。余計なこと……だった?」
由起也が呆然としていることに気づいた隆平が、そう声をかける。
「もし、嫌だったら、嫌って言って。もうこれ以上は深入りしないから」
「嫌……ではないです。でも、オレ、知ってもいいんでしょうか? 母さんが隠したかったことなのに、オレ、知らない方が……」
由起也が、混乱している。自分が良かれと思ってしたことが、由起也を困らせてしまった。
隆平は、思い込んだら一直線に突っ走ってしまうところがある。またやってしまった、と後悔し始めていたその時、
「由起也くん。お父さんのこと、好きだった?」
万里子が由起也に静かに問いかけた。
万里子のその言葉を聞いた由起也が、たっぷりと時間をかけてから答える。
「……はい。大好きでした」
「だったら、好きな人のことは……、大事な人のことはちゃんと知っておきたい。そうでしょ?」
「……はい。……はいっ!」
由起也の目から、ぽろりと一粒涙がこぼれた。
***
隆平、万里子、由起也の3人は、とりあえず夕飯を食べようと、支度をしてリビングへ移動した。
そして夕飯を終え、落ち着いたところで、紅茶を前に再び話し出した。
「とりあえず、大学の図書館で昔の学校通信みたいなものがないか、探してみよう」
「そうですね」
「でさ。由起也のお父さんって、名前は何て言うの?」
「よしのぶです。由起也の「由」に信じるで、由信」
「名字は、白石……じゃないか」
由起也の父と母は入籍していなかった。だから由起也の姓の白石は、母方の姓だ。由起也はずっと、父親も「白石」だと思っていたから、父親の姓はわからないと言う。
「あ」
「どうした? 何か思い出した?」
「はい、すごく難しい漢字だった気がします。小学校低学年では読めないような……」
「そっか……」
「すみません、そんなことしか思い出せなくて」
期待で一瞬目を輝かせた隆平だったが、すぐにぷしゅっとしぼんでしまった。
そんな隆平の様子を見た由起也が、くすくす笑い出した。
「ホントに先輩って、気持ちがすぐに態度に出ますよね。そんなんで、パパさんの会社、継げるんですか?」
「そーなんだよなー。海千山千の不動産業界、こんなんで渡っていけるのか、自分でも心配」
「何言ってるの。お父さん、とっても楽しみにしてるのよ」
「そうは見えないけどなぁ」
「見せないようにしてるのよ」
隆平と万里子のそんなやりとりを聞いた由起也が、またくすくすと笑い出した。
ああ、やっぱり好きな子の笑顔っていいな。
ちょっと突っ走っちゃったけど、教授にダメ元で聞いてみて、よかった。
隆平は、万里子と微笑み合う由起也を見て、そう思った。
由起也が呆然としていることに気づいた隆平が、そう声をかける。
「もし、嫌だったら、嫌って言って。もうこれ以上は深入りしないから」
「嫌……ではないです。でも、オレ、知ってもいいんでしょうか? 母さんが隠したかったことなのに、オレ、知らない方が……」
由起也が、混乱している。自分が良かれと思ってしたことが、由起也を困らせてしまった。
隆平は、思い込んだら一直線に突っ走ってしまうところがある。またやってしまった、と後悔し始めていたその時、
「由起也くん。お父さんのこと、好きだった?」
万里子が由起也に静かに問いかけた。
万里子のその言葉を聞いた由起也が、たっぷりと時間をかけてから答える。
「……はい。大好きでした」
「だったら、好きな人のことは……、大事な人のことはちゃんと知っておきたい。そうでしょ?」
「……はい。……はいっ!」
由起也の目から、ぽろりと一粒涙がこぼれた。
***
隆平、万里子、由起也の3人は、とりあえず夕飯を食べようと、支度をしてリビングへ移動した。
そして夕飯を終え、落ち着いたところで、紅茶を前に再び話し出した。
「とりあえず、大学の図書館で昔の学校通信みたいなものがないか、探してみよう」
「そうですね」
「でさ。由起也のお父さんって、名前は何て言うの?」
「よしのぶです。由起也の「由」に信じるで、由信」
「名字は、白石……じゃないか」
由起也の父と母は入籍していなかった。だから由起也の姓の白石は、母方の姓だ。由起也はずっと、父親も「白石」だと思っていたから、父親の姓はわからないと言う。
「あ」
「どうした? 何か思い出した?」
「はい、すごく難しい漢字だった気がします。小学校低学年では読めないような……」
「そっか……」
「すみません、そんなことしか思い出せなくて」
期待で一瞬目を輝かせた隆平だったが、すぐにぷしゅっとしぼんでしまった。
そんな隆平の様子を見た由起也が、くすくす笑い出した。
「ホントに先輩って、気持ちがすぐに態度に出ますよね。そんなんで、パパさんの会社、継げるんですか?」
「そーなんだよなー。海千山千の不動産業界、こんなんで渡っていけるのか、自分でも心配」
「何言ってるの。お父さん、とっても楽しみにしてるのよ」
「そうは見えないけどなぁ」
「見せないようにしてるのよ」
隆平と万里子のそんなやりとりを聞いた由起也が、またくすくすと笑い出した。
ああ、やっぱり好きな子の笑顔っていいな。
ちょっと突っ走っちゃったけど、教授にダメ元で聞いてみて、よかった。
隆平は、万里子と微笑み合う由起也を見て、そう思った。
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