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空くんの密事⑪

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「空、そんなにガチ泣きすんなよ」

「ひっく…ぅぅ…だってぇ…っ…」

全然、泣きやまない。

空は泣き虫だけど、こりゃここ数ヶ月で1番の泣きっぷりだな。

「仕方ねぇな。ちょー名残惜しいけど、動画消すよ」

「ぐすっ……ほんと…?」

「あぁ。ちょーーーー名残惜しいけどな」

そう言うと、俺はひと思いに動画を削除した。

「ほら、消したからさ。もう泣くなって」

俺は空の頭をわしゃわしゃと撫でた。

「ぅ…っ、ひっく…、ぅん…ティッシュとって…」

ティッシュを渡すと、俺の胸でチーンと可愛らしく鼻を噛む空。

そして、今更気付いたかのようにシーツに飛んだ自分の精液も拭き始める。

「ごめん…シーツよごして」

「空、そんなん別にいいのに」

なんかもう空が可愛くて愛しくて思いっきり抱きしめた。

「…ひよしさん…苦しいよ…」

「空、寂しい思いさせてゴメンな」

「ううん、大丈夫。ねぇ、ひよしさん…」

「ん?」

「その、キ、キ、キス…して…」

うお、空からキスをせがんできた。

今日は珍しいことのオンパレードだな。

キスしてって言うだけでこんなに顔赤くしちゃって。

「お前より可愛いものがあったら教えてほしいよ、俺は」

俺は空の小さな唇に口付けた。

「んぅ、んんっ」

舌を吸って口内を掻き回す。空もいつになく積極的に舌で応えてくれる。

口を離すと空はとろんとした表情で俺をじーっと見つめてきた。

「…空?」

いやマジ可愛すぎるからその顔!

「…ひよしさぁん…」

これまた珍しく甘えた声を出したかと思えば、俺に抱きついてきて、身体を丸めた。

「空…可愛すぎなんだけど…」

子猫のように甘えてくる空が可愛くて可愛くて可愛くて…

本当に寂しかったんだな、お前。

「空、寂しい思いさせてごめんな?」

空の頭を撫でながら言う。

「でも、空が俺のことをこんなに思っていてくれたって知れてよかったよ」



あれ、反応が返ってこない。

「…すーすー…」

俺の胸の中で小さく寝息が聞こえてきた。

「寝てんのかい!」

泣き疲れて寝ちまったようだ。

安心したのかな。

可愛いしいいんだけどさ…

俺のギンギンになって収まりつかないモノどーすりゃいーんだよっ!

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