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空くんの家出⑥
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「ひよしさんからラインと着信がすごいきてる…」
目を潤ませながらも無理して笑顔を作る結城。
「なぁ結城、ひよしさんのとこ戻らないのか?」
本当は戻ってほしくない。
でも結城の悲しそうな顔を見るのはもっとつらい。
「戻らないよ。もうひよしさんなんて知らないもん」
泣きそうな顔で強がる結城を見て、俺はもういても立ってもいられず、数秒後には結城のちいさな体を思いっきり抱きしめていた。
「…え…、かなてぃ…?」
「俺じゃだめか?」
俺の胸の中で戸惑う結城に問いかける。
少しの間、沈黙が流れた。
「結城、俺やっぱり結城のことが好きだよ。本当は結城と付き合いたいし結城と一緒にいたい。今日もひよし先生と一緒かなって想像するだけで胸が痛くなることもある」
俺の話を結城は俺の胸に顔を押し付けたまま無言で聞いている。
「俺にとって結城が幸せな事が1番だ。だから、結城にとってひよし先生といるのが幸せなことなら見守ろうと思ってた。でも、ひよし先生が結城のことを泣かせたり傷付けるなら、俺も身を引くつもりはない。」
俺は結城の細い肩を両手で抱き、正面から結城の顔を見る。
「俺にしとけよ、結城」
結城は無言でポロポロと涙を流していた。
そして、無言で俺の言葉に小さく頷いた。
目を潤ませながらも無理して笑顔を作る結城。
「なぁ結城、ひよしさんのとこ戻らないのか?」
本当は戻ってほしくない。
でも結城の悲しそうな顔を見るのはもっとつらい。
「戻らないよ。もうひよしさんなんて知らないもん」
泣きそうな顔で強がる結城を見て、俺はもういても立ってもいられず、数秒後には結城のちいさな体を思いっきり抱きしめていた。
「…え…、かなてぃ…?」
「俺じゃだめか?」
俺の胸の中で戸惑う結城に問いかける。
少しの間、沈黙が流れた。
「結城、俺やっぱり結城のことが好きだよ。本当は結城と付き合いたいし結城と一緒にいたい。今日もひよし先生と一緒かなって想像するだけで胸が痛くなることもある」
俺の話を結城は俺の胸に顔を押し付けたまま無言で聞いている。
「俺にとって結城が幸せな事が1番だ。だから、結城にとってひよし先生といるのが幸せなことなら見守ろうと思ってた。でも、ひよし先生が結城のことを泣かせたり傷付けるなら、俺も身を引くつもりはない。」
俺は結城の細い肩を両手で抱き、正面から結城の顔を見る。
「俺にしとけよ、結城」
結城は無言でポロポロと涙を流していた。
そして、無言で俺の言葉に小さく頷いた。
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