春の明日になりたい

はる

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激戦(挿絵あり)

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「ぐはァ…効いたぜェ…」

ダズロは倒れそうになったが、グッと踏みとどまり、ハルの片足首を大きな手で掴んだ。

「く…ッ」

ハルは抵抗しようとするが、逆さまのまま持ち上げられてしまう。

「こんな細足なのにとんでもねェ威力だなァ。危うく昇天するとこだったぜ。」

「昇天しとけよ。」

「ハッ、幹部を舐めんなよ。それにしても白くてエロい腹だなァ。」

捲れたパーカーから覗くハルの白い腹をいやらしい目つきで眺めると、ダズロはハルのおへそをペロリと舐めた。

「わ…っ、やめろ!気持ち悪い!」

「もう少しで乳首も見えそうだなァ。」

ダズロはハルのパーカーをさらに捲ろうと手を伸ばした。

「この変態野郎!」

ハルは、もう片方の脚でダズロの頭に回転蹴りをかました。

「ぐがァ…!このクソガキィ!」

ダズロが繰り出した大振りの拳がハルに命中した。

「うぁ…っ!」

ハルは身体ごと吹き飛ばされるも、すぐに体勢を建て直し、構える。



そして、間髪入れずに腰に隠していた銃をふたつ取り出し、ダズロの巨体めがけて駆け寄りながら乱発した。

ダズロは、全身の筋肉を硬直させて球は全て受け止めた。

「ぐ…ははァ!特性の防弾チョッキと俺の鍛え上げた肉体に銃弾なんて効かねぇ。」

ダズロはハルに向かってまた大ぶりの拳を打ち込むが、ハルは軽やかに頭上に飛び上がり、ダズロの拳は床にめり込んだ。

「酒、好き?」

ハルはそう言うと、パーカーのポケットからアルコールの入った小瓶を取り出して、ダズロの頭上に投げ銃で割った。

「うお!?なんだ!?」

液体がダズロに降り掛かる。

「爆弾はトラックに仕掛けた分だけじゃない。」

着地したハルは小型爆弾をダズロに投げると同時に素早く距離を取った。

「貴様…グァァァァァ!」

爆発音と同時にダズロは爆炎に包まれる。

「じゃあな。」とハルは言い残し、足早にその場を去った。
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