ピーナッツバター

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雷と終わらない快楽①

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Side ひよしさん


それは、ゲリラ豪雨の夏の夜だった。

「雨、すげーな」

ソファの隣に座っている空に言った。

今日は窓を叩きつけるほどの大雨だった。

「さっき大雨警報出たみたいだよ」

空が答える。

「まじか。明日学校休みになんねーかな」

「…それ、教師のセリフじゃないよ」

その時、ピカッと窓の外が光った。

「うお、すげぇカミナリ!」

俺は驚いて言った。

続いてゴロゴロという低い音が聞こえた。

「こりゃ結構近いかもな。なぁ、空」



あれ?反応が帰ってこない。

空の方を見ると、なぜか耳を塞いでいた。

「おーい、空?」

「…え、あ、なに?」

空は耳を塞いでいた手を外してこっちを見た。

「耳なんか塞いでどうしたんだ?」

「…べ、別に…」

するとまたピカッと外が光った。

それと同時に空が俺に抱きついてきた。

これってもしかして…

「お前、カミナリこえーの?」

「えっ、いや?別に?ぜんっぜんそんなこと無いけど?」

否定の仕方がめちゃくちゃ不自然なんだが。

その時、さっきよりも大きな音でゴロゴロゴロッと音がした。

「ひっ!」

と言って空は俺の胸元に潜り込んだ。

こりゃ確定だな。

「空、カミナリが怖いんだな?」

「ちちちち違うっ!」

「違わねーだろ」

「違うってば!」

「じゃあ俺今からどっか行っていい?」

「…や、やだ、行かないで…!」

空が俺にぎゅーっとしがみついた。

なにこの可愛さの象徴みたいな生き物。

カミナリが怖い時点で可愛いのに、俺にしがみついて来て、俺の胸に収まって、まるで小動物のようだった。

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