ピーナッツバター

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(日常小話)カヌレをつくろう!③

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泡立ての工程に入るが、空くんはどうも苦手のようで苦戦していた。

「空くん、空気が入るように泡立てるといいよ。こんな感じで…」

そう言って後ろから空くんの手ごと泡立て器を握り、カシャカシャと動かした。

「わ、すごい!さすが永井さん」

みるみる泡立つ容器を見て、空くんが感動してくれた。

っていうか、無意識だったけど、俺、空くんの手、握っちゃってるし。

密着しすぎか?

ちょうど俺の顔の真下にある空くんの頭。

髪の毛さらっさらだな。

なんかいい匂いするし。

「永井さん、僕やってみます」

「お、そうか。じゃあやってみ」

俺が泡立て器を手放すと、空くんが少し前かがみになって一生懸命手を動かした。

「おー、いい感じだねー…っ!!」

完全に事故だが、前屈みになった事で空くんの胸元が見えてしまった。

ち、乳首が…

空くんの乳首がTシャツの隙間から覗いた。

乳首、すげーピンク色じゃん。

あんなにピンクな乳首、見たことないんだけど!!

「永井さん…?どうしました?」

「うおっ、な、なんでもないよ!」

空くんが俺の顔をのぞき込んできて、思わず後ずさりした。

近くで見るとマジで可愛い顔してるな、この子。

目大きいし、睫毛長いし…。

付き合ってる彼女より可愛いんじゃねぇのか?

この数分で空くんに性的興奮を抱きそうになって、さすがにそれはやべぇと思い理性と戦ううちに、カヌレは出来上がった。

空くんはわかりやすくはしゃいでいた。

「永井さん、ありがとうございます!喜んでくれるといいなぁ…」

はぁ、この子、なんて健気で可愛いんだろう。

俺の薄汚れた心が洗われるようだよ…。

「いやいいんだよ、喜んでくれるといいね」

俺もあくまでいいお兄さん的スマイルでそう答えた。


後日、空くんから、「とても喜んでくれました。永井さんのおかげです」と報告を受けた。

いいな、空くんの彼女。

俺はもはや羨ましさを抱いてしまっていた。

その空くんの"彼女"が実は男性で、超ガタイのいい体育教師だという事を俺が知るのはもう少し先の事だった。




END
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