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番外 三十 番外 三十 マルチバース異世界編 猟師のダリオとバグ有テオドール 後日談 2
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わいわい喋っている二人の冒険者と違って、物静かにしていたもう一人が仮面を脱ぎ、緊張したように口を開いた。
「あ、あのさ。ダリオ、花結びのパートナーってもういるのかな?」
「なんだそれ」
テオドールに警戒された方のムキムキ冒険者が横から口を挟む。
「んもー! 前に説明したでしょ! 広場でもうすぐダンスが始まるから、そのパートナーよ! 独身の適齢者は基本参加よ! せっかくだから、ダリオも楽しんできなさい!」
「へー、楽しそうだな。ただ俺、そもそもダンスもしたことないからなぁ」
「じゃあ俺が! 教えるのに立候補します!!」
被せ気味に言われて、ダリオは口をつぐんだ。やがて、慎重に尋ねる。
「いいのか? 独身適齢者向けって、結婚相手探しみたいなもんだろ? 大事な時間じゃねぇのか?」
「問題ないよ、ダリオと踊りたいんだ!」
「お、おう……ありがとう? ただ、俺、本当にダンス踊ったことがないんだよ。全然わかんねーし、足踏みまくると思うが、大丈夫か?」
ダリオは村でずっと避けられていたので、本当に人と手をつないで踊ったことがない。
「いいよ! 全然いい! それに踊ったことがないなら、余計に楽しんでほしいよ! 俺もそんな上手じゃないんだけど……だから気を抜いて、気軽にお願いします!」
言っている本人は全く気軽そうではない。すごい勢いだ。テオドールが「ダリオさん」と見上げてくる。
「ダリオさんは、ダンスをしたことがないのですか?」
「あーまぁ、村でああだったからなー」
返事をしながらダリオは、相手の熱意にもしかしてと特別な好意を感じ始めていた。でも、村での経験が「まさかなぁ」と考えを打ち消す。とにかくダリオは、複雑な対人関係の経験が悲しいほどに少なかった。
異物として除け者にされるか、異常な執着を向けられて監禁されるか、そのどちらかしかなかった。
深く関わることができたのは、スライムのテオドールとだけだ。
単に、東の都の人々が新入りのダリオに親切にしてくれているだけかもしれない。そう思っていたところ、なんとテオドールが背中を押した。
「ダリオさん、踊ったことがないのでしたら、ぜひ行ってみられては?」
「そうよ~、テオドールちゃんはアタシたちに任せて! 広場を一緒に見物してるから、楽しんできなさいな!」
「不本意ながら、はぐれてもいけませんので、この大きな目印たちといます」
テオ、お前その言い方……とダリオはたしなめたが、冒険者たちは「いいのよぉ! アタシもさっき失礼しちゃったもの、これで相殺ね!」と笑っている。
「……そうだな、せっかくだしな」
ダリオが同意すると、誘ってくれた青年がぱぁっと顔を明るくした。
あー、これは……うーん……勘違いか? とダリオは内心困惑する。
しかし、経験がなさすぎてわからんな、と結論した。まあ、はっきりしたことは何も言われていないし、楽しもう。そう思ったのだった。
「じゃ、じゃあ、いい場所取りをしよう! 案内するから!」
「ああ」
そうして案内された先で、いよいよ楽団が音楽を奏で、ダンスが始まる。
ダリオは生まれて初めて人と手を繋いで踊り、それはもう本当に楽しかった。
たくさんの花火が夜空に上がり、みんな嬉しそうで、ダリオも自然と笑顔になる。
やがて一礼し、息を切らしてテオドールたちのところに戻ると、この日は本当に楽しい思い出になったのだった。
ところが、その晩、一緒に帰宅したはずのテオドールは、
「すこし のあいだ るす します」
と書いた置き手紙を残して、翌朝、姿を消してしまったのである。
「あ、あのさ。ダリオ、花結びのパートナーってもういるのかな?」
「なんだそれ」
テオドールに警戒された方のムキムキ冒険者が横から口を挟む。
「んもー! 前に説明したでしょ! 広場でもうすぐダンスが始まるから、そのパートナーよ! 独身の適齢者は基本参加よ! せっかくだから、ダリオも楽しんできなさい!」
「へー、楽しそうだな。ただ俺、そもそもダンスもしたことないからなぁ」
「じゃあ俺が! 教えるのに立候補します!!」
被せ気味に言われて、ダリオは口をつぐんだ。やがて、慎重に尋ねる。
「いいのか? 独身適齢者向けって、結婚相手探しみたいなもんだろ? 大事な時間じゃねぇのか?」
「問題ないよ、ダリオと踊りたいんだ!」
「お、おう……ありがとう? ただ、俺、本当にダンス踊ったことがないんだよ。全然わかんねーし、足踏みまくると思うが、大丈夫か?」
ダリオは村でずっと避けられていたので、本当に人と手をつないで踊ったことがない。
「いいよ! 全然いい! それに踊ったことがないなら、余計に楽しんでほしいよ! 俺もそんな上手じゃないんだけど……だから気を抜いて、気軽にお願いします!」
言っている本人は全く気軽そうではない。すごい勢いだ。テオドールが「ダリオさん」と見上げてくる。
「ダリオさんは、ダンスをしたことがないのですか?」
「あーまぁ、村でああだったからなー」
返事をしながらダリオは、相手の熱意にもしかしてと特別な好意を感じ始めていた。でも、村での経験が「まさかなぁ」と考えを打ち消す。とにかくダリオは、複雑な対人関係の経験が悲しいほどに少なかった。
異物として除け者にされるか、異常な執着を向けられて監禁されるか、そのどちらかしかなかった。
深く関わることができたのは、スライムのテオドールとだけだ。
単に、東の都の人々が新入りのダリオに親切にしてくれているだけかもしれない。そう思っていたところ、なんとテオドールが背中を押した。
「ダリオさん、踊ったことがないのでしたら、ぜひ行ってみられては?」
「そうよ~、テオドールちゃんはアタシたちに任せて! 広場を一緒に見物してるから、楽しんできなさいな!」
「不本意ながら、はぐれてもいけませんので、この大きな目印たちといます」
テオ、お前その言い方……とダリオはたしなめたが、冒険者たちは「いいのよぉ! アタシもさっき失礼しちゃったもの、これで相殺ね!」と笑っている。
「……そうだな、せっかくだしな」
ダリオが同意すると、誘ってくれた青年がぱぁっと顔を明るくした。
あー、これは……うーん……勘違いか? とダリオは内心困惑する。
しかし、経験がなさすぎてわからんな、と結論した。まあ、はっきりしたことは何も言われていないし、楽しもう。そう思ったのだった。
「じゃ、じゃあ、いい場所取りをしよう! 案内するから!」
「ああ」
そうして案内された先で、いよいよ楽団が音楽を奏で、ダンスが始まる。
ダリオは生まれて初めて人と手を繋いで踊り、それはもう本当に楽しかった。
たくさんの花火が夜空に上がり、みんな嬉しそうで、ダリオも自然と笑顔になる。
やがて一礼し、息を切らしてテオドールたちのところに戻ると、この日は本当に楽しい思い出になったのだった。
ところが、その晩、一緒に帰宅したはずのテオドールは、
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と書いた置き手紙を残して、翌朝、姿を消してしまったのである。
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